夢/嘘 | ナノ


単発シリーズ


●獣主 その1●

「竹谷、大事な話がある」
「はい、どうされましたか?もしかしてまた犬か猫を拾って…?」
「違う…。あのな、俺もう長く生きられないんだ」
「……え…?」
「今まで楽しかったぜ。ありがとうな、俺なんかを慕ってくれて」
「えっ……えッ!?そ、それって本当なんですか!?医者がそう言ったんですか!?」
「ちょ、…お、落ちつけよ!掴んでる肩がいてぇんですけど!」
「俺っ…!…そんなっ…、全然気づかなくて…ッ!俺になにかできることありませんか!?」
「だから落ちつけって!」
「名前先輩が亡くなるなんて…!お、俺はこれからどうしたら…ッ」
「(あー…ダメだな、こりゃ。マジで信じてやがるし、マジで凹んでやがる。そりゃあ悲しんでくれるのは嬉しいけど、ちょっと可哀想になってきた…)」
「名前先輩っ、先輩、死なないで下さい…!」
「…んー、竹谷くん。ごめんね?」
「謝らないで下さいよ!そんなことより「ともかく落ちつけ。俺の話を聞け」……」
「―――悪い、嘘だ」
「……………嘘?」
「死ぬなんて嘘。全然元気だよ」
「……―――っひ、く…!」
「うええええ!?な、何で泣いっ…!?えええええ!?」
「し、死ぬなんて…っ、そんな悪い嘘、…やめっ…!止めて…っ下さいよぉ…!」
「あー、もう…。そんな泣くなよ…。悪かったって。ほら、下級生に見られるぞ」
「名前先輩があんなこと言うからでしょぉ…!」
「うん、あんな嘘ついてごめん。ごめんな」
「っ…謝らないで下さい…!なんか……涙が止まんないっ…!」
「どんだけだよ。まぁでも俺のせいだしな…。ほら、よしよししてやっから」
「余計止まりませんよぉ!」
「えッ!?」

元ネタ⇒「俺もう長く生きられないんだ、今まで楽しかったよ」的な



●獣主 その2●

「名前先輩。俺、先輩に愛想が尽きたので生物委員会辞めて、他の委員会にいきます」
「……え、何?なんて言ったの?」
「ですから、名前先輩に愛想が尽きたので生物委員会辞めます」
「お、俺なにかした!?今だって真面目に毒虫捜査してんじゃん!」
「(えっと…)い、いつも不真面目だし、委員長の仕事を俺に押し付けてくるし…。迷惑ですっ」
「やっ、やだやだ!これから真面目に頑張るから!や、辞めるなよ!」
「いいえ、もう決めたんです。明日からは……えーっと…、体育委員会へ行きます」
「よりによって小平太のとこ!?ごめんってば!ごめんなさい!何度だって謝るから俺を捨てないで!」
「ちょっ!ご、誤解を招くような発言はしないで下さい!」
「俺、竹谷がいないと何もできないんだって!だからお願いッ、捨てないで!」
「捨てませんよ!つか泣きついてこないで下さい!」
「だって竹谷が俺を捨てて小平太のとこに行くって言うから!」
「ですからッ、誤解を招く言い方は「何でもするから捨てないでくれぇええええ!」うおおおお!大声で叫ばないで下さい!ほらっ、食満先輩が変な目で見てるじゃないっすか!違いますよ、食満先輩!これには深い…いや、深くねぇ事情があってですね…!」
「安心しろ、竹谷。全部解ってるから」
「食満先輩…!」
「でもな、あまり年上をからかったり、遊んだりするもんじゃないぞ?」
「違ぇし!」
「竹谷ぁああああ!」
「うわあああもう面倒くせぇ嘘ついちまったなァ!」

元ネタ⇒獣主に「先輩に愛想が尽きたので生物委員会やめて他の委員会に行く」等と



●獣主 その3●

!注意!
BLしてます。
精神的に竹谷×獣主だけど、肉体的には獣主×竹谷が好ましい。
ちょっと竹谷くんが頭おかしい。獣主の口がとても悪い。




「先日の夜、名前先輩の部屋に忍びこんで接吻しました」
「…………頭大丈夫か?」
「はい、通常運転です」
「そうか、通常が残念バヤイ、どこに連絡すればいいんだ?」
「名前先輩が頭を撫でてくれるときっとよくなると思いますよ」
「もっとヤバくなるだろ!え、お前俺に何しちゃってくれてんの!?」
「でも夜這いしてませんよ?」
「しようとすんなよッ!何でしようとしてんだよ!あとっ、「偉いでしょ?」って顔すんな!」
「では、夜這いしたほうがよかったですか?実は待ってたんですか?」
「んなわけねェだろうが!お前ほんっとなんなの?俺のことそんなに嫌いなの?」
「好きです愛してます名前先輩がいないと生きていけません」
「うん、解った。重すぎるってことがよく解った!あのな、俺はお前のこと好きだけど、そういった目で見れねぇって前にも言ったよな?」
「……」
「おい…、何でちょっと照れてんだよ…」
「だ、だって名前先輩が俺のこと好きだって…」
「オトメンかよきめぇな!そうだけど意味合いが違うのッ。……じゃなくて、それは置いといて…。俺に接吻したってマジか?」
「はい。熟睡してるうちにしちゃいました」
「反省の色もねぇな」
「反省していませんから」
「しろよ、クソが…。…………いや、それ嘘だろ」
「…」
「だって俺、熟睡しているとは言え、気配探ってんもん」
「チッ…」
「おい、先輩相手に舌打ちは何だ」
「まぁ嘘ですが、いつか本気で奪ってやろうとは思ってます」
「すっげぇ告白聞いちゃった。今日から留三郎と一緒に寝よう…」
「じゃあ俺も一緒に寝ます!」
「何でそうなる!?今までの流れが解らないとか言わせないよ!?」
「名前先輩」
「何だよ…!」
「好きです、お付き合いして下さい」
「もう色々突っ込みたいけどとりあえずこれだけは言わせてくれ!全力で断る!いい加減諦めろ、この馬鹿犬が!」
「最高の褒め言葉ッス!」
「もうやだこの後輩!」

元ネタ⇒獣主が夜に熟睡(←ここ重要)←しているうちに、竹谷が獣主と接吻をした



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