おまけ その一の段 「では、帰りましょうか」 「おう」 「歩けますか?」 「なんとか。ところで、何でお前が来たんだ?忍務って?」 「えーっと、六年生が「得意武器を使ってはいけない」という課題を受け、俺たちはその援護に向かうことになったんすよ」 「………え?」 「…怒らないで下さいね。数名、もしかしたら終わらせることができないからって…。も、勿論俺ら五年生はできると思ってましたけど、……あの、課題なんで…。すみません」 「なるほど、な…。まぁ、課題ならしょうがねぇな」 「うう、すみません、虎徹先輩…」 「いや、俺はそのおかげで助かったから文句はねぇよ」 「そ、そうっすか…!」 「ところで、その数名ってのは誰だ?」 「七松先輩と、食満先輩と、善法寺先輩です」 「ああ、あいつらも苦手な忍務だったもんな…」 「へぇ…。どんな忍務だったんですか?」 「小平太は戦場視察。留三郎は隠密だっけ。伊作は敵兵に紛れて敵将を倒すこと。ついでに文次郎も隠密だったな」 「七松先輩も食満先輩も潮江先輩も戦えないんですね…」 「小平太と留三郎は悔しがっていたが、文次郎は「いい鍛錬だ!」って喜んでたな。伊作は「絶対に補習だぁ!」って泣いてた」 「あはは、目に浮かぶっす。あ、中在家先輩と立花先輩のお二人は?」 「仙蔵は宝禄火矢を使うことなく苦無一本で山賊砦を制圧すること。長次は商人になって情報を大量に引き出すことだったな」 「あー……中在家先輩も苦労してそう。立花先輩も」 「で、他の五年は誰のとこに向かったんだ?」 「俺は虎徹先輩で、兵助は食満先輩、三郎は伊作先輩で、雷蔵は七松先輩のとこっす。勘右衛門は中在家先輩のとこだった気が…」 「あれ?じゃあ文次郎と仙蔵の援護には誰が向かったんだ?」 「人数が足りないんで先生方が。い組の二人だから問題なく終わらせるだろうからって」 「さっすが優秀い組様…。とにかく助かったよ、竹谷。でもボロボロになったことは誰にも言うなよな!恥ずかしい!」 「解ってます。内緒にしときますね」 「おうよ!」 ( TOPへ △ | ▽ ) |