夢/とある後輩の災難 | ナノ

その後の小話


先輩たちと。


「記憶が戻ったそうだな」
「はい、遅くなりました。すみません立花先輩」
「ともかくよかったな。お前がいないと少し変な感じがしてな…」
「潮江パパ…」
「パパじゃねぇよ…。やっぱり変わんねぇんだな」
「…吾妻。本当によかった……。小平太が寂しがっていた」
「中在家先輩は?」
「勿論、私たちも」
「これでようやく元に戻ったな!」
「うっす、食満先輩にもご迷惑おかけしました」
「ほんとだよー。このまま記憶が戻らなかったら僕特製の薬ぶっかけてたよ」
「テメェも昔と変わらないままで…。つか現代で毒薬とか作るな!」
「ふふっ…。昔に比べていい機械があるから……やりたい放題だね!」
「死ね!テメェだけは死ね!」


友人たちと。


「もー!何で千梅だけ記憶取り戻すの遅いの?俺もどんだけ突撃したかったか…」
「ありがと勘ちゃん。それとごめん!今日からは美味しいもの巡りしようぜ!」
「吾妻、よかった…。俺もちょっと寂しかった…」
「兵助くん…。やだ、イケメンにそんなこと言われるとテンションあがっちゃうわ…!」
「だ、だからって抱きついてこなくていいのだ…!」
「おいバカ。私たちを待たせた分、ちゃんと埋め合わせしてくれるんだろうな」
「勿論ですとも三郎くーん。とりあえず飯食いに行こっか!」
「バカ高いもん頼んでやるから覚悟しろ」
「ふふっ!あんなこと言ってるけど、結構寂しがってたんだよ。先輩から呼びだし食らったとき、何人かは三郎が追い払ってたし」
「ツンデレだからなー、三郎くんは。ありがとう、雷蔵。雷蔵もでしょ?」
「……バレた?」
「雷蔵も好戦的だから」


竹谷くんと。


「………」
「竹谷くーん?」
「っおっせぇんだよバカァアアアア!お前どんだけ待たせるんだよ!!」
「うっわきたな!ちょ、鼻水と涙を一緒に出すなっ」
「バカ野郎!待たせやがって…!」
「あー…うん、ごめん。あと苦しいから離れてくれ」
「離れろなんて言うんじゃねぇよぉお!」
「はぁ…。……あ、でも私を置いて死んだのは誰だ?」
「……格好いい最期だ「テメェのほうが大馬鹿者だ」


七松先輩と。


「記憶が戻れてよかったですが、これだけは言わせて下さい」
「……」(正座中)
「嘘つきましたね」
「…すまん」
「戻ってからの私の絶望、解りますか?」
「すみません…」
「はぁ…。最期はどのような感じで?」
「…屋敷が一気に攻め込まれ、抵抗したけど数に勝てなくてお頭が屋敷燃やした…。私はその中で死んだ」
「………バカですよね…。崖から逃げればいいものの…」
「逃げたら追ってくる。追われる生活なんてしたくないだろ?」
「(私のことを思ってか…)でも死んだら意味がありません」
「うっ…。と、ところでお前はどうしたんだ?」
「……」
「千梅?」
「………自害しました」
「え?」
「さて。私はこれから竹谷たちと遊ぶ約束しているので失礼しますね!また明日から宜しくお願いします」
「……千梅」
「…はい…(今さっきと逆転してる…)」
「また明日な?」(ニコッ)
「はい…」
「それと、三年の先輩について詳しく教えてくれ」
「ご、ご勘弁を…!」


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