夢/とある後輩の災難 | ナノ

とあるマンションの一日


「いよーっし…、こうなったら腕相撲で勝負だァ!こいコラ童貞野郎!」
「言ったな貧乳娘!どっちが強いか解らせてやるぜ!」
「あはははは!二人とも元気だねー!見てるだけで楽しいよぉ!」
「おい皿どけろ!酒も後ろに置け!雷蔵、悪いが掛け声かけてくれるか!?」
「うん、任せてー!えっと……頭フラフラしちゃうね…、えへへ!」
「雷蔵可愛い!もうお姉さんが食べちゃいたいわ!」
「吾妻きめぇ!つかテメェ処女だろうが!何がお姉さんだバーカ!」
「処女と童貞じゃあ希少価値が違うんのだよ、坊や。いいからこいやボケェ!」
「ぎったんぎたんの、めっためたにしてやんよ!」
「いくよー、えーっと…レディ…、スタート!」
「ふんっ!」
「うっ…!さ、さすが八左ヱ門…、なかなかだね…」
「はぁ?俺全然余裕ですけど?お前は貧弱だな、千梅!」
「こっちは女だっつーの!……そう、私は女だ…!ハチ、ハチ!」
「何だよ」
「勝たせてくれたら私のおっぱい触らせてあげるけど、どう?」
「………ふっ…」
「あ、すみませーん。これもう四瓶お願いしまーす!」
「乳がねぇのに「触らせてあげるハート」じゃねぇよボケェエエエイ!大きくなってからお願いしますッ!」
「うわああああああ!童貞に負けた!童貞に負けたぁああああ!」
「童貞の力舐めるな!雷蔵、勝利の酒を!」
「はいハチ、どうぞ!コップは?」
「しゃらくせぇ、瓶ごといかせて頂きます!」
「いい飲みっぷりだねぇ!僕も瓶でいこー」
「ううっ、らいぞー…。敗者にもお酒を…!」
「んっ、どうぞ」
「いただきます!」
「でも僕、吾妻みたいに強い女の子、嫌いじゃないよ?頼りになるよね!」
「雷蔵さぁん…。もし私がお嫁にいけなかったら、雷蔵が私を貰ってくれる…?」
「勿論だよ。僕なんかでよかったらだけど」
「雷蔵がいいんですぅ!八左ヱ門なんか絶対やだああああ!」
「バカ野郎!俺は、…俺はお前が好きだぞ!」
「八左ヱ門…。お、お前って奴ァ…!好きだ、愛してるぞ虫野郎!」
「俺も愛してるぞバカ野郎!」
「あ、すみません、ありがとうございます。長次先輩、お酒貰いましたよー」
「すまない、雷蔵…。そこに置いておいてくれ」
「どうした長次、少しばかり勢いが落ちたんじゃないのか?」
「…それは小平太もだろう?明らかにペースが落ちている…」
「長次のペースに合わせてるだけだ!もっとドンドンに飲めるぞ!」
「私だって飲める…!」
「だが飲んでばかりだと飽きてくるな。そうだ!ちょーじ、飲み勝負じゃ決着つかないから、腕相撲しよう!」(脱ぎ出す)
「いいだろう、勝負だ…」(同じく脱ぎ出す)
「これで勝ったら……えーっと…、今度の飲みで奢るってのはどうだ?」
「ああ、問題ない…。雷蔵、悪いが掛け声を頼む」
「ちょっと千梅ー、君まで脱いだらダメだよ」
「いいのいいの、どうせ胸なんてないんだから、見られて困ることないし」
「千梅、こんなとこで脱ぐんじゃない!」
「す、すみません七松先輩!やっべ、一気に酔いが冷めた!」
「解ればいい!」
「いや、でも七松先輩は脱いでるじゃないですか…」
「男と女じゃ違う!それにお前は私の女だ!他の奴に見せるな!」
「あ、やば。やばいよ、八左ヱ門くん。今の台詞に私のハートは打ち抜かれたよ」
「七松先輩男前すぎだろ…。俺、七松先輩になら抱かれてもいい…!」
「私は男は抱かん!」
「「おっとこ前ぇえええ!」」
「雷蔵…」
「あ、すみません。ではいきますねー…」

「よ、よーし…。飲みじゃ勝負がつかねぇ…うえっ…!つ、つかねぇから俺らも腕相撲にしようぜ…」
「悔しいが賛成だ、留三郎…。が、その前にトイレ行かせろ…」
「お、俺も行く…」
「大丈夫、留さん。僕もついて行くよ」
「いや、いい…。お前が来たら絶対に転ぶ…!久々知、悪いがちょっと肩貸してくれ…」
「豆腐何丁で?」
「いくらでも買ってやらぁ!」
「喜んでこの肩、お貸ししましょう!」
「鉢屋、俺もいくらでも豆腐買ってやるから肩を貸してくれねぇか…?」
「いりませんよ豆腐なんて。こんなとこで吐かれても迷惑なので特別に貸してあげます。立てますか?」
「それぐらい立てる!ギンギンに鍛えてるからな!」
「そうですか。でもできれば大声は止めて頂けますか?私も少しばかり頭が痛いので」
「す、すまん…」

「よし、今日も勝てる!ちょーじに勝てる!」
「くっ……」
「長次先輩、頑張って下さい!負けないで下さい!」
「いけーっ、ちょーじ先輩!今日こそ暴君七松様を倒して下さい!」
「お願いしまっす、長次先輩!」
「千梅、竹谷。次は貴様らだ」
「「長次先輩!マジでお願いします!」」
「アハハハ!二人が必死になってる顔、おもしろーい!」
「なら……。千梅、アレを頼む…」
「アレっすか!?え、…このタイミングでですか!?」
「このタイミングだからこそだ…」
「なんだなんだ?秘策でもあるのか、長次。だが私は負けんぞ!」
「くそう…っ。だが、今の私は酔っぱらいだ…。いけるっ…!な、七松先輩」
「何だー?」
「す、好きですっ…!いつも恥ずかしくて口にできない自分が情けないですが、私は七松先輩のことを心の底から愛してますッ!」
「「きゃーっ!」」(八左ヱ門と雷蔵)
「え?」
「隙ありだ、小平太…ッ!」
「あ、しまっ―――あー…負けてしまった…」
「長次先輩、おめでとうございます!勝利のお酒です」
「ありがとう、雷蔵…。やはり勝ったあとのお酒はうまいな…」
「ですよねぇ!」
「むぅ、卑怯だぞ千梅!何でこのタイミングで言うんだ!」
「このタイミングだからです!酔っぱらってるんでちゃんとした判断もできませんし」
「お前酔ってないだろ。だが、もう一回言ったら許す」
「ハチー、七松先輩がご指名だってー」
「な、七松先輩…。俺、七松先輩のこと好きっす!いつも理不尽で傲慢で、人の飯を勝手に食う最低な先輩だけど、尊敬だけはしてます!」
「八左ヱ門、お前私をバカにしてるだろ。こいっ、腕相撲で倒してやる!」
「上等じゃねぇっすか!俺は貧乳にも勝った男っすよ?瞬殺してやんよ!」
「七松先輩、瞬殺してくれたら何でも言うこと聞きます」
「ほんとか?よし、じゃあ私も瞬殺してやる!」
「こいゴラァ!絶対に負けん!」
「タメ口とはいい度胸だな…。ちょーじ、掛け声頼む!」
「いいだろう……。よーい………………」
「ッらァ!よし、私の勝ちだ!」
「ええええええ!?今、「スタート」って言いましたか!?」
「言ったよな、長次」
「言った」
「聞こえなかったですよ!こんなの卑怯っす!もう一回!」
「おう、何度でも倒してやる!」
「でねー、そいつ偉そうなこと言うから私が相手してやったのよ。そしたら一発殴ったぐらいで倒れてからさぁ…。最近の男って弱いよねぇ」
「あはははは!千梅はほんとに強いねぇ!あはは!」

「ふむ、なかなか乱れてきたな」
「皆酔っぱらってますねぇ!おもしろーい!」
「尾浜、お前もか…」
「間違えて強いお酒飲んじゃいましたぁ!立花先輩、俺と勝負しましょうよぉ!」
「ふっ、断る。私は綺麗に飲みたい」
「えー…、もしかして弱いからですか?まぁ確かに弱そうですよね、立花先輩って」
「よかろう。そこまで言うならこの男仙蔵、受けて立ってやる。いいか、挑発に乗ったわけではないからな!」
「はいはーい。じゃあお酒頼みましょうかぁ」
「私に喧嘩売ったこと、後悔させてやるからな、尾浜。強い酒を頼め」
「了解でーす!」


まぁ……そんなこんなで全員による飲み会は朝方まで続き、案の定七松先輩、中在家先輩、伊作先輩、兵助を除く全員二日酔いとなって翌日の大学は仲良く欠席しましたとさ。
めでたくねぇ、めでたくねぇ!





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