| おまけの会議と夕食 「お、お久しぶりです七松先輩…」 「……」 「あの、七松先輩？…あっ、吾妻先輩にはお会いになられましたか？」 「あいつが怪我をしたというから来た。それより滝夜叉丸」 「は、はい…！（吾妻先輩戻って来て下さい。今動けないのは知ってますがもう無理です。久しぶりに会えたと思ったらもうこんな……こんな…っ！）」 「委員会はきちんとしているのか？」 「え？…そ、それは勿論！七松先輩ほどではありませんが、吾妻先輩は吾妻先輩なりに頑張っております。私たちも吾妻先輩を支えるよう努力はしているのですが「三之助」 「はい」 「あの一年生を何で許してる」 「卑怯っすよねぇ、一年生ってだけであれですよ。二年の今村喜三太と同じ出身地だからホームシックになって泣いては気を引いてるみたいっすよ」 「…あの、七松先輩？三之助？」 「四郎兵衛、金吾。後輩と仲良くやれているか？」 「……ぼ、ぼくあんまり…。あの……千梅先輩といつも一緒だし、…でも三年生になったからぼくは平気です…」 「金吾」 「…千梅せんぱい、ぼくより公彦のほうが好きで…！でも千梅せんぱいが悪いんじゃなくて、いつも公彦ぼくの邪魔するんです…。刀の筋見てくれるって言ったのに、公彦が迷子になって…それで…」 「……」 「…あのぉ…」 「滝、早々にあの一年生は教育し直したほうがいいんじゃないのか？」 「そ、そうですね！しかし七松先輩、公彦もよくやってるんですよ！弱音を吐くコースも頑張ってますし、そのときばかりは吾妻先輩に甘えていませんし…」 「…」 「七松先輩、あいつちょくちょく千梅先輩と一緒に寝てるらしいっすよ」 「潰すか」 「俺は賛成っす。四郎兵衛、金吾。そろそろ先輩としての威厳を見せてやろうぜ」 「……はいっ、ぼこぼこのぎたぎたにしてやります！」 「ぼくも！せっかくせんぱいになれたんだし、がんばります！」 「三之助、それ以上煽るんじゃない！四郎兵衛も可愛い顔して怖いことを言うな！金吾…お前は…まぁ…いいだろう。しかし七松先輩！」 「滝、これは鍛錬だ。私がいたころはよくやっていただろう？」 「（笑顔が眩しいと同時に寒気が…！あああでも公彦はまだ一年生だし、幼い…！しかし何でいきなりこんなことに…）」 「おい公彦、こっち来い」 「ぼくだけ無視するのよくないと思います。千梅せんぱいにいいつけてやる…」 「っ千梅せんぱいが、いつまでも公彦の味方でいると思うなよ！ぼ、ぼくだって千梅せんぱいに甘えたんだからな！」 「金吾せんぱいもう二年生じゃないですか」 「で、でも…まだ教えてもらいたいことはいっぱいで…」 「時友せんぱいも次屋せんぱいも甘える年じゃないでしょう。今まで一緒にいたんだから、いいじゃないですかっ。ぼくは千梅せんぱいが好きなんですっ」 「……公彦、お前吾妻先輩のことを好きだったのか！？」 「滝夜叉丸先輩ってほんと自分のこと以外興味ないんすね」 「私が一番美しいからな！」 「好きだとか嫌いとか関係ない。私が委員会の花形、体育委員というものを教えてやるから喜べ」 「いやです。ぼくは体育委員長、千梅せんぱいをしたってるので」 「三之助」 「ういーっす」 「金吾、四郎兵衛。帰ってきたら組手を教えてやれ。私と三之助でマラソンしてくるから」 「「わかりました！」」 「滝、吾妻に伝えたらどうなるか解るよな」 「………ええ、勿論ですとも。行ってらっしゃいませ。（すまん、公彦）」 「うわああん！千梅せんぱい、たすけてーっ！」 「七松せんぱーい。先に、叫べないように潰しましょうか」 「だな。三之助、お前もしっかりついてこいよ」 「ええ、頑張ります」 それから…。 「（挨拶は終わらせた。今日一日泊まってもいいって言われた…。………あいつにも一言言って…つーか怪我大丈夫かよ…！見た限りすっげぇ辛そうだったな…）」 「あ、えーっと……。篤彦さんでしたっけ？」 「うおあ！？」 「俺、七松先輩の後輩で吾妻の同室なんですけど…。あの、俺らの部屋の前で何してるんですか？」 「いや…あいつが……。その、あいつは大丈夫なのか？」 「はい、もう大丈夫です。ですが昼間のあれで痛めたようで…。そうだ、篤彦さん！あなたなら大丈夫だと思うし、七松先輩が来たら止められると思うので吾妻を任せてもいいですか？俺夕食行きたいんすけど、心配で…」 「それは構わねぇけど…。お前えーっと…」 「竹谷八左ヱ門です」 「竹谷な。竹谷は…吾妻のその…あれか？男か？」 「…俺が？あはは！ないない、俺あんな貧乳より巨乳のほうが好きなんで！じゃ、宜しくお願いします！」 「おう…。おう、任せろ！」 「ではっ」 「……よし…！」 「―――篤彦先輩…？どうして？」 「今日一日だけ泊まることになって、竹谷にお前を頼むって言われたんだ。…大丈夫か？」 「あいつ心配性だなぁ…。大丈夫ですよ。もうほぼ完治してますし。それに私、治癒力は高い方ですので」 「そうだけどよ…。お前…夏も来るんだろ？それまでには治るんだろうな」 「大丈夫ですって。それより篤彦先輩、公彦のお兄さんだったんですね」 「まぁな。あいつがここに入学したいと言ってた意味がようやく理解できた。つかお前風魔に来たことあるのかよ」 「お使いで…。そのときは与四郎先輩に案内してもらいました」 「あぁ、与四郎と一緒だったのか」 「それと篤彦先輩」 「な、なんだ？」 「いい加減私のこと「お前」って呼ぶの止めてもらえませんか？一応名前がありますので」 「名前…名前…っ。だって…！」 「（この人って純情だよなぁ…）別に下の名前で呼べなんて言ってません。皆私のことを名字で呼んでるので恥ずかしいこともありませんよ」 「そうじゃなくてだな！そうじゃねぇんだよ…」 「そうですか、ならお好きにどうぞ。名前ごときで目くじら立ててるわけでもないので」 「……吾妻、…さん」 「篤彦先輩は先輩じゃないですか、何でですか」 「笑うなよ…。風魔にはくノ一がいなかったら女には慣れてねぇんだ……」 「そうでしたか、それはすみません」 「…。おま…じゃなくて、吾妻はあれだな…。女っぽくなくていいな」 「色気はないと自覚があります」 「そうじゃねぇよ！あれだ…。話やすいし、強いし……嫁に「吾妻ー」 「七松先輩。お帰りなさい」 「小平太…、お前…」 「何で篤彦がここにいるんだ？」 「かくかくしかじかだ」 「…だからって吾妻の部屋に来なくてもいいだろ。吾妻、飯持ってきた」 「もうそんな時間でしたか…。食堂で食べて来たらよかったのに」 「それだとお前が寂しいだろ？」 「…あはは、何だか懐かしいですね。はい、ありがとうございます。篤彦先輩のも準備しますね」 「お前は怪我人だろう？篤彦はきちんと食堂に行くさ。な？」 「……おい小平太…お前まさか…。そうなのか…！？」 「見れば解るだろ？」 「……」 「篤彦先輩？」 「吾妻、お前は怪我人だろ、動くな」 「え、でも…。あの篤彦先輩が…。って七松先輩！何でそんなに汚れてるんですか！」 「久しぶりに委員会に出てな！楽しかったしスッキリした！」 「（可哀想に…ごめんね、皆…）」 「吾妻のバカ野郎！お前なんてもう実習に来るな！」 「え！？いきなり罵られても私喜ばない人種なんですけど！ってどこ行くんですか！？篤彦先輩！」 「食堂に行ったんだろ。いいから食え。折角のおばちゃんの飯が冷めるぞ？」 「ですが…」 「篤彦も思うところがあるんだ、放っておいてやるのも優しさだぞ」 「はぁ…。あの方って何を考えているのか解らないんですよねぇ…。うん、美味しい」 「うまいな」 （△ TOP ▽） |