誰が一番? !注意! 子供の名前(固定)が出てきますので、苦手な方は進まないようお気を付け下さい。 子供の年齢は適当。 潮江家→長女、長男「龍之介」 立花家→長女、次女、長男「誠一」 中在家家→長男「長太郎」、長女 七松家→長男「小太郎」、次男「小次郎」、三男「小三郎」 食満家→長男「光一郎」、次男「優二郎」、長女 善法寺家→長女「伊佐奈」 七松長男と立花双子 七松次男と立花長男と潮江長女 七松三男と潮江長男、食満長男、中在家長男 七松四男と中在家長女と食満次男 七松五男 七松六男と食満長女と善法寺長女 七松七男 久しぶりに立花家で飲み会をしました。 「ほんっと久しぶりだなぁお前たち!長次や留三郎とはよく会うけど、仙蔵や文次郎とはすっかりだったからな。元気か?」 「色々忙しくて時間を作れなかったんだ、すまんな小平太。お前のところは毎日騒がしそうだな」 「毎日が楽しいぞ!」 「そりゃああんだけ子供がいればな…。つーか、俺は仙蔵とはよく会ってるから懐かしくはねぇな」 「仕事でも世話になってるからな」 「未だお前がどんな仕事してるか解んねぇけどな…」 「僕、留さんのところとは付き合いがあるけど、四人とは滅多に会えないから嬉しいよ!あ、でも小平太の子供はよく見かける。怪我も多いしね」 「俺も伊作んとこ以外とはなぁ…。長次、元気だったか?」 「…元気。留三郎も変わりないな…」 「まぁな。どんどん成長していく子供たちを見ると癒されるよなぁ!あ、因みに今娘が着ている服、伊作んとこの子とお揃いの服なんだぜ」 「年が一緒だから双子みたいでさぁ!可愛いよね!」 「ああ、最高だ!」 「実際私の子は双子だがな。将来美人になること間違いなしだ。私とあいつの娘だからな」 「……私の娘も…、いい子に育つ…」 「(それを言うなら俺の娘だって…。一生懸命だし、素直だし、俺に懐いてるし…)」 「何だ文次郎。何か言いたそうな顔をしているな」 「何でもねぇよ」 「いいなー、私も娘欲しい!強い女に育てたい!」 『それは止めろ』 「で、小平太はいつまで子供を産むつもりだ?」 「七人で我慢する!ほら、七松だから」 「小平太…安直すぎ……」 「たっくさん欲しいんだけどなー、あいつが許してくれんから…」 「そりゃそうだろ。つーか小平太は子供を放任するから無闇に子供を産むのはダメだ!」 「でも留三郎みたいに構いすぎるのもよくないぞ?ほら、息子に嫌われてるし」 「ほー…何だ留三郎。息子に嫌われてるのか?」 「き、嫌われてねぇよ!ただちょっと生意気な口聞きてぇ時期なんだよ…」 「俺の息子はそんなことねぇけどな!年は一緒なのに何でだろうなぁ…?」 「んだと!?勝負だ文次郎!」 「おおっ、やるかぁ!?」 「やかましい。いい大人なんだから騒ぐな」 「あはは、いくつになってもあの二人は変わらないねぇ」 「……懐かしい…」 「なんだ父ちゃんケンカか!?」 「残念だな小太郎。私じゃなく、留三郎と文次郎だ」 「おー…。おーい、龍之介、光一郎!父ちゃんがケンカしてるぞー!」 「何だよ留三郎、またケンカか?母さんにおこられるぞ?」 「お父さん、がんばれ!」 「……。父ちゃん、負けんな!」 「っお父さんが負けるわけないだろ!」 「んだと!?父ちゃんが負けるわけねぇだろ!お前弱虫なんだからだまってろよ!」 「ぼく弱虫じゃない!お父さんにきたえてもらってるから強い!」 「なんだなんだお前らもケンカか!?小三郎、お前もたたかえ、同級生だろ!」 「おう!」 「小三郎、めっ。みんなご飯食べるんだから騒ぐのよくないよ」 「兄ちゃん、長太郎におこたれたからやめる!長太郎、おれあれ食べたい!」 「じゃあよそってくるから、しずかに待ってて」 「うんっ」 「さすが長次の息子だな。七松家の扱いをよく解っている」 「…小平太のところとは交流があるから。同級生だし」 「それに比べてお前らのところは息子も一緒なのだな…。呆れて物も言えん」 「でも男の子がいるのっていいね。僕も息子が欲しいなぁ…」 「それは止めたほうがいい。きっと伊作に似て不運な子になる……」 「そんなことないよ!」 「父ちゃん、文次郎に負けんなー!」 「お父さん、絶対に食満さんに負けないで下さい!」 「「おうよ!」」 「やかましいと言っとるだろうが!そんなに私の餌食になりたいのかお前らは」 「あーあ、やっぱり怒った…」 「さすがにうるさいし、丁度よかった…。子供たちも見てるからよくない…」 「うん、そうだね」 「なぁなぁ誠一、なんで今勉強してんだ?」 「小次郎、これは勉強じゃない。メモだ」 「メモする必要あるのか?」 「バカなことや、面倒なことをしないための対処法だ。小次郎には難しいだろう?」 「うん!」 「じゃあご飯食べてなよ」 「おう!」 「全く、お前らはほんっと学習せんな。子供にそんな姿見せていいとでも思っているのか」 「「…」」 「そこで言い訳をせんあたり、学習したと見えるので今日は許してやろう」 「覚えてろよ文次郎…」 「貴様こそ…」 「うちで暴れたらどうなるか解ってるだろうな…」 「「はい…」」 「勝負ならもっと別のことでつけろ。戦うんじゃなくてな」 「別のことか…。そうだな、俺の子供が世界一可愛いとかか?」 『あ?』 「聞き捨てならん言葉だな、留三郎。世界一可愛いのは私の双子と息子だが?」 「これだけは譲れねぇなぁ、仙蔵。世界一可愛いのは娘と長男だ!」 「私の息子たちのほうは格好いいし、強いぞ?」 「ならば私の息子のほうが強い…。娘は素直でいい子で賢い…」 「はぁ?強いのは俺の息子だろ?娘はこれから可愛くなるしな!将来が楽しみだぜ!」 「ふふっ、女の子の中だったら僕の娘が一番だよ?天使ってまさにあの子のためにあるよねぇ」 「「あーあ、面倒くさいパパが降臨しちゃった」」 「姉さん、母さん呼んできたほうがいい?」 「「それは止めたほうがいいわ」」 「お父さんが怒ってる…!」 「怒ったパパもかっこいー!がんばれーっ」 「父ちゃんも盛り上がってるなぁ。よし、今のうちに肉たくさん食っとけよ、お前ら」 『おう!』 「ここはさわがしくなるから、お母さんのところに行こう」 「でもだいじょうぶかなぁ…」 「平気。父さんが一番つよい」 「よっしゃぁ、留三郎負けんなぁ!」 「兄ちゃん、妹を母さんのところにつれていこうよ」 「おお、そうだな!」 「伊佐奈ちゃんもお母さんのところにいこう?」 「うん、ありがとう、優二郎くん!」 「何だと文次郎!それは聞き捨てならんな!世界一可愛くて、嫁という名に相応しいのはあいつだけだ!」 「ハッ、仙蔵お前は過保護にしすぎだ。いいか、嫁というものは家庭を守るもの。そして、それができるのは俺の嫁だけだ!」 「ならあいつも強いぞ?しっかり家を守ってる!」 「……強くはないが、あいつは私のことをとても慕ってくれてる…。私が世界一幸せな旦那だ」 「だからさぁ…。何で解んねぇんだよお前ら。強くもあり、俺のことを慕ってるのは俺の嫁だろうが!おまけにしっかり者!でも時々可愛い!」 「ぼ、僕だって…!いつも怒られるけど、絶対に僕から離れたりしないもんっ。時々甘えてきて可愛いもん!」 「ようやく山場を乗りきった…」 「お疲れ様。七松さんのところはたくさん食べるから作るの大変ね」 「まぁね。でも、食満さんのとこも食べるでしょ?」 「育ち盛りだもんね」 「先輩方、あとは私と立花さんにお任せ下さい。ずっと作ってばかりで疲れたでしょう?」 「大量に作ることはできませんけど」 「じゃあ任せてもいいかな?あれ、中在家は?」 「なんか子供が来たからあっち行ったよ。あ、食満の子も私の娘連れてこっち来てるよ」 「あら。どうしたの、優二郎。伊佐奈ちゃん連れて」 「父さんたちがケンカしてたから」 『喧嘩!?』 「どういうこと!?他の子供たちは?大丈夫!?」 「何人か見てる。何人か逃げた」 「ああ、それで中在家のとこいないんだ。どうせうちのチビども七人は見学してるんだろうなー…」 「優二郎、避難した子供たちと一緒にいてくれる?留三郎を止めてこないと…。あの人すぐ熱くなるから…」 「文次郎さんもああ見えて短気ですからねぇ」 「仙蔵さんが熱くなるなんて珍しい…」 「小平太、それ以上喧嘩したら明日のご飯抜きだよ」 「伊作、今すぐ黙らないと離婚するよ」 「過保護のどこが悪い!あんなにも可愛いんだぞ!?いつ、誰に狙われるか…!」 「そうなったときのための護身術だろうが!俺の嫁はできるぞ!」 「戦いにおいてなら私の嫁が強い!私が学生時代に鍛えたからな!」 「そんなことしなくても、長男がしっかり守ってくれるし、私もいるから…。だから、いい加減認めてくれないか?」 「だったら俺の息子二人のほうが強いっつーの。俺もまだ現役だしな!」 「すぐそうやって暴力ですませようとするー。ちょっとは皆頭使いなよ。薬でやっちゃえば簡単だよ?」 『…』 「また面倒なことになってますねぇ…。どうしましょうか」 「殴り合いの喧嘩じゃないならいいんじゃない?子供たちも楽しそうだし」 「善法寺、あんた興味なさそうね」 「娘が無事ならいい」 「小平太楽しそう…」 「というか、間に入れないよね」 「きゃーっ、長次格好いー!やっぱり長次が一番だよ!それに私のことあんなに愛してくれるなんて私が世界一幸せ者だよねーっ」 『は?』 「一番の幸せ者は私です。確かに過保護過ぎるし、私がいないと駄々をこねる仙蔵さんですが、それも愛です」 「お言葉ですが、世界一幸せ者というなら、私が相応しいかと。文次郎さんは良き旦那であり、良き父親として役割を果たしております」 「小平太は子供っぽいけど、根はしっかりしてるんだよね。俺について来いタイプだけど、それがまた魅力的だし」 「長次はとにかく格好いいんだよ!いっつも子供たちのこと気遣ってくれるし、私のこと愛してるし、私も愛してる!」 「あはは。お嫁さんを一番愛してるのは留三郎でしょ?勿論、子供もすっごく愛しちゃってますけどね。あんないい旦那いないよー」 「確かに不運で、ドジで、泣き虫で時々腹黒いけど…。でもすっごく優しいんだよねぇ…。何だかんだ言って面倒見もいいし」 「仙蔵さんが一番です!先輩方、ちょっとは遠慮してくださいよ!」 「文次郎さんです、一番です」 「遠慮するのは後輩でしょ?小平太が一番たくましくて、格好いいの」 「たくましいなら長次!年々渋くなっていくし、男らしいじゃん!」 「年々格好よくなるのは留三郎!筋肉だって衰えないし、とにかく格好いい!」 「伊作は若いまんまで人気者だよ?ちょっとだけ腹立つけど、自慢の夫だよね」 「あーあ、母さんたちもケンカ始めた…」 「優二郎くん、どうする?」 「どうしようか」 「でも、わたしのママとパパがいちばんすてきだよね!」 「そ…れは……」 「なに言ってんだよ、伊佐奈!俺んとこの父ちゃんと母ちゃんが一番に決まってんだろ!」 「光一郎、それはおかしい。ぼくのお母さんとお父さんが一番。ね?」 「ねー!」 「長太郎くん、それはちがうよ。一番はぼくのお父さんとお母さん。だよね、姉さん」 「うん!パパが一番かっこいいもんっ。ママはとってもつよくて、キレイ!」 「「綺麗なのは私たちのママでしょ?」」 「姉さんたちの言う通り。はい、終わり」 「母ちゃんと父ちゃんが一番に決まってる!小次郎も小三郎もそう思うよな!?」 「「おう!」」 『うちの嫁が一番!』 『うちの旦那が一番!』 『うちの親が一番!』 この親にしてこの子ありとはまさしくこの通りである。 ▼ 礼さんと匿名さんより。 旦那が惚気話をするお話。 読みにくい文章、構成で申し訳ありませんでした。 ( TOPへ △ | ▽ ) |