夢/My hero! | ナノ

吃驚仰天


※会話文のみ。





「昨日名前君の部屋にお邪魔させてもらったんだよ!」
「あら、あなたにしては結構積極的なことをしたのね」
「だけどよ、一人暮らしの女性の部屋に遊びに行くもんじゃねぇぞ?」
「そうねぇ。いくら弟子であってもよくないかもね」
「そ、そうなのかい?今度からは控えるよ…。あ、でも明日私の部屋に遊びに来ることになってるんだ!」
「何ですって!?」
「何だって!?」
「…驚くようなことだろうか?」

「ちょっとっていうより、かなり鈍感ね。男としての機能忘れちゃってるのかしら?」
「んー…どうだろうな。ありうる話かもよ?」
「まあだからと言ってスカイハイがそこらへんのチャラチャラした男みたいになるのもイヤだけどね」
「それもそうだ」

「ファイヤー君、タイガー君。どうかしたかい?」
「いいか、スカイハイ。両想いでもない異性を部屋にあげるというのはだな、「私と名前君は両想いだよ?」

「どうしよう、ファイヤーエンブレム…。俺もうあいつが解らない…」
「展開が早すぎるのよあの子!前まで普通に師弟関係だったのに、いつの間に?」
「この間名前の部屋に遊びに行ってからじゃねぇの?つーことはなにか。この間にその……」
「…まさか…」

「スカイハイ、ちょっと名前を呼んできてくれるか?」
「名前君を?それは構わないが…」
「じゃあ今すぐ呼んで頂戴」
「解ったよ。おーい、名前君。ちょっとこっち来てくれるかい?」
「はーい」

「でも名前ちゃん普通ね。全然変わらないわ。普通女の子はそれを境目に変わるはずなのに…」
「そうなのか!?」
「当たり前じゃない!」

「どうかしましたか、師匠」
「二人が君を呼んでくれって」
「え?」
「名前ちゃん。ちょっと聞きたいことがあるんだけど」
「はい。私で答えれることでしたら答えます」
「その…。スカイハイの部屋に遊びに行くってマジか?」
「はい。愛犬を見せてくれるって約束しました。今から楽しみです!」
「では一緒に散歩もどうだい?きっと楽しいぞ!」
「楽しそうですね!今からワクワクしてきました!」
「それともう一つ」
「はい」
「スカイハイのことが好きってのは本当かしら?」
「はい、好きですよ。とても尊敬しております」
「私も名前君が好きだよ!真面目で努力家で素直で、見ていて楽しい子は初めてだ!」

「せんせー、この二人どう見ても「白」でーす」
「なんとなく解っていたけど、名前ちゃんはただの「敬愛」からくる「好き」で、スカイハイはいつも通り博愛主義の「好き」ね…」
「でもスカイハイはちょっとマジっぽくねぇか?ほら、折紙と名前が仲良くしてるとよくドジったりするし」
「んー……」

「今日もよく頑張っていたね。そろそろあがる時間だが、また一緒にご飯でもしないか?」
「本当ですか、師匠!是非お供させて下さい!―――あ…。でも折紙先輩とも約束していて…」
「折紙君と?」

「……あからさまにガッカリしてる顔ね」
「だろ?!スカイハイは気づいてねぇけど、名前に若干魅かれてるって!」
「あらやだ。年齢差の恋愛だなんて燃えるじゃない」
「そう言えばそうだな…。名前は十代半ばで、あいつは二十代…。ありか?」
「ありに決まってるわ。ちょっと応援したくなってきちゃった!」

「で、では折紙君も交え一緒に行こう!」
「すみません、ありがとうございます!折紙先輩に伝えてきますね!」
「ああ!」

「まずは本人がその気持ちにハッキリ気づくこと。これね」
「だな!」
「あ、あんたは何もしなくていいわよ。これは私が手伝ってあげるんだからね」
「なんでだよ!俺だって何かしてやりてぇよ!」
「あんたそんなことしてる暇があるなら相棒をどうにかしなさい。今さっきからずっと睨んでいるの気づいてないの?」
「ゲッ!」
「人のこともいいけど、まずは相棒を大事にしないとね。そこは彼を見習ったほうがいいわよ」
「き、気をつけまーす…」



(2011.0705)


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