どんな貴方でも !注意! 中学三年七松×大学一年です。 現パロ要素含み、年齢も逆転にしていますので、苦手な方はお気をつけ下さい。 「(笑)」の「恋人は小学生」の続きになっております。 「おい、見ろよ。校門前に女の人いるぜー」 「誰かの姉ちゃん?」 「さあ?」 「―――名字!」 帰宅しようとしていた学生二人の横を凄いスピードで横切ったのは、体操服姿の小平太。 校門前にいた女性、名前の名前を呼びながら駆けつけ、それを見た学生二人は「七松のお姉さん?」と首を傾げた。 「お疲れ様です、七松さん。今日は早く終わる日ですよね?」 「おう!もうちょっと待ってろ。片づけて来る!」 「了解っす」 簡単な会話を終えたあと、部活へと戻る小平太を見送って、暇を潰すために携帯を取り出す。 そこへ、先ほどの学生が近づいて、「あの…」と声をかけられ、顔をあげた。 「七松のお姉さんですか?」 「え?あぁ、違いますよ。七松さんの………その、えーっと…い、一応、恋人をしてます…」 「「はぁ!?」」 照れ臭そうに答えると、二人は驚きの声をあげ、それを聞いた他の友人たちも集まってきて、あっという間に囲まれた。 少しだけおめかししてきたから、ジロジロと見られるのが恥ずかしくて逃げ出そうとするも、彼らの包囲網は完璧で、全く隙を与えてくれない。まるで遥か昔の忍者をしていた自分たちのようだった。 「高校生ですか!?」 「あ、いえ…。今年大学生になって……」 「大学生の彼女とか凄くね!?つか七松、あんだけモテてんのに誰とも付き合わねぇから不思議に思ってたんだよ!こういうことかよ!」 「…七松さん、モテてるんですか?」 「ムカつくけどなー!ほら、あいつバレー強いし、運動できるし…」 「頭はバカだけど、すっげぇ明るいしな!」 嫉妬してしまう発言と、嬉しい発言にどう言っていいか解らず苦笑を浮かべていると、一人の男の子からとんでもない質問をされた。 「もうヤったんすか?」 クソガキが。とこぼしそうになるのを堪え、ニコッと営業スマイルを作る。 中学生だからそういうのが気になるよね、しかも男の子ばっかだし。 とドキドキと早まっている心臓を落ちつかせながら心の中で呟き、「いえ」と答えると「マジかよー!」と何故か喜んでいる。 「(どうせ、童貞卒業してなかった!仲間だ!とかって思ってんだろ…。ははっ、手に取るように解るわ)」 「名字ー……って、何で囲まれてんだ?」 「おい七松っ、お前まだ童貞卒業してなかったのかよ!」 「(ほら見たことか。つか、私を前に直接本人に言うな!)」 全員が小平太に向かったかと思うと、一人の男の子だけが名前の横に残っており、「すみません」と服の裾を掴んできた。 「僕、好きな子いるんですけど…。その………どうしたいいか解らなくて…」 「(私に相談するの!?ま、まぁ大学生だしね…)」 とは言ったものの、恋愛経験なんて全くない名字には難易度の高い質問だった。 唸りながら「そうだねぇ…」と当たり障りのない返答をしてあげると、男の子はパッと顔をあげて喜ぶ。 「ありがとうございます!」 「いえいえ」 「名字!」 「う、っお!?」 頑張ってね。と声をかけようとした瞬間、強い力で腕を引っ張られて小平太に抱き締められた。 「うわー!」などと驚きや、はやしたてる声が聞こえるが、抱き締められているから彼らの顔を見ることができない。 「これ私のだからな!お前ら帰るんだろ。早く帰れよ!」 「何だよ七松ー、お前結構独占欲強いんだな!」 「クラスの女子に言ったら喜ぶな!」 「いや、彼女がいたってことに発狂すんじゃねぇ?」 「名字、行こう!」 「あ、はい!」 名前を離して、手を取って学校から離れて行く。 何かを言っていたが、小平太の歩くスピードについて行くのが精一杯で聞き取ることができず、名前を呼ぶことすらもできなかった。 学校から離れた場所でようやく手を離し、ピタリと歩くのも止めた。 「やっぱ名字は来ちゃダメだ」 「え?いや、でも大学の帰り道ですし…」 「終わったら私が迎えに行くから!」 強い言葉に「そうですか」としか答えることができず、笑って、慌てて着替えてきたせいで乱れている小平太の制服に手を伸ばすと、「子供扱いするな!」と怒られてしまった。 ずっとこの年齢差にコンプレックスを感じている小平太。 「ごめんなさい」と謝るも、小平太の機嫌は元に戻らない。 「私のほうが早く生まれるつもりだったのに…」 「出会えたことだけで十分幸せですよ」 「っ名字が年上だと守れないだろ!私がいないときに、私の知らない奴と話してると思うとムカつく!」 「七松先輩…」 「だって、いっつも知らない奴らといる!竹谷たちじゃない!近くにいない!」 「………。すみません」 「謝るな!こんなっ……こんな感情もうるさい!前なら我慢できたし、なんとも思わなかった!」 拳を握りしめて俯く小平太は、身長が高くなっても小さな子供に見えてしまった。 現代になってから…、忍者ではなくなってから感情を抑えなくてもよくなった現代では、子供な部分が残ってしまっている。 それについていけない小平太の頭を、背伸びして撫でたあと、ギュッと抱き締めて顔をあげた。 「私、変わりましたか?」 「……身長は変わらん」 「でしょう?」 「でも……大人だ…」 「七松先輩に似合う女になるためっす」 「そういうのいらない。名字は名字のままがいいんだ」 「私は七松先輩に似合う女になりたいのです!ダメっすか?」 「………ダメ、じゃない、と、思う…」 「どうせ、もっと大きくなって、強くなって、昔の七松先輩に戻るんですから、先にいってもいいじゃないですか」 「…名字は遅いからな。じゃあ許す」 「ありがとうございます。ところで、ボタンかけ間違えてますよ」 離れて笑いながらボタンを直していると、そのまま抱き締められて触れる程度のキスをされる。 「また逃がさんから覚悟しておけ」 「逃げるつもりなんてありませんよ」 「あと早く竹谷たちにも会いたいな!」 「会いたくありませんが、他の先輩たちにも」 昔と変わらない大きな手。だけど、綺麗な手。 逃がさないようにと強く握りしめる小平太の手を握り返し、名前も昔のような幼い笑顔を小平太に向けた。 「童貞って言われたけど、そう言えばそうだったな」 「………」 「でもいつでもできるしな!ヤり方も解るし」 「………。(そうか、次はこの問題か…)」 「あ、そうだ名字!」 「え!?な、なんすか…?」 「いつヤる?」 「ヤりません!」 ▼ 相互の「ゆびのすきま」様へ。相互夢! リクエストありがとうございましたー。 以下は自分得なおまけ。 小平太の試合を見に行きました。 『試合終了!』 「やっぱり勝ったか…。(それにしても七松先輩…じゃなくて、七松さんは格好いいなぁ…。忍者しなくていいからバレーに集中して、技に磨きがかかってる…。はぁ……きゅんきゅんする…)」 「きゃー、七松くん格好いー!」 「かっこいーっ!」 「(はぁ?……あ、そっか。七松さんモテてるって言ってっけ…。うん、いい目してるじゃないか。私のだけどな)…っ今なんて言ったよ、私…!」 「小平太ー、こっち向いて!」 「はぁ!?」 「は?」 「あ、いえ…。(テメェが下の名前で呼んでんじゃねぇぞ!くっそー……、私も下の名前で……)呼べるわけ…ないもんなぁ…」 「名字ー」 「っはい!?」 「ちゃんと見てたかー?」 「う、うっす!見てました!お見事でした!」 「だろ?片づけるから外で待ってろ」 「解りましたー。…………(視線?)」 「誰あれ…。中学生じゃないよね?高校生?」 「高校生が何で見に来てんの?つか小平太の知り合い?」 「親戚じゃない?ほら、敬語使ってたし。子供っぽいし?」 「あぁ、なるほどね。小平太ー、打ち上げとか行かないのー?」 「え?あ、うん」 「じゃあ奢ってあげるから一緒に行こうよ!」 「(はぁあああ!?私の陰口はいいとして、七松さん誘わないでよ!くっそ腹立つな!年下のくせに!)」 「いや、いい。名字に奢ってもらうから」 「えー…」 「(ざまぁああああ!……って、私が奢るの前提か…はぁ…。バイト代足りるかなぁ)」 「待たせたな!」 「いえ」 「ん?どうした?気分悪いのか?」 「………何でもないです。……小平太、さん…」 「……」 「(なんか言えよちきしょう!反応してくれ!)」 「この間な、今さっきの女に告白された」 「はぁ!?な、なんて…?」 「告白されてな、断ったんだけど、じゃあ身体だけでもって言われた」 「はぁあああ!?な、なんすかそれっ…!(あの女、やっぱり殴っておけばよかった!)」 「勿論、それも断ったけどな!」 「(でしょうとも!じゃなかったらさすがに泣くぞ!)」 「だからな、名字。お前も私をちゃんと捕まえてないと、知らんぞ?」 「……珍しく賢いことを言いますね」 「珍しいとは失礼な」 「解りました、頑張ります。じゃ…お姉さんの奢りで焼き肉でも食べに行きましょうか」 「おう!」 ( TOPへ △ | ▽ ) |