夢/嘘 | ナノ


単発シリーズ


●獣主 その1●

「竹谷、ちょっといいか…」
「な、なんでしょうか…。というか、真剣な顔されてどうしたんですか?」
「あのな、お前に隠してたことがあるんだ」
「え…。えっ…隠してたこと、ですか?」
「ああ。……実は俺、竹谷より豆腐が好きなんだ」
「……そ、それ「ちょっと待って下さいッ!」
「兵助?」
「俺のほうが好きです!…いやっ、俺のほうが豆腐を愛してますッ!」
「あ……。うん、…な、なんかごめんね、兵助…」
「いえ、解って頂ければいいんです。じゃ、俺は失礼します」
「ああ…。ま、またな」
「はい」
「……。で、名前先輩。なんですか?」
「ごめん、なんでもねぇわ。ちょっと違う嘘考えてくる…」
「ええ、そのほうがいいでしょうね」

元ネタ⇒獣主が竹谷に「実は竹谷より豆腐が好きなんだ」と言う。



●獣主 その2●

「聞いてくれ小平太、竹谷!俺実は女だったんだぜ!」
「へー。そうなんっすか」
「反応うっす!竹谷ー、もっと驚こうぜ!」
「…」
「で、小平太は俺のどこ見てんだ」
「…」
「お、おい小平太…!真顔で俺に近づいてくんな!右手をワキワキさせんな!ちょ、お前まさかっ…!」
「…」(ガシッ!)
「いっ…ってぇ!思いっきり俺の息子を掴むんじゃねぇええええ!」
「なんだ!ちゃんとあるじゃないか!名前、嘘はいかんぞ」
「解った!解ったから離せ!何だお前、俺の息子を握り潰す気か!」
「女になりたいならしてやろうか?」
「ごめんなさい!それだけは止めて下さい!」
「名前先輩、俺先に委員会に行きますね」
「ちょっと竹谷!助けてよ!」
「名前先輩、嘘をつくならもっと信憑性のある嘘をお願いします」
「見捨てられた上にダメだしされた!」

元ネタ⇒獣シリーズの獣主が竹谷と七松に「実は女だったんだ」という嘘をつく感じで



●獣主 その3●

「竹谷ー」
「名前先輩。俺に用ですか?」
「あのな、ちょっとお前に相談があるんだけど…。その、時間大丈夫か?」
「(先輩が俺に?)え、ええ…。特に用事はなかったんで…」
「俺な…。学園を卒業したら家の都合ですぐに結婚することになったんだ…」
「えッ!?け、結婚…!?」
「ああ。許嫁となんだけど…」
「許嫁がいたんですか!?」
「あれ?言ってなかったっけ?ほら、俺んちってそれなりに有名じゃん?その血を絶やすことのないようにって」
「は、初めて聞きました…。……そ、それ本当ですか?」
「ああ。でも俺、結婚とかしたくないんだよな…。お前や小平太たちとまだ遊んでいたいし。それに戦忍びになるわけじゃん?絶対に早く死ぬし」
「っ!早く死ぬとかそんなこと言わないで下さい!俺らが忍たまである間、守ってくれるって言ったじゃないですか!」
「それは守るよ。でも卒業したら「卒業したら今度は俺が名前先輩をお守りします!」
「あはは!そっか、そりゃあ頼もしいな!」
「ちょっと複雑ですが、名前先輩の許嫁も守ります!だから死ぬって言わないで下さい!」
「ほんとお前って真っ直ぐだよなー…。うん、ありがとな竹谷!」
「―――あ…。す、すみません…なんか熱くなってしまって…」
「いや、いいよ。嬉しかった」
「…。と、ところで相談というのは?」
「ああ、あれ嘘」
「…嘘?」
「許嫁なんているかよ。そんなもんに頼らず、自分の嫁ぐらい見つけるっつーの!」
「……な、なんすかそれ…!」
「でもなんか嬉しそうだな。……ま、まさかっ…。お前、俺のことをそういった目で…!?」
「違いますよ!ずっと一緒にいたのに、いきなり現れた奴に先輩を取られる気がしただけで…っ」
「おーい、本音が出てるぞー」
「………っそういうことです!失礼します!」
「え、ちょ…!お前マジで顔が赤くなってねぇか!?」
「なってません!」
「イエーイ、俺ってば愛されてるぅ!」
「違いますって!」

元ネタ⇒「獣主が竹谷に、家の都合で結婚することになった、と言う」と「夢主が竹谷に「学園を卒業したら許嫁と結婚するんだ」と言う」




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