忍之一字 ※会話文のみ。 「名前殿!先日欲しいと言ってた金平糖を見つけたでござる!」 「え、本当ですか折紙先輩!」 「いつも日本語を教えてもっているお礼にあげるでござる」 「ありがとうございます!まさかシュテルンビルトで食べれるとは思ってなかったのでとても嬉しいです!」 「よっ、喜んでもらえて僕も嬉しいよ…!」 「最近の二人、ますます仲がいいわよねぇ」 「そうだね。名前君も自然と会話をすることができたと、喜んでいたよ」 「師匠としては寂しいんじゃない?」 「そうだね、少しばかり寂しいかな…」 「できるならこのままずっと自分の傍にいてほしいわよね?」 「それは名前君の自由だ。私に止める権利はない。あるわけがない!」 「あら。でも彼女といると楽しいんでしょう?」 「勿論さ!彼女はいつも笑顔だし、元気だし、素晴らしい女性だ!あの笑顔を見ると私まで嬉しくなるよ!」 「だったらあなたも折紙サイクロンみたいに何かプレゼントしたらどう?きっと喜ぶわよー」 「そう…だね。いつも彼女にはお弁当を作ってもらっているし。私からもプレゼントしよう!」 「(まだお弁当作ってもらってたのね…)因みに何をあげるの?」 「家具だ!」 「………あんた旦那じゃないんだから…」 「何か言ったかい、ファイヤー君」 「何で家具なの?家具をプレゼントだなんてかなり親しい間柄じゃないとダメでしょう」 「この前彼女の部屋に行ったとき、家具が欲しいと言ってたんだよ!だから今度一緒に買いに行こうって約束したのさ!」 「それはいい考えね。でもベットとかそういう大きいものはダメよ。小物にしときなさい。女の子はそっちのほうがきっと喜ぶから!」 「ありがとう、ファイヤー君!さっそく名前君を誘ってみるよ!」 「今から!?相変わらず行動は早いわね…」 「名前君!」 「あ、師匠。どうかされましたか?」 「明日休みだよね?私と一緒に家具を買いにいかないか?」 「前に言ったことを覚えていてくれたのですか?!ありがとうございます、師匠!是非お願いします!」 「それで、もしよければ私が何か買ってあげたいんだが」 「え?」 「いつもお弁当を作ってもらうばかりだと気が引けてね。いいかい?」 「いちいち言わなくていいのに…。でもそれがスカイハイなのよね…」 「いえ、お気持ちだけで十分です」 「何故?」 「お弁当はいつもお世話になっている師匠の為に私が望んで作っています。それだけではなく、仕事の面でもご迷惑をおかけしております…。だから買って頂けるのは嬉しいですが、そのお気持ちだけで十分嬉しいです」 「……ファイヤー君、ダメだったよ…」 「そういうときもあるわよ。正統法がダメならこっそり買ってプレゼントしちゃいなさい!」 「でも折紙君の金平糖は素直に受け取って、私のは断られた…。彼女は私に対して他人行儀すぎやしないかい?」 「そ、それはあなたを尊敬しているからでしょう?」 「私は名前君と仲良くなりたいのに…」 「(落ち込むスカイハイなんて初めてみたわ…)」 「―――そうか!それももやもやの原因だったんだ!」 「もやもや?」 「ああ!最近二人を見てると胸がもやもやしてたのさ。色々考えたりしたのだが、スッキリしなくてね…。前に名前を呼んでほしいから。って答えが出たのだが、少し違ったみたいで、もやもやが晴れなかったんだ!そうか。これか!これだったのか!」 「惜しいわね…」 「名前君!ちょっといいかい!」 「どうかされましたか?」 「私にももっとフレンドリーに接してくれないか!?」 「し、師匠にですか!?そんなことできませんよ!」 「しかし私は寂しい。そして悲しい!私は名前君の師匠でもあるが、相棒でもある。もっと君と仲良くなりたい!」 「ですが…」 「すぐにとは言わない。少しずつ他の皆と接するように私とも接してほしい。何だか疎外されてるみたいだよ…」 「………そう、でしたか…。尊敬する方だからと思って丁寧にしていたのが、逆に傷つけてしまいました…。すぐには無理ですが、頑張ります!」 「ああ!宜しく頼むよ!」 「なーんかずれてるのよね、あの二人…。まあ二人が幸せならいいけど」 「では今日もトレーニングに励もうか!」 「はい!」 「あと進展が遅い。何か作戦を立てないと…。いやいや、私が焦ったらダメ!あの二人には忍耐が大事よ、ネイサン!」 (2011.0705) ( △ | ▽ ) |