おまけの段 「ってな感じで、千秋が泣きそうだった!」 「あー…解ってるんだけどよ、どうしても女扱いしそうで…」 「だな…。でもそれはあいつが嫌がるからしないよう気をつけるんだが、……無意識でしてしまいそうで…」 「私はそろそろ慣れてきたな。千秋の悲しそうな顔はそそられるが、嫌われたくはない。将来のためにも、な」 「うっわー…仙蔵ってばそういうこと考えてたの?」 「男と偽っているときから千秋の困った顔は好きだが?そういう伊作のほうが千秋を女として見てるだろう?」 「だ、だってまさかこんな近くに女の子がいるなんて思ってなかったんだもん…。でも千秋優しいし可愛いからついつい女の子として見ちゃうんだよね…」 「伊作はくノ一に騙されてばかりだから、千秋みたいに優しくされると好きになってしまう。とでも言いたいのか?」 「そっ、そうは言ってないだろう!もー、どうしたらいいか解らないって言いたいの!」 「ちょーじ。長次はこれからも千秋を避け続けるのか?」 「…いや。自分なりに千秋との距離を測ったり、千秋のとの関係を考えたりしていた…」 「そうか!それは千秋も喜ぶぞ!」 「……。だが、小平太みたいに鍛錬はできない…」 「どうして?」 「どうしてって小平太…。千秋は女だぞ?ケガさせたらダメだろうが!」 「留三郎、そういうのは千秋の前で言わないほうがいいぞ。文次郎、貴様も頷くな」 「う…」 「だけどよ仙蔵…」 「千秋が鍛錬を望んでいるんだから本気で付き合ってやるのが、千秋に対する礼儀だろう?」 「……まぁ…」 「それに私、覚悟は決めてある」 「覚悟?なにを覚悟してるの?」 「私のせいで千秋が大ケガをして、責任を取れというなら責任を取る覚悟だ!」 『は?』 「……小平太、まさかとは思うが、お前は千秋を女として見てるのか?」 「何を言っているんだ、文次郎。当たり前だろう?千秋の笑顔は可愛いんだぞ?」 「それこそ千秋が嫌がることじゃねぇか!」 「嫌がろうと逃げようと、私が千秋を気に入った。私にここまでついてこれるおなごは千秋だけだからな」 「うっわー…、極悪な顔で笑ってやがるぜ小平太の奴…」 「千秋、ご愁傷様…」 「これは大変なことになってきたな…。文次郎、千秋を守ってやらんと食われるぞ」 「何で俺に言うんだよ!長次、何でもっと躾しとかなかった!」 「……すまない、不行届だった」 「こりゃあ千秋から離れてる場合じゃねぇな、伊作」 「そうだね!千秋は僕らで守ってあげないと…。せっかく同じ組みになったんだしね!」 ( TOPへ △ | ▽ ) |