友人は腐女子 !注意! モブな腐女子が出てきます。 色々なカップリング名が出てきますので、BLが苦手な方はご注意下さい。 主人公は一般人で偏見はないものの、苦手部類に入ります。 久しぶりに高校のときの友達に会いました。 「で、病気が進行したと……」 「会えない分妄想が広がっちゃってさ!大学の友達に喋ってたら、彼女たちもハマちゃって…。だからね、久しぶりに情報頂戴?」 偏見なんて持ってない。個人の趣味だから文句を言ったりもしない。 でもさ…、巻き込むのは止めてほしいんだよね…! 「今はどのカプが熱いの!?」 「知らないよ」 そう、彼女はオタクで腐女子だ。 二次元は元より、三次元も大好物と豪語するほどBLが好きだ。 その三次元の餌食となっているのが、私がよくつるんでいる竹谷たち。 高校のころは別になんとも思わなかった。そこまで深く聞いたこともなかったしね。 でも、今日初めてガッツリ聞いて、精神的に疲れてしまった…。 なんかもー…凄い。何がって言われると返答に困るほど凄い。 萌えを求めているときの彼女の目は兵士だ。ギラギラしてる。 「私としてはやっぱり王道の、文仙、長こへ、食満伊、犬猿は外せないんだけどー。友達に話したら、その逆でもよくない?って言われて妄想したら、結構いけちゃったの!」 「あーそう」 「特に今熱いのが、伊食満かなー。あ、でも私基本的に雑食だから!大学の友達はさ、固定派の子が多いのよ…。萌えはたくさんあるほうがいいと思わない?」 「知らないって」 「でもねでもね!マイナーカプにハマってる子もいるんだよ!えーっと、伊文とちょ食満と、こへ仙だっけ?マイナーすぎて逆にないよねぇ!」 「だから知らないって何度言えば解るの?」 「竹谷くんたちのことも話したら、そっちも盛りあがったの!ちょっと聞いてよー!」 「私の話も聞いてくれよ…!」 何が悲しくて奴らのイチャイチャしている姿を想像せんとならんのだ…。 つか、こんなこと先輩たちに話したらキレるぞ!特に七松先輩! 「先輩たちとの絡みを混ぜたらカプが無限に生まれてきて大変だよねぇ!因みに私は、七竹派です!」 「止めて!よく一緒にいるんだから想像しちゃう!できちゃう!」 「あと人気なのは、文鉢とー…鉢雷と、長雷とー……んー、尾浜くん総攻め?」 「聞いてよぉ…!あのね、彼らで妄想するなとは言わないが、私に言わないでくれ…!」 「だっていっつも一緒にいるじゃん。なにかネタないの?」 「ないよ!」 「一つ教えてくれるたびにここのご飯奢ってあげる」 「えっとですねぇ……」 ネタ提供ぐらいならいいだろう!すまんな! 「相変わらず仲良しなのが伊作先輩と食満先輩かな。何かあったらすぐ食満先輩に「びえーん、留さーん!」って助け求めてる」 「きゃーっ!相変わらずあそこは夫婦なのね!もうほんっと可愛い!でもあれでしょ、善法寺先輩が嫁に見えて実は食満先輩が嫁って言う!」 「いや、そこは知らん。夫婦と言えば、潮江先輩は相変わらず立花先輩に尻に敷かれてるね。よくパシられてる」 「違うよ!あれは立花先輩の照れ隠しなんだよ!立花先輩はツンデレもしくはクーデレなの!夜になるとめちゃくちゃ甘えるんだから!」 「想像したら怖くなったわ!」 「で、七松先輩と中在家先輩は?」 「お前ほんっと雑食だな。ガチムチだぞ、あの二人は」 「ガチムチだからこそおいしいの!で、どうなの!?」 「……中在家先輩の言うことだけは聞いてるね」 「飼い主とわんこ関係キタコレ!七松先輩可愛い!中在家先輩に忠実だなんて…これはもう愛よね、愛!でもその影で竹谷くんを殴ってたら萌えるくない!?」 「萌えないし理解できない」 「DVだよDV!ボコリ愛!それでも七松先輩を慕う竹谷くんもマジでわんこ気質だよねー!いやいや、勿論笹豆腐も好きだよ!」 「なに、笹豆腐って」 「竹谷くん×久々知くんのこと。ほら、竹と豆腐じゃん?」 「あー……どうでもよかったわ」 「そのボコボコになった竹谷くんを久々知くんが温かく包んで、癒してあげるんだよ。「そんな酷い先輩より、俺のほうが八左ヱ門のことを大事にするぞ…?」みたいな!?きゃーっ!」 「いや、兵助は本物の豆腐馬鹿だからさ…」 「ま、公式なのは鉢雷ぐらいよねー」 「(三郎はただ雷蔵が大事なだけなんだけどなー…。まぁそれが腐女子にはたまらんのんだろう。理解できんが)あ、そう言えばこの間、雷蔵が酔って三郎にキスしてたわ」 「なにそれ詳しく!」 「ちかっ!こわっ!」 「詳しく!詳しく教えて!」 「息荒いしメモ用紙どっから出した!マジで腐女子って怖ぇな!」 「いいから早く言えよ!それ本にするからよぉ!」 「キャラ変わってるよぉ!雷蔵が酔っぱらってキス魔になったんです!んで、近くに座っていた三郎さんにキスしたら三郎さん固まってました!」 「なにそれくっそ萌える!不破くんってキス魔だったの!?最高じゃん!最高の受けっ子じゃん!総受けきた?総受けきちゃったー!」 「んでその後、皆にキスしてました」 「不破くんマジ天使!で、皆の反応は!?」 「だから近いって!竹谷は真っ赤になってビックリしてた」 「ヘタレですね、解ります」 「兵助は無表情で「ありがとう」って言ってた」 「竹谷くん以外に興味なしですか、そうですか。ご馳走様です」 「勘右衛門はノリノリだったなぁ…。寧ろ勘右衛門も皆にしてた」 「さっすが総攻め!あーもうっ、私もその現場にいたかった!」 「ついでに私もされたなー」 「………」 最後の言葉に彼女はメモをしていた手を止め、俯いた。どうした? 「千梅は友達だよ、友達だからね…?」 「お、おう…」 「だが女はいらん!」 「え!?」 「女はいらないの!私はBLに萌えてるから女はいらん!邪魔!余計なこと言って萎えさせないでッ!」 「ご、ごめんなさい!」 「全く!で、先輩は!?先輩たちもいたんでしょ!?」 「い、いえ…。先輩たちはあとから合流「詳しく!」は、はいぃ!」 こえええええ!何で怒られたか解んないけど、目がすっごく怖かったので、最近あった出来事を全てお話した。 すぐに彼女は笑顔になって、ガリガリと真っ白だったメモ帳を文字で埋めていく…。 こ、怖い…。何がそんなに萌えるのか全く分からない…! 「ふう…、これで当分の間ネタに困らないわ…」 「た、楽しんで頂けてなによりです……」 「うんっ、千梅ありがとね!こんな素敵な萌えを提供してくれて!あー、やっぱりBLっていいわぁ」 「ま、また…本にするんですか…?」 「当たり前じゃん!大学の友達と一緒に作るんだっ。王道の鉢雷と食満伊と犬猿と笹豆腐は外さず、マイナーなものに手を出すつもり!できたら見せてあげるよ!」 「いらないよ!いらないからね!」 「まぁまぁ、私結構有名なんだよ?自分の言うのもあれだけどね…」 「うん、有名であってもいらないから!」 「あははっ、じゃあまたメールするね!はいこれ今回のご飯代」 「こんなに!?」 「萌えのためなら腐女子はいくらでもお金を出すわッ!じゃーねぇ!」 腐女子って怖い。初めてそう思いました。 貰ったお金分、ご飯を食べてマンションに帰ろうとすると、途中で遊び帰りの竹谷と出会ったのでゲーセンに行って遊びました。 うん、私やっぱり男子と遊ぶほうが好きだ。女子力低いって言われてもいい。好きなことしていたもん! それから二週間後。その友達からメールが届き、愕然とした。 → → → → → (△ TOP ▽) |