夢/誕生日! | ナノ

つーかまえたっ!


!注意!
BL注意です。
もう、勘右衛門×獣主なのか、獣主×勘右衛門なのか書いてる本人も解らない。
チューしてます。勘右衛門が腹黒い感じです。
それでも大丈夫な方はどうぞ。





「名前せーんぱい」
「おう、どうした勘ちゃん」


前を歩く名前先輩を呼ぶと、いつものように優しい笑顔を浮かべて振り返ってくれた。
六年生の中では比較的話しかけやすいと俺は思う。一番は立花先輩だよねー。
三郎にそれを言うと、「ありえない」って一刀両断されたけど。
確かに名前先輩は怖い。鋭い鷹のような目をこっちに向けられたら、背中に鳥肌がたつ。でも、それが気持ちいいと思わない?
だってゾクゾクするんだよ?最高に生きてる!って感じがするんだけど………俺だけかな?
だから、名前先輩は好き。甘いもの奢ってくれるから好き!


「ちょっと相談したいことがあるんですけど、いいですか?」
「俺に?勿論構わねぇぞ」


いつものように笑顔を浮かべて近づくと、背中に隠していた万力鎖をジャラジャラが鳴って名前先輩は「ん?」と首を傾げた。
ああ、名前先輩は耳がいいからな…。でも大丈夫、まだ大丈夫。
腕に巻いて服で隠しているから、バレることはないけど、警戒される前にさったさとやっちゃおう。


「………勘ちゃん?」
「つーかまえたっ」


近づいて、名前先輩の手を握って、自分の手ごと万力鎖を絡めて捕まえる。
あはっ!ととびっきりの笑顔を見せると、「はぁ?」と眉間にシワを寄せられちゃった。
うーん、そうじゃないんだよねぇ。俺が見たいのはその表情じゃない。


「勘右衛門、こういう遊びには町娘にしてあげなさい」
「そうですけど、そうじゃないんでーす」
「なにその、夢だけど夢じゃなかったー!って言い方…」


格好いい名前先輩。野生動物さえ畏怖する名前先輩…。
すっごくすっごく尊敬してますよ?いつも好戦的な目や、挑戦的な態度…んでもって常に自信満々な先輩を見てると、


「名前先輩の泣いた顔が見たいんですよーう」


すっごく見たいんです、名前先輩の泣いてる表情。
あ、困ってる表情でも、驚いてる表情でもいいかな?
とにかく、普段誰にも見せない表情が見たいんです。
ギュッと名前先輩の手を握ると、万力鎖がジャラジャラと音をたてる。
うん、これもいいね。興奮する。


「………こりゃまた凄い趣味ですな、尾浜くん」
「どーいたしまして!で、泣いてくれなんですか?」
「これぐらいで俺が泣くと思うか?」
「そうですねぇ。じゃあ、これなんてどうですか?」


逃がさない。という意味を込めて、さらに手に力を加えて自分に引き寄せ、名前先輩の唇を奪う。
自分より少し背が高いので下から奪ってやる。
ついでに舐めて、離れると嫌悪のような、驚いてるだけのような複雑な表情を浮かべていた。
その表情を見た瞬間、全身が震えあがって思わず笑みがこぼれる。
自分で言うのもあれだけど、俺って歪んでるのかなぁ…。
でもそう思わない?普段、誰にも…七松先輩や八左ヱ門にも見せない表情を俺に向けるんだよ?ちょっと特別な感じするじゃん!


「感じました?」
「……勘右衛門…、お前…」
「あはは!名前先輩の驚いた顔、可愛いですね!このまま最後までしちゃいますか?」


手も繋いだままですし?
と、反対の手で鎖をもっと絡めていると、今度は俺が引っ張られ、唇を奪われる。
まさかこうくるとは思ってなかったから、目を開けたままされるがままになっていると、目を細めて名前先輩は笑った。
また、背中に鳥肌がたって、俺も笑うと今度は舌を入れてきた。
慣れてんなぁ…と俺も絡めようかと思った瞬間、ガリッ!と鋭い痛みが口内に走る。


「ったぁ…!」
「お痛がすぎるぞ」
「うえぇ…、血で口の中まずいぃ…!」
「勘右衛門、もっと年相応の恋愛をしろ。ほら、これ外せ」
「年相応ですよ!ちょっと人より性癖が偏ってるだけですぅ!あと、六年なら自分で解いてください。俺も無理です」
「お前はちょっと危ねぇんだよ!あと何でした本人も解けねぇんだよ!」
「だって適当にやったんですもん」
「大雑把か!」
「雷蔵と同じ血液型ですしねー!」
「だー、くそ!俺も不器用だから留三郎のとこ行くぞ!」
「それより名前先輩」
「ほら、ちゃんとついて来いよ」
「このまま最後までしちゃいませんか?勿論、俺が上ですけど」
「ふざけんな。俺が上ならヤってやってもいい」
「きゃーっ、先輩に襲われるぅ!」
「勘右衛門さん!?」


でもまだ、先輩をからかってるほうが楽しいかな?
これから先はどうなるか解らないけどね!





突発的に思いついた。
腹黒のような、そうじゃないような勘ちゃんが一番好きかもしれません。
万力鎖で相手の手と、自分の手を絡めるとかとてつもなくエロいです、勘右衛門さん。


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