夢/贈り物 | ナノ

これでも三十路


!注意!
三十路オーバーな竹谷くん設定。結婚してます。





ふとぬくもりを感じなくて目を開けると、寝る前は自分にくっついて寝ていた嫁の名前がベットの端に移動し、背中を向けていた。
何だかそれがムカついて、眠たい目を擦ってから「名前ー」と甘え声を出しながら自分に引き寄せる。
コロンとこちらを向かせてからギュッと抱き締めると、ようやく気分が落ち着いた。


「んー……はち…?どうしたの?」
「お前が俺から離れて寝てた」
「ん、……そっか、ごめんねー」


むにゃむにゃと拙い言葉で謝ったあと、八左ヱ門に擦り寄って再び寝息をたて始める名前。
八左ヱ門も満足そうに笑って「おやすみ」と抱き締めたのだが、名前の足が自分の両足の間に入ってきて、ビクリと身体が反応する。


「(確かに寒いけどよ…。だからって足と足の間に入れてくんなよー…)」


もそもそと動いて居心地の悪さをどうにかしようとしたのだが、名前はさらにくっついてきて、胸が微かに当たった。
自分から抱きついておいてあれだが、この体勢はまずいとどうしようかと考えるのだが、全く思い浮かばず、いやらしいことばかり妄想してしまった。


「(三十路になって元気なのもどうかと思うぞ、俺…)」


無心になって無理やり寝付こうとするのだが、当たる胸や絡む足にどうしても意識がいってしまい、「うーん…!」と唸ったあと、ベットから降りてトイレへと向かった。
静かに用事を終わらせ、若干の罪悪感に襲われながらもベットに戻ると、名前が頭をフラフラさせながら座っており、「はちー…」と甘え声を出して両手を広げる。


「はちぃ…何でいないのー…?一緒にねるー…」
「(あああもう何でいちいち可愛いんだよ!止めろよ!また元気になるだろ!)」
「ハチ、早く寝ようよー」
「お、おう…。だけどな、あんまり今晩は………その、くっついて寝るのは止めようぜ」


ベットに座って、寄りかかってくる名前の頭を撫でながらそんなことを言うと、「何で?」とトロンとした目で見上げてきた。


「(別に嫁なんだし、手を出しても怒られるわけじゃねぇんだけど…。名前、あんまりしたがらないんだよなぁ……いや、俺が盛り過ぎなのか…)」
「ハチと一緒に寝たら気持ちいいのに…」
「ん、あのな、その…ちょっとな…。あれだ、刺激になりましてですね、興奮してしまうのですよ…」


ごにょごにょと口元だけで呟く八左ヱ門の言葉を聞いて、名前は八左ヱ門から離れて背中を向けて寝転んだ。


「ハチいっつもそればっか」
「わ、解ってるよ…。だからこうやって一人でシたり、お前にこんなこと言うんだろー…」
「ちょっとは我慢とかしたら?」
「おっ男はなぁ!いつだって盛るんだよ!生理現象なんだからしょうがないだろ!」
「嘘ばっか!兵助さんはそんなことないもん!」
「あいつは特別なんだよ!」
「もーいい!ハチとは一緒に寝ない!ハチはあっちのソファで寝て!」


いくら言っても理解してくれない嫁。自分がどれだけ我慢しているか知らない嫁。そしてトドメの拒絶。
「いい人」と言われる八左ヱ門にも限界というものがあり、「ふざけんなよ」と文句をこぼして、名前の上にまたがって手首を掴んでベットに押し付けた。
驚く名前だったが、すぐに目をつりあげて「離して!」と抵抗をする。
しかし、一般的な男性より力が強い八左ヱ門の手を振りほどくことなどできず、もう片方の手首も掴まれてしまった。


「ハチのバカ!離して!」
「うるせぇ。もう怒った。さすがの俺も怒った!」
「何でよ!私悪くないもんっ。ハチが勝手に発情するからでしょ!?」
「元はお前が誘ってきたんだろ!大体、ヤるときいっつも俺から誘ってんじゃん…!何でだよ!」
「そ、それは…!だって………。っハチなんか嫌い!大嫌い!」


戸惑いの目で自分の上に乗る八左ヱ門を見つめたあと、ギュッと目を強く瞑ってから言うと、沈黙が部屋に訪れた。
きっとまた怒鳴られると思って覚悟していた名前だったが、全然そんな雰囲気ではないのを感じ、そっと目を開けると、八左ヱ門は無表情で自分を見下していた。
完全に怒らせてしまった―――。
すぐに謝ろうと口を開けると八左ヱ門の大きな手で塞がれ、「んーっ!」と悲鳴をあげたが、八左ヱ門はお構いなしに体重を名前にかけてから顔を近づけた。


「俺のこと嫌い?ハッ!じゃあ離婚するか?いいぜ、別に」
「んんっ!」
「俺のことが嫌いなら……離婚するんなら、最後に俺の好きなようにしていいよなぁ?」


見たことのないような悪い顔の八左ヱ門に、鳥肌がたつ。
パッと手を離されたあと、上から降りてクローゼットへと向かって何かを漁る。
その間に逃げようと静かにベットから降りて、ドアへと向かったが、腰をグイッと引き寄せられ浮遊感。


「なに逃げようとしてんだよ」
「や、やだハチ…!」
「ああもう解ってるって。お前が俺のこと嫌いなのは解ってんだから、それ以上怒らすんじゃねぇよ」
「違う!違うよハチ!」
「黙れっつってんだよ」


まるで野生の狼のような強い目に身体が恐怖で固まる。
その間にクローゼットから取り出した自分のネクタイで名前の手首を拘束して、再びベットに押し倒した。
自分の下でカタカタと震える名前を見て性的興奮を覚える八左ヱ門。


「そんな目で見んなよ名前…」
「はち…!」
「犯したくなるだろ」


まぁ、犯すんだけどな。とでも言うようにペロリと自分の唇を舐めたあと、少し乱暴に服を脱がし始めた。
震えながら首を左右に振って嫌がる名前をニヤニヤと笑う八左ヱ門。


「嫌って言うならもっと激しく抵抗しろよ。嫌いな男に今から突っ込まれるんだぜ?いいのか?」
「やだ、やだ!ハチ、ごめんなさい!怖いから止めて!嫌いじゃないよ!」
「そ。じゃあ俺のこと好きか?」
「好きだよ…!好きだから…っ」
「俺も好きだぜ。でもな、犯すことは止めねぇぞ」


ニコッといつものように笑ってくれるものの、黒い影が見えてさらに身体が震える。
ボタンだけ外し、胸が外へ露わとなる。
冷たくなってしまった手で名前の胸を触ると、「ひっ」と冷たさからか、恐怖からか解らない悲鳴をもらして、身体を縮めた。
普段だったら優しい言葉をかけてくれるのだが、今日は違った。


「……ハチ…?」


名前の上から一旦離れ、喋ることなく上の服を脱ぎ、さっさと下も脱いで自分のものを取り出す。
いつまで経っても直接見るのは慣れず、サッと目と顔を背けてからこれからの展開に身体が緊張する。
心の中では「大丈夫。ハチは優しい」と思っている甘い自分がいた。
「犯す」とか言ってるけど、きっと優しくしてくれるに違いない。
そんなことを自分に言い聞かせたが、雑に自分の下の服を脱がされて、下着も膝までおろされた。


「え、っえ…!?」
「お前さ、優しくしてもらえると思ってただろ」
「…っあ、ハ…チッ…!やめて、お願いします、い、痛い…!」
「あぁ、痛いだろうなぁ。濡れてもねぇとこにいきなり突っ込まれるのは。でもな、何度も言わせるなよ…」


もう恐怖で目から涙が溢れ、身体全身が震えていた。
怖くて身体が動かなくなった名前はなんて犯しやすいんだろう。
自分のものに手をそえ、名前の股に身体を割って入ってから入口にあてがい、ニヤリと笑った。



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