夢/嘘 | ナノ


実は俺達…義理の兄弟なんだ


「実は俺達…義理の兄弟なんだ」
「あー、はいはい」
「幼いころ山に入って、留三郎は崖から落ちて行方不明になっちまってよ…」
「んー…、もうちょっと削っても大丈夫か?」
「全然気づかなくてごめんな、留三郎!でもこうやって会えたんだ。今度こそお前を守ってやるからな!」
「よっしゃ、できた!」
「…っておい、留三郎…。俺の話聞けよ!」
「どうせ嘘だろ。くだんねぇ嘘ついてねぇで真面目に委員会出ろよ」
「だって最近留三郎不足なんだもん」
「なんだそりゃ」
「留三郎が構ってくんねぇよぉおおお!もっと俺に構えよ留三郎ぉおおお!」
「うっせぇし、重いし、気持ち悪ぃ」
「うわーん!留さんのバカッ。兎は寂しいと死んじゃうんだぞ!」
「寧ろ兎は単独行動派だろうが。あと、お前は兎じゃなくて狼だ。もしくは兎の皮をかぶったバカ犬」
「辛辣だな…。でも本当に留三郎不足なんだって。もっと構ってよ」
「何だよ、頭でも撫でてほしいのか?」
「膝枕でお願いします」
「バカか」
「だってな、人肌って安心するんだぜ。それに、警戒しないで寝れるのってやっぱお前か伊作の前だけだし…」
「……はぁ。ほら、貸してやるから少し黙ってろ」
「さっすが留さん!じゃ、お借りします…」
「静かにしろよ」
「頑張る」

「あ、何してるの二人ともー」

「「伊作」」
「って名前。何で留三郎に膝枕してもらってるの!?」
「母ちゃんに甘えてんだ」
「誰が母ちゃんだ」
「名前だけズルいよ留三郎!僕も僕も!」
「もー…解ったから静かにしろよ…」
「えへへー。じゃあ片膝失礼しまーす」
「伊作、留三郎に迷惑かけんなよな」
「名前こそ」
「この時点で迷惑だっつーの…」
「「おやすみ、留三郎」」
「……おやすみ」






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