夢/30万打 | ナノ

甘えてみました


お嫁さんが旦那さんに甘えてみました。



●善法寺家のバヤイ

「伊作」
「え、なに?名前1から僕に話かけるの珍しいね…。り、離婚はしないから!」
「違うよ。……ちょっと、そこ座って」
「……また僕名前1を怒らせるようなことした?」
「いいから座って!」
「はい!…これでいい?」
「よし。ちょっと間、そのままにいてね」
「え?……えッ!?あ、あの名前1…!?何で僕の膝を枕に…ッ?」
「疲れたから寝たい。ダメ?」
「うっ…(名前1が甘えてくるなんてすっごく珍しい!今最高に幸せだ!やっぱり僕は不運なんかじゃないや!)勿論だよっ、いつまでも寝てていいからね!」
「あと頭撫でて」
「うん!ええっと…、こう、でいい?おかしくない?気持ちいい?痛くない?」
「ちょっとうるさいし、しつこい。そのままで十分だよ。気持ちいい…」
「(名前1が喜んでる!えへへ、幸せだなぁ。嬉しいなぁ!甘える名前1は可愛いし、寝顔は無防備で可愛いし、小さくなって寝るのも可愛い!あーあ、写真に収めたいなぁ…。あ、携帯ないや…。ぷち不運…)」
「いさくー…」
「な、なに!?」
「愛してるよ」
「―――ッ僕も!僕も名前1のこと愛してる!大好きだよ名前1!ずっとずっと一緒にいようね!死んだって手放さないからね!」
「うるさい」
「いたいっ。でも幸せだからいい!名前1、愛してる!」

小さな幸せを大きな幸せに変えます。どうしようもないぐらい締まりがなくなります。



●七松家のバヤイ

「こへーた、抱っこして」
「おう!」

「小平太ぁ…、あれ取ってー」
「おう!」

「重たい…、ごめん、これ持ってくれない?」
「おう!」

「今日の名前1はいいな!」
「え?どういう意味?」
「だってずっと私を頼ってるだろう?」
「ああ、…そうだっけ?」
「そうだ。だけど私は嬉しいぞ。名前1はもっともっと私を頼って甘えるべきだからな!」
「ふふっ、ありがとう小平太。でも、頼ってはいるけど、甘えてはいないね」
「じゃあ甘えろ!ほら、こい!」
「んー…。じゃあお邪魔しまーす」

(ぎゅっ)

「小平太はあったかいねぇ」
「名前1はちょっと小さいな!潰してしまいそうだ」
「それは止めてね」
「絶対にせん。ずっと名前1といるんだ!」

年中無休、二十四時間甘えてきてほしいし、頼ってきてほしい!



●尾浜家のバヤイ

「名前1ー、ちょっと家事止めてこっちおいでー」
「どうかした?」
「はい、ここに座ってください」
「勘右衛門の胸の前に?何で?」
「いいからいいから!名前1はちょっと頑張りすぎなんだよ。だから今から名前1が俺に甘える時間でーす」
「……なにそれ」
「あ、笑った。やっぱり名前1は笑った顔がいいよ!ほら、もっと笑って!」
「笑ってって言われてすぐには笑えないから。でも、ありがとう、勘右衛門。素直に甘えさせてもらうね」

(ぎゅー)

「え、あ…!(素直に甘えてこられるとちょっと恥ずかしい…とか言えない…)」
「勘右衛門好きだよ。ずっといるだけで幸せになれるなんて、きっと勘右衛門だけ。ずっと一緒にいようね、愛してる」
「……あっはは…、名前1には負けるなぁ…!うんっ、俺も名前1のこと愛してるよ。これからもずっと一緒にいようね!おじいちゃんになって、俺の隣にいてください!」
「おばあちゃんになっても、私の隣にいてください!」

ちょっと戸惑いつつも、抱き締めるのを止めない。



●潮江家のバヤイ

「文次郎さん」
「なんだ」
「抱き締めて下さい」
「ハッ!?な、何をいきなり…」
「…甘えたら、ダメですか…?」
「あま、える…。甘える…?甘え……っ…!」
「(何を想像したのかしら…。そんなに真っ赤になられても)文次郎さん?」
「お、お前が甘えたい、というなら俺は構わん、ぞ…」
「(真っ赤になったままそっぽを向かれても…。ふふっ、文次郎さんらしい)」
「なに、笑ってる!甘えるなら甘えろ!」
「では失礼します」

(ギュッ)

「っ!」
「はぁ、やはり文次郎さんのお側は落ちつきますね。…とても心臓の音が早いですが」
「(この場合、手はどこに置いたらいいんだ!?肩に手を回す……いやいや、夫婦なら腰………に置けるか!)」
「文次郎さん、腰に手を回して抱き締めてくれませんか?」
「お、……」
「嫌でしたら無理は言いません」
「嫌なわけあるか!ほら、これでどうだ!」

(ギュウ)

「……苦しいです」
「…すまん…」
「文次郎さんは本当に不器用ですね」
「……すまん…」
「いえ、そこが文次郎さんの魅力ですので、気にしておりませんよ」
「そうか…!」
「はい。文次郎さん」
「何だ?」
「お慕いしております」
「ッバカタレ!」
「ふふ!」

嫁は文次郎の上をいく。



●立花家のバヤイ

「仙蔵さん、甘えていいですか?」
「この私が存分に甘やかしてやろう。さあ、来い」
「即答だね。では甘えさせて頂きます。えい!」

(ぎゅっ)

「仙蔵さんって、細身に見えて実は筋肉あるよね。凄くたくましくて格好いい」
「当たり前だ。名前1や子供たちを守るだけの筋肉はつけている。それに、たるんだ身体は嫌いだ」
「他人に厳しく、自分にも厳しいよね。私も己の美に磨きをかけようと思います。だからおねだりいいですか?」
「何だ?名前1がそんなことを言うなんて珍しいな」
「夜のウォーキングにでかけたいです!」
「却下。夜は私との愛を育むための時間だ」
「……はぁ、やっぱりか…。さ、十分甘えたし家事に戻ります」
「名前1、お前はいつまで経っても解らんのだな」
「え?」
「甘えさせてやったんだ。今度は私のおねだりを聞くべきだろう?」
「………せ、仙蔵さん…離れてくれませんか…?」
「さあ、何をしてもらおうかな。手始めに、名前1から私にキスをしろ。勿論、私が満足するまでな」
「(無闇に甘えるものじゃないね…)」

見返りが凄い。



●食満家のバヤイ

「留三郎、今大丈夫?」
「名前1のためならすぐに時間を作ってやるさ。どうした?」
「ありがとう!あのね、今凄く留三郎に抱きつきたいんだけど、いいかな!」
「勿論だ!さあ、来い!俺が受け止めてやる!」
「留三郎っ…。大好きだーっ!」
「俺も名前1が好きだぜ!」
「えー、私のほうが留三郎のこと好きだよ?」
「なら俺は好きじゃない」
「え……、き、嫌いになったの!?」
「俺は名前1を愛してる」
「っもう!ビックリさせないでよ。そういう意地悪なとこも好きだけど、泣きそうになるから嫌い!」
「ははっ、悪い悪い!名前1が可愛くてついつい意地悪しちまうんだ。ごめんな?」
「もー……頭撫でないでよ…私も留三郎のこと好きじゃない…」
「わ、悪い!子供扱いされるのお前が嫌いなの知ってるのに…!ごめんな!」
「私も留三郎のこと愛してる」
「名前1…!お前この野郎!愛してるぞ!」
「私も留三郎のこと愛してるぞ!」

 通 常 運 転 。





帽子屋さんより。
嫁が旦那に甘えたときの反応のお話。


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