夢/嘘 | ナノ


妊娠しました、責任とって下さい


「「名前せんぱーい」」
「おう。どうした、三治郎に虎若」
「オレら妊娠したんで責任とってください」
「とってくださーい!」
「………えッ!?」



「ということがあってだな…。どうすればいいのか解らなくてお前らに相談しました」
「ナハハ!名前、お前は本当にバカだな!」
「ああ。大体男同士で「ちゃんと避妊せんからそうなるんだ!」……おい、小平太…」
「まぁ待て文次郎。当分の間見守ろうではないか。しかし、ほんとにバカだなこいつら二人は」
「いや、そうじゃなくてさ!大体ヤった覚えねぇんだよ!後輩に手を出すほど飢えてねぇし!」
「それより名前。二人に手を出すなんて最低だよ。ちゃんと本命を決めないと!」
「待て。二人とも妊娠しちまったんだぞ。ならちゃんと二人とも面倒を見るのが筋ってもんじゃねぇのか?」
「何言ってるの留三郎!そんな一夫多妻だなんて失礼だよ!」
「うおおお!その問題もあったな…。俺、ほんとどうしたらいいか…!」

「七松委員長」

「金吾か。どうした?」
「妊娠したので責任とって下さい」
「………私もか!」
「…小平太、責任はちゃんと取るんだぞ…」
「アハハハハ!お前も避妊してねぇじゃん!偉そうに言いやがって!」
「というか金吾は大丈夫なの?小平太の相手したんでしょ?」
「こうも盛りがついた犬がいるんじゃこの学園も終わりだな。よし、犬小屋でも作るか」
「……留三郎、私も手伝おう…」
「おう、長次も飼い犬の躾は大変だな!」
「まぁな」

「い、伊作先輩!」
「「食満せんぱーい」」
「中在家先輩いますかー?」

「乱太郎?」
「しんべヱに喜三太。どうかしたか?」
「きり丸も…」

『妊娠しました、責任とって下さい』

「「「……」」」
「ぼ、僕…こんな……!名前のこと責めてた僕が恥ずかしい…!」
「俺なんか…二人も孕ませちまった…!さ、最低だ!」
「…っ…!いや…そんなこと…は…」
「マジっすから」
「…、………す、すまん、きり丸…」
「おい長次。お前までアホどもに付き合わんでいいんだぞ。一年どもも、くだんねぇ嘘ついてねぇで「し、潮江先輩ッ!」なんだ団蔵」
「オレも妊娠しちゃったんです!どう責任とってくれるんですか!」
「…………………俺が面倒見るから安心して子供を産め」
「違うだろうが。貴様もバカか文次郎。おいお前ら、嘘とは言え、あまり先輩たちをからかうんじゃない」
「えー…、でも立花先輩。ボクも妊娠しちゃったんですけどー」
「……。いやいや、私はそんなヘマなんてせん」
「先日、酔っぱらってボクらの部屋にきたの忘れちゃったんですか?」
「…。い、いや……。そ、そうだとしても……」
「うわあああ!結局お前らも手ぇつけてんじゃねぇか!どうすりゃいいんだよ!」

「あ、名前先輩見つけたー!いきなり走り出したからどこ行ったのかと思いましたよー」
「名前せんぱーい、責任とってください!」
「うおおおお!ちょ、ちょっと待って!もうちょっと考えさせて!」

「……何されてるんですか、名前先輩…」

「竹谷!丁度いいところに!実は、かくかくしかじかで!」
「…それを六年生全員が信じてしまったわけですか…。先輩、男同士では子供は生まれませんよ。だから安心して下さい」
「………そ、そんなの知ってるし!便乗してやっただけだし!な、留三郎!?」
「お、おう!」
「よかったー…。手出してなかったんだ…」
「団蔵!お前先輩に嘘をつきやがったなぁ!」
「で、ですがこの間ボクたちの部屋にやって来たのは本当ですよ!」
『え!?』
「一年生だけではなく、私たち五年長屋や四年長屋にも来ましたよ。お酒を飲むのは構いませんが、私たちまで巻き込まないで下さい。特に名前先輩」
「す、すみません…」
「虎若、三治郎行くぞ。一平たちが待ってる」
「「はーい!」」
「では善法寺先輩。わたしたちも失礼しますね」
「う…うん、気をつけてね」
「はい!」
「……今度酒飲むときは気をつけような、お前ら」
『ああ』






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