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愛の確認方法


!超注意!
現代パロで同棲してます。七松社会人、後輩主(一応)大学生。
ヤンデレ風味でDV(結婚してないけど)要素ががっつり入ってますので、苦手な方は絶対に進まないようお気をつけ下さい。





「(やばいやばいやばい!)」


体力が尽きようと、無理やり足を走らせ、アパートに全力で帰宅する。
思ったより買い物が遅くなってしまって、気づけば七松先輩が仕事から帰ってくる時間帯。
早まる心臓音は、酸素不足とか体力不足からくるものではなく、七松先輩を怒らせていけないからくるもの。
階段をかけあがり、既に持っていた鍵で中に入ると、七松先輩の気配も靴もなく、ほっと息をついた。
家にいるときは鍵を閉めておかないといけないので、振り返って鍵を閉めたあと、靴を脱いでいると、いなかったものがいた。


「っ!?」
「遅かったな、名字」


気配はなかった。靴もない。
だけど目の前にはいつもと変わらない表情をした七松先輩が立っていた。
言葉も息も詰まっていると、肩を掴まれ強い力でドアに押し当てられる。
ドアで背中をうったあと、後頭部もうって、悲鳴がもれそうになるのを頑張って耐えた。


「七松せんぱっ…い!」
「はぁ?」
「っ小平太、さん…!」
「うん。で、何してた?」


肩を掴む手にさらに力を加えられ、ビリビリと痛みながらも「買い物に行ってました」と素直に答えると首を傾げた。


「おかしいよな。私が帰っているのに、名字が家にいないなんて」
「はい…、ごめんなさい…」
「私が帰るまでに帰って来い。また名字が逃げたのかと思った」
「っ逃げてません…!逃げてないです…買い物に行って、ちょっと遅くなっ―――うっ…あ!」


手が肩から首に移動して、グッと呼吸できる程度に絞められる。
喉仏が痛くて「助けて下さい」と喋ろうとしても、彼の睨みによって言葉にすることができなかった。


「何で遅くなった?逃げようとしてたからか?名字は私のなのに何で?」
「ちがっ…!」
「じゃあ他の男と会っていたのか?ははっ、また竹谷か。それとも鉢屋や、尾浜…ああ、名字は不破や久々知とも仲がよかったな…。そいつらと会っていたのか?」
「会って、ない…っです…!」
「じゃあ私より先に帰ってないとダメだろ?それともまた当分の間、首輪されたいのか?」
「や、です…ごめんなさい、七松先輩、ごめんなさい…!」


謝ると首から手を離し、若干浮いていた足が地面について、急いで酸素を体内に取り込む。
しかし、呼吸を整えさせてくれる時間を与えてくれることなく七松先輩に頬を叩かれ、その場に倒れる。
すぐに胸倉を掴まれ、無理やり立たされたあと、反対側の頬も叩かれて名前を呼ばれた。
思わず口元が緩みそうになるのを痛みで紛らす。


「いや?私に反抗する気か?お前が私に反抗するなんて許さない。お前は誰のものだ?」
「…っ…あ……ななま、つっ……あう!」
「それと、さっきも言ったよな、名字で呼ぶなって。癖?そんなの知らん。私が直せと言ったら直せ」
「が、っは…!ごめんなさい、小平太、さんっ…!」
「謝ってばかりだな、名字は。そんな言葉聞きたくない。私が欲しい言葉は教えているだろう?ほら、早くしないとまた傷や痣が増えるぞ。ああ、勿論傷が増えても私は名前のことを愛してるからな。世界で一番愛してる」
「っい…―――う…」


怒りなんてとうになくなり、わざと痣や傷を増やそうとする七松先輩に一度首筋を噛まれたあと、ドアに突き放された。
足に力が入っていなかったので、ちゃんと立つことができず、最初のときより身体を強く痛めてしまった。
痛いはずなのに、痛みが襲ってくることはなく、ひたすら眠くなって意識を絶った。


「――――名前…?」


小平太が地面に寝転ぶ名前を呼んでも、彼女からは沈黙しか返ってこなかった。
しゃがんで、頬をペシペシと叩いても悲鳴をもらさない。
強めに頬を叩いても、叩いたほうに首が動くだけで反応はなし。


「…っ…あ…!名前っ…名前名前名前!名前ッ!」


反応を示さない名前を見て、小平太は泣きそうな表情を浮かべて身体を揺さぶる。
まるで、この世の終わりかのように狂って、名前を呼ぶも返事はない。


「名前、起きてくれ!やだっ、何で…!ごめんな、ごめんな名前!だから起きてくれっ…!」


大粒の涙をボロボロとこぼしながら名前を抱え、強く抱き締めて謝り続けるも、気を失った名前の手はダランと落ちる。
死んでしまったかのような名前に小平太は「ごめんなさい」と謝って、ハッと顔をあげた。


「……さく……伊作…ッ!」


医者をしている伊作のところに連れて行けば大丈夫。
涙と鼻水を拭ったあと、名前を抱き抱えて裸足で外に飛び出す。
アパート近くの駐車場に停めてある愛車に名前を乗せ、急発進させて近くの病院へと向かった。
名前は未だに動かない。声も出さない。死んでるいるのかもしれない。
そう思うと無性に怖くなって、涙が溢れてくる。
何度か事故りかけたが、病院に到着して、受け付けで伊作を呼びだしてもらうと、受付にいた看護師は慣れたように伊作に電話をして、病室へ向かうよう指示をした。
エレベーターに乗ることはせず、階段でいつもの病室に向かうと、すでに怖い顔をした伊作が待っていた。


「ッ伊作!名前がっ…!」
「いいからそこに置いて出て行って」
「ダメだ!私もここにいる!」
「邪魔だって言ってんだよ。じゃないと診てやらないよ」


鋭い睨みをきかせる伊作にグッ…と拳を握りしめ、後ろ髪を引かれる思いで病室から出て行く小平太。
出て行ったのを見送った伊作は、溜息を吐きながら名前の診断を始めた。
病室の外では落ちつきのない小平太がドアの前で、行ったり来たりを繰り返し、時々溢れてくる涙を拭う。


「小平太」
「名前は!?死んでないか!?」
「……死んでないよ。脳震盪起こしてるだけだから」
「…そうか…よかった…」


はぁ……と深い溜息をついたあと、掴んでいた伊作の白衣を手放して、病室に入る。
白いベットの上では名前が静かに寝息をたてており、先ほどよりは顔色が良さそうに見えた。
近くにあった椅子をベットの横に持ってきて、名前の手を握ったあと、「よかった…」と呟く。
それを見た伊作は眉間にシワを寄せて、ポケットの携帯に手を伸ばす。


「……あ、仙蔵?ごめんね仕事中に。今大丈夫?」
『どうした?また小平太か?』
「うん…。今日もまた気絶させたみたい。叩いたあとも、噛みついたあともあった」
『はぁ…』
「僕ね、二人は別れたほうがいいと思うんだ。こんなのがずっと続くと、名前が危ない。名前が死ぬと小平太も危ない」
『そうだな。しかし、小平太が名前を離すと思うか?今でさえ監禁に近い状態なのに。もし離せたとしても、小平太が取り戻しに来るぞ』
「そうだけど…でも……。後輩のあんな姿も、友達のあんな姿も見たくないよ…!」
『すまんな、伊作。お前ばかり負担かけさせて…』
「ううん…僕は医者だから。それに、仙蔵たちが近づいたら小平太怒るし…」
『久しく見てないな、あいつらを』
「…うん……。小平太が会いたがらないからね……。ごめんね仙蔵」
『気にするな。いつか昔の小平太に戻ってくれたらいいな。ああ、そうだ今度飲みに行こう』
「うん、勿論。じゃあ仕事に戻るね」


携帯を切ったあと、こっそり病室を覗くと、名前の手を握ったまま殺気を出した小平太が自分を睨んでいた。
その殺気に息を飲んだ伊作は顔を背け、病室から離れていく。
看護師に「あの病室には近づかないように」と注意して、寂しそうに目を伏せた。


「―――ななまつ……ぱい…」
「名字!よかったっ、目覚めたんだな!」
「…あれ……病院、ですか?」
「あ、無理せず寝てろ。そのままで大丈夫だ」
「あ……はい…」


目が覚めた名前に笑顔を浮かべる小平太。
優しく頭を撫でながら「寝てろ」と言われたので、大人しく身体を横にする。
手を見ると小平太に握られていた。嬉しくて握り返すと、小平太も握り返してくれる。


「名字、ごめんな。私…力の加減ができなくてまた名字を傷つけてしまった…。で、でもな…名字のこと好きなんだ!名字がいないと心配になるし、怖いし、モヤモヤするし……。だから、できるだけ家にいてほしい。何かあったら私が何でもするから!だから名字は家にいて、私の傍にいてくれ。な?」


純粋な笑顔を向ける小平太に、先ほどの恐怖を感じることなく名前も笑って、「はい」と答えた。


「……違うんだよ、仙蔵。小平太だけじゃないんだ。名前も……危ないんだ…」


携帯を握りしめた伊作は、誰にも聞こえないように呟いた。

だって、気絶したら七松先輩は私を心配するでしょう?私にもっと依存するでしょう?
勿論、優しい七松先輩も愛してます。笑顔が好きです。あったかいです。
だからこそ手放したくないのです。ずっと傍にいてほしいのです。私にはこんなことしかできません。許してください、七松先輩。
こうして愛を確認するしかできない、卑怯な自分を許して下さい。





結婚してないけど、DV萌え!但し二次元に限る。
とある方曰く、DV受けて、それを受け入れてしまっている方も精神的な治療が必要らしいです。
それにくっそ萌えてしまいました。あと、「書いちゃいなよ」とまた背中を押されたのでやっちまいました。
ヤンデレ?とてもおいしいです。


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