夢/七松デー | ナノ

六年のバカ二匹


!注意!
獣主と小平太のBL?話。
エロくはないけど、なんかイチャイチャ?してる。甘い雰囲気になんてなりゃしない。
暴力表現あります。





「あー…これも全部名前のせいだ…。名前が悪いんだ。そうだ、ぜーんぶ名前が「うっせぇなぁテメェはよぉ!」


隣でゴロゴロしながらブツブツと文句を言う小平太の後頭部を殴り黙らすと、「早漏」と禁句を言ってきたのでまた殴ってやる。


「だってそうだろ!?」
「この課題のことか!?それとも早漏のことか!?」
「どっちもだ!」
「んだとゴラァ!元はと言えばお前がバレーボールを破壊するからだ!」
「名前がバレーボール追って、壁壊したからだ!」
「壊れた壁でキャッチボールして、山田先生の頭にぶつけたのは小平太じゃねぇか!」
「名前が盛大に笑うから怒られたんだ!」
「小平太が悪い!」
「名前が悪い!早漏!」
「うるせぇええええええ!いい加減にしねぇとテメェの口塞ぐぞ!」
「やれるもんならやってみろ!」


小平太とバレーで遊んでいたら、ドカンとバレーボールを破壊した。
飛んでいったバレーボールを追いかけていくと、ボロボロになった壁にぶつかって、壁を崩壊してしまった。
それを見た小平太は瓦礫でキャッチボールしよう!とか言ってきたので、のってやると、大暴投をかましやがった。
いつもなら伊作に当たったりするんだが、今日は山田先生の頭に見事に当たってしまい、俺は笑ってしまった。いや、まさか山田先生に当たるとは…!
で、怒った山田先生に罰として課題を大量に出されてしまい、俺と小平太は暑い中机に向かっていた…。
取っ組み合いの喧嘩になりそうな剣幕で小平太の胸倉を掴み、そんなことを言うと小平太も不機嫌顔でそんなことを言ってきた。


「ああ!?意味わかってんのか!?俺の口でお前の口塞ぐっつってんだぞ!?」
「だからっ、やれるものならやってみろって言ってるだろ!」
「よーし、解った。覚悟しやがれ!」


胸倉を掴んだまま小平太に接吻してやる。
……あれだな、女とそう変わんねぇな。普通に唇は柔らけぇや。


「……うん、普通だな」
「下手なんだよ名前は」
「あ?」
「こうやるんだ!」


小平太に主導権を握られ、接吻される。
気持ちいいとかそういうんじゃなくて、なんか…変な気分。


「いや、ねーよ。お前独り善がりすぎだろ…」
「でも大体の女はこれで落ちる」
「そりゃあお前に寄って来る女の子はマゾっ子だからだよ」
「ふーん。よいしょっと…」
「……何してんだ?」
「え、ヤるんだろ?」


いつもと変わらないノリで、普通の顔で押し倒してきた。
ふっざけんなよ!何で俺が下なんだよタコッ!


「だって私のほうが大きいし」
「下の意味も含めんな!断る。ヤるなら絶対俺が上だ」
「断る!」
「いっ…!」


場所を入れ変わろうとしたら、鎖骨をガリッと強く噛まれた。
このバカが!食う気で噛むんじゃねぇよ!
ムカついたから顔を殴ってやると、怒った小平太が睨んできた。口からは血が流れている。ざまぁみやがれ!


「いでででで!」


すげぇ力で抑えつけられたまま、今さっき噛んだ場所を執拗に噛み続ける小平太。
血が出たのか、時々ペロリと舐めるのが最高に気持ち悪い!
膝蹴りを食らわすも、腹筋に力を入れやがって全くきかなかった。


「いい加減にしろよ!」
「名前こそいい加減にしろ!蹴るな!」
「じゃあ殴る!」
「っ…」
「うひゃっひゃっひゃ!今だ!」


一瞬の隙をついて、小平太を押し倒して上に乗る。やっぱ上から見下ろすのがたまんねぇよなぁ!
文句言ってくる前に接吻してやると、血の味がして眉を寄せる。くっそ不味い…。
血と唾液の音が部屋に響いている中、同じく眉を寄せていた小平太が腕を伸ばして、俺の腰紐を解く。
誰が主導権渡すかよ。俺も小平太の服を脱がそうとしたが、片方の手で阻止された。やっべ…。


「私に力で勝てると思うなよ!」
「ぐわあああ!しまった!」


腕を後ろに引っ張られ、転げ落ちたところにまたのしかかる小平太。
くっそ!俺にもっと力があれば…っ。
接吻の続きをしながらしゅるしゅると紐を解いて、上も脱がされた。
つーか暑いから触るなって睨むも、小平太はニヤニヤ笑っていた。楽しんでんなぁ、こいつ。
噛んだ箇所に舌を入れてグリグリと押してくる。いってぇのにわざとやってくるあたり、こいつは鬼畜だと思う。嫌でも悲鳴あげてやんねぇけどな!


「お前マジでヤんのか?俺男だぞ?」
「んー?まぁ、なんかどうでもよくなってきた。細かいこと気にしてないし」
「俺は嫌だっつーの…。男にヤられるのも、ヤるのも」
「でも私もう半分勃ってるし」
「アホか」
「……名前も勃ってる」
「マジか」


暑いから脳みそおかしくなってんのかな…。
確かに息苦しいし、もやもやするし……。


「あー……じゃあヤるか」
「おう。名前が下な」
「やっぱりかよ…。解った解った、俺が受けてやるからちゃんとしろよ」
「ちゃんとって?」
「え?……さあ?俺、男同士とか知らねぇもん」
「私も知らん!」
「えー……。言うから知ってんのかと思った」
「尻の穴に突っ込むんだろ?」
「やべぇ、お前の突っ込まれたら死ぬわ」
「痛いのが気持ちいいらしいぞ」
「……いや、でもなぁ…」
「男に二言は?」
「ねぇよ」


しょうがねぇ。オラッ、もう抵抗してねぇからヤれよ!
大人しく寝転がると、満足そうに笑ったあと、唇を重ねてくる。
…これはヤバイわ。頭がクラクラする……。男同士ってこんなにも気持ちいいのか?興奮するのか?


「じゃねぇよ!蒸し暑くて熱中症になるわ!小平太、その前に川行こうぜ!暑すぎて苦しい!」
「だな、私もさっきから暑くて気持ち悪かったんだ」
「よっしゃ!じゃあ、いつもの川まで行こうぜ!」
「おう!」


解かれた紐を結んで、長屋を飛び出して裏山へと向かう。
裏山には下級生には危ない、上級生だけの遊び場がある。
小平太と一緒に向かい、制服を脱ぎ捨てて滝壺に飛び込む。冷たくて気持ちよかった!


「見てみて、名前!しゅぎょー!」
「バッカ小平太。修行はこうやんだよ!」
「あ、名前。上からなんか落ちてきてる」
「んでもって素手で壊す!…って大木じゃねぇか!」
「アハハ!逃げろ逃げろ!」
「やっばー、死ぬとこだった!」


夕方になる前に川からあがり、腹が減ったからそのまま町へと向かって、一緒にうどんを食った。
いやー、やっぱ動いたあとのご飯はうまいですなぁ!
食堂のおばちゃんの料理が一番うまいけどな!


「…そう言えば名前」
「おかわりはなしだぞ。夕食があるからな」
「私たち何してたっけ」
「え?………ああ、ヤるとかヤらないとかだろ?」
「ああ、そっか。どうする、帰ってから続きするか?」
「いや、もういいや。川で遊んで疲れたし、夜は留三郎と鍛錬する約束してるしな」
「なによっ、私より留三郎との約束をとるの!?」
「ぶはっ!や、止めろよ小平太。お前がそういう冗談言うの珍しいんだから吹いちまう!」
「名前の真似だ!」
「そうかそうか!」


門限ギリギリまで町で遊んで、学園へ戻ると、門の前に長次、門の上に留三郎がいた。
二人揃って小首を傾げ、走って二人の元に向かうと、何を言われることなく、殴られた。え、何で!?


「このバカ犬どもがッ…!どこほっつき歩いてた!?」
「ど、どこって留さん…。暑かったから裏山の川に……。な、何でそんなに怒ってんの?」
「ちょーじ痛い!何回も殴るな!」
「殴らないと小平太解らないだろ…!」
「何で!?私そこまでバカじゃない!名前のほうがバカだ!」
「俺もバカじゃねぇよ!」
「課題ほったらかして遊びに行ってんじゃねぇよ!」
「課題を置いたまま遊びに行くんじゃないっ…」


…………。


「「あーッ!」」
「バカ名前!」
「バカ小平太ッ」





榊さんと、なおさんからちょっとネタを頂きました。
ありがとうございます!
男前受け大好きだけど、難しいですな。もっと攻めの争奪戦もさせたかったですが、流血になるのでこれぐらいで…。


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