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わんことけものつかい


!注意!
ゲーム「大神」のキャラクター「アマ公」が出ています。
妖怪・わんこ化が入っています。
以上が苦手な方はご注意ください。





ある森に、「はち」という名前の小さいわんこがおりました。
誰が名付けたかは分かりませんが、はちは、自分をそう呼んでいました。
そのわんこは、ほかの犬たちと違い、犬の耳と尻尾を生やした男の子の姿をしていました。
森の獣たちは、自分たちとは違う姿のはちのことを嫌って仲間はずれにしていたため、はちはいつも一人ぼっちでした。
けれど、森の木々たちがはちのことを励ましてくれていたのではちは寂しくても、一人でも頑張って生きていきました。

けれどある日、はちは猟師の仕掛けた罠にはまって動けなくなってしまいました。
牙のようにギザギザしたくろいものが、はちの足首を喰い千切るかのように挟まってきます。
頑張って外そうとするけれど、小さいはちの力では少しも動かすことは出来ません。


「いたい、いたいよ。はずせないよ。だれか、だれかたすけて。これをはずして。」


痛みにぽろぽろと涙を零しながらはちは助けを求めます。
けれどはちを嫌いな森の獣たちは、はちを助けてはくれません。
はちを好きな森の木々たちは、助けたいけど動くことが出来ません。


「いたいよ。いたいよ。しにたくない。たべられたくないよ。」


痛みと寂しさにとうとうはちは大声でわんわん泣き出してしまいました。
そんな時、森の奥の方から、赤い隈取り模様をつけた白くて大きな犬といっしょに、狩衣という着物を着た人間のぼさぼさ髪の、狼のような青年が現れました。


「・・・へえ、アマ公が森が騒がしいっていうからそれを辿って来てみれば・・・、獣人の子供とはな。」

青年ははちを見てにんまりと笑いながらそう言います。
はちは、青年の言ってることが理解できなくて首を傾げてしまいますが、目の前にいるのが人間だと思い出して、食べられないために警戒するように身体を縮めました。
青年はそんなはちを見て、困ったように笑います。


「・・・ああ、大丈夫だ。そんなに警戒しなくても食べたりしねえよ。・・・アマ公」


青年は、自分の傍にいた白い犬を呼んで、はちの方を眼で示すと、白い犬は心得たとばかりに頷いて、はちの傍まで来て、はちの足首に喰い込んでいた罠を、前足と牙で、はちを傷つけないように丁寧に外してくれました。
はちはびっくりしてしまいましたが、助けてもらったので、その青年に頭を下げて「ありがとう!」と元気よくお礼を言いました。
すると、青年はまた笑って 「お礼ならこの森と、そこにいる犬に言ってくれ。俺はただついてきただけだから。」 と首を振りながら言いました。
しかし、その言葉に続けるように「けど・・・」と言って首を傾げながら怪我をしたはちの足を見つめます。


「その怪我、結構酷そうだな。手当てしてやるから一緒においで・・・それから、もしお前さえ良ければ家で暮らすといい。家にはお前と似たような子達が一緒に住んでるから、ここで一人でいるよりはきっと楽しいと思うぞ?」


青年の言葉にはちは吃驚して目を丸くしてしまいます。
けれど、青年の眼が、嘘を付いていない優しい眼をしているのと、森の木々たちが「一緒に行きなよ。」と背中を押し、白い犬が「一緒に行こう?」と言いたげに尻尾を揺らしているのを見て、はちは森の木々たちに「ありがとう」とお礼を言って、青年のほうに向き直って満面の笑みを浮かべて頷きました。


「俺ははち!これから世話になるな!」
「・・・おう、俺は名前。そっちの白い犬はアマテラス。みんなはアマ公って呼んでる。」
「そっか、よろしくな!ご主人!アマ公!」
「ごしゅっ・・・、まあいいか。よろしくな、はち。よしアマ公、はちを背中に乗せてやれ、家に帰るぞ。」


そう言って歩き出した青年の言葉に、白い犬ははちの襟首を咥え、軽く後ろに放り投げるようにして背中へと乗せてから、青年の後に続くように歩き出しました。
はちは白い犬の背中に乗りながら、こっそりと後ろを振り返り、「また遊びに来るね。」と森の木々たちに手を振ります。
森の木々たちは「よかったね。」「元気でね」と優しい言葉を掛けながら、はちたちをいつまでも見送っていました。

その後、はちは青年の家で暮らし始めました。
はちより先に青年と暮らしていた狐のさぶろうに兎のらいぞう、黒猫のへいすけと狸のかんえもんの四匹と、一緒に森で遊んだり喧嘩したり、ご飯と食べたりお風呂に入って寝たりととっても仲良くなりました。
犬のアマテラスとも一緒です。もちろんご主人になった青年のお手伝いもしたりして、褒められたり、しかられたりもします。はちはもう一人ぼっちじゃありません。
いつまでもいつまでも、幸せに笑いながら過ごしましたとさ。

めでたしめでたし





竹谷「・・・・・・・・って言う夢を見ました。」
五年「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」」」」
名前「・・・竹谷、それを俺たちに言ってどうするんだ?むしろどうしたいんだ?」
竹谷「・・・へ?いえ、ただ面白い夢だったなぁ、と思ったんで・・・。」
名前「伝えたかっただけと?」
竹谷「はい!、面白かったでしょ?!」
名前「・・・まあ、それなりにな。(吃驚した。とうとう「俺のことを飼ってください」って遠まわしに言ってきたのかと思った)」
三郎「何だ。てっきり名字先輩に飼われたい宣言を遠まわしにしているのかと思ったんだが・・・。」
名前「!!!!!」
竹谷「んなっ・・・!んなわけねえだろ!第一俺は犬じゃなくて人間だ!」
三郎「夢は願望を現すともいうからな。少なからずそう思ってるんじゃないか?しかし犬とは言え天照・・・お前の中の先輩はとうとう神までも従えるようになったか。しかしなぜ私まで名字先輩に飼われねばならん。しかもなぜ狐なんだ。」
竹谷「ぴったりじゃねえか!むしろ三郎を動物に例えるなら狐以外にありえねえだろ!」
尾浜「あははー、確かにね。俺は狸かー。愛嬌があって可愛いってことだよねっ。」
兵助「煮ても焼いても食べられない方だと思うぞ勘ちゃん。俺は黒猫か・・・、まあ、妥当と言えば妥当かな。」
雷蔵「確かに兵助は猫って感じだもんね。髪も黒いし。・・・なんで僕は兎なんだろ?」
五年&名前「「「「「・・・・・・・(三郎(私)への制裁の蹴りが凄まじいから、とは言えないよなぁ。)ふわふわしてるから?」」」」」
雷蔵「・・・どゆこと?」

…終





ツイッターでお世話になってる、淦さんより頂きました。
妖怪パロにハァハァしつつ、アマ公にハァハァして、わんこ竹谷にもハァハァしました。
全体的に可愛すぎて息切ればっかしてました、ご馳走様です!


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