夢/誕生日! | ナノ

賑やかな朝


!注意!
現代パロで、六年生全員と兄弟。
簡単設定はこちら、

長男→長次
次男→仙蔵
三男→伊作
四男→留三郎(文次郎と双子)
五男→文次郎(留三郎と双子)
六男→獣主(小平太と双子)
七男→小平太(獣主と双子)

以上です。とりあえず皆で同じ家に住んでます。
ただのお遊び設定です。
苦手な方は進まないようお気をつけ下さい。





「おーい、お前らそろそろ起きろよー」


今日も朝から留三郎の声が家に響く。
五男の留三郎は大学生であり、この家のお母さん的ポジションにあり、朝から兄弟全員の食事を準備していた。
朝に弱い仙蔵は最後に、伊作、名前、小平太を順番に起こしていく。
長男の長次、留三郎の双子の弟、文次郎は朝に強く、今日も朝早くから鍛錬に励んでいる。
朝に弱いわけではないが、ちゃんと起きれない名前と小平太の部屋に顔を出して、「遅刻すんぞ」と声をかけると、名前はフッと目を開けた。



「―――んだよ小平太…。お前また俺のベットに入りやがって…。おいこら起きろ」
「んがっ」


目を開けると、隣に双子の弟、小平太が涎を垂らしながら自分の布団をとっていた。
ゆっくりと身体を起こしながら小平太の額を叩いてから、ベットから離れて身体を軽く伸ばした。


「おはよう、名前!」
「はよっす。お前さ、結局下で寝るんだから、上譲れよ」
「それは断る!やっぱり上で寝るほうがいい!」
「もー…面倒くせぇ…」


双子ということで、名前と小平太は同じ部屋で、二段ベットを使用している。
二人とも上で寝たいので、毎晩じゃんけんをしてはどっちが上で寝るか決めていた。
しかし、小平太が上で寝て、夜中にトイレに行くと必ず下のベットに忍びこんで寝てしまう。
結局下で寝るんだから、上を譲れと言うのだが、小平太は絶対に首を縦に動かさなかった。


「お前ら起きたんならさっさと飯食え」
「「飯!」」


若干喧嘩になりそうな雰囲気を、留三郎が壊した。
二人とも急いで一階に下りて、準備された朝食に目を輝かせる。
すでに会社に行く準備を終わらせている長次と伊作に挨拶をしたあと、指定席に座って手を合わせた。


「食ったらちゃんとさげておけよ。それと、そろそろ仙蔵が起きてくんだから静かにしてろ」
「「解った!」」
「元気のいい返事はいいんだけどな……その、もうちょっとボリュームをさげてくれ」
「留三郎……。無駄、だから…」
「解ってる。解ってるけどよ、長次。朝から仙蔵を怒らせたくねぇんだ」
「あはは、仙蔵ってほんと寝起き悪いよね」
「伊作…笑ってる場合じゃねぇだろ」
「なぁなぁ留さん。文次郎は?」
「あん?俺が知るわけねぇだろ」
「どうせ鍛錬だろー。名前、ウインナーいただきッ!」
「あー、テメェ小平太!俺のタコさんウインナーを食べやがったな!じゃあデザートのウサさんリンゴは俺のものだ!」
「あーっ!私のウサギが!」
「だから…ッ、うるせぇって言ってんだろ!ちょっとは黙って飯食え!」
「………留三郎が一番うるさい…」
「留さん朝から元気だよねぇ。末っ子二人もうるさいけど」


騒々しい朝食を送っていると、タオルを肩にかけた文次郎がやって来て、「仙蔵が起きたぞ」と告げると、シンッ…と一瞬で沈黙になる。
仙蔵の寝起きはすこぶる悪い。フォローできないほど悪い。ちょっとでも騒げば凶器が飛んでくるほど悪い。
階段を下りる音をたてることなく一階リビングにやってきた仙蔵に「おはよう」と声をかけるものはおらず、静かに食事を続けている。
仙蔵が指定席に座ったと同時に留三郎がコーヒーを出してあげ、長次が見終わった新聞を渡す。
先ほどまで騒いでいた末っ子双子も、口いっぱいにご飯を頬張ってモグモグと動かしていた。


「―――……長次、あの件はどうなった?」


仙蔵がようやく喋り出しのを確認して、全員がそれぞれの支度に入る。
仙蔵と長次は仕事の話を始め、伊作は留三郎を手伝い、文次郎はお風呂へと向かった。


「やべぇよ小平太…。俺また課題やってない…」
「なはは、私も」
「だよなー!よし、また一緒に怒られようぜ!」
「もー…小平太と名前、また課題やらなかったの?ちゃんとしないとダメだって言っただろ?」
「何だよ伊作。いっつも弟の留さんに面倒見てもらってるくせに、俺らには兄面か?」
「あにづらかー?」
「そうじゃないよっ。課題はちゃんとやらないと進級に関わるって去年も言ったよね?」
「進級じゃなくて卒業ですぅ!」
「卒業だ!」
「尚更悪ぃよ!このバカ二匹が!ちゃんとしやがれ!」
「いって!殴らなくてもいいだろ!」
「お兄ちゃんが殴ったー!」
「気持ち悪ぃぞ小平太!おまっ、お兄ちゃんなんて呼ぶな!」
「留お兄ちゃん怖い…」
「こわーい!」
「ぐおおおおおお…!そういうのは昔に卒業してだなっ…。今のお前らに言われても可愛くなんかっ…!」
「留お兄ちゃん…、この課題解んないからしてくれない?」
「あとこれもっ」
「……い、いや………しねぇぞ…。しねぇからな!」
「どこのバカ双子が課題をやってないだって?」
「はいはい、留三郎。避難しようねぇ」
「小さいころにもっと言えよな…。だったらしてやったのによ……」
「うっわ、やっば…」
「仙蔵、私じゃないぞ。名前が言った!」
「ずりぃ!違う、俺じゃないっ。俺じゃなくて小平太が「どっちもだ」


絶対零度の目で二人を睨みつけると、二人はグッと口を結んで大人しくなった。
身体は自然と縮こまり、床に正座をして仙蔵から説教を食らう。


「……何だ、結局説教されてんのか」
「毎朝の恒例行事、だからな……」
「学習しないよねぇ、二人とも」
「二人揃ってバカだからな」


説教されているのを、慣れたように見守る兄たち。


「お前らがバカなのは構わん。就職できないのもどうでもいい。しかし、お前らが粗相をするたびに呼び出されるこっちの身にもなってもらいたいものだなぁ?」
「「すみません…」」
「それと、誰のお金で高校に通えていると思っているのだ?少しは尊敬する兄に恩返ししたらどうだ?ん?」
「…そ、それに関しましては……」
「私、全国大会で優勝した!」
「あ、ずりぃ!」
「そうだな。小平太は部活のバレーで活躍していたな。しかし頭が残念だ。お前を自慢したいが、そのままだと自慢できん。寧ろ恥ずかしくて人前に出せないからちゃんと勉強しろ」
「………はい…」
「名前。お前は何をした?授業をサボってばかりなうえ、部活にも入ってない」
「……はい、その通りです…」
「無駄に身体能力が高いんだから何かしろ。社会に、私に貢献をしろ」
「あ、ではまた仙蔵さんのお仕事をお手伝いさせて頂きます」
「そうだな。その言葉を待っていた」
「じゃあ僕も手伝ってよ!投薬なんだけど…」
「それは嫌だ!怖い!」
「名前……、お兄様の言うことは…?」
「…ゼッターイ」
「というわけだ。今日の放課後迎えに行くから校門前で待ってろ。長次、行くぞ」
「ああ。…留三郎、文次郎、あとは任せた」
「「おう」」
「ハモんじゃねぇぞ、留三郎」
「テメェが俺に合わせたんだろうが。気持ち悪ぃ!」
「そこのバカ双子も喧嘩するな。耳触りな」
「「はい…」」
「あはは。ほんっと、今日も仲良しだなぁ」


今日も騒々しい朝から始まるのだった。





不完全燃焼感がはんぱないのですが、とりあえず朝の様子を書きたかったのでこれで。
お遊びなのでお許し下さい。

あと、二段ベットで遊ぶ獣主と小平太を書きたかった。
学校で有名な二人とかも…。うーん、難しいなぁ。


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