は組の先輩ふたたび 「あ、千梅見つけた!」 「伊作先輩?どうされ―――おい、それ以上近づくな」 「酷い!何でそんなこと言うんだよ」 「両手に武器やら薬やらを持ってたら警戒すんだろ!止めろ!近づくな!」 「これは気にしないでいいよ。それよりちょっとお願いがあるんだけど、いいかな?」 「お断りします」 「ちょっと開かせて?」 「全ッ力でお断りします!」 「何で!?」 「何でお前のほうが驚いてんだよ!」 「だ、だってちょっと開くだけだよ?ちょっと開いて、ちょっと中見て、ちゃちゃっと閉じるだけなのに…。こんなすぐ断らなくてもいいじゃん…」 「なんなのあんた、アホなの?バカなの?だから武器と薬持ってんのか!ふざけんな!「はい、どーぞ。お好きになさってください」なんて絶対に言わないからな!」 「いいじゃん、ちょっとぐらい!」 「ちょっとってレベルじゃねぇよバーカ!アホのは組じゃなくて、バカのは組だなあんた!」 「いいから開かせろよ」 「出た。すぐこれだ!そんな声で脅したって絶対に嫌だからな!大体なんで私なんすか!同室のアヒル先輩でいいでしょ!?」 「だって千梅って健康体じゃん?生でお肉食べてもお腹壊さないし、ケガもすぐに治るし…。気になって気になって…」 「それは七松先輩と付き合っていくために身体がそう進化したわけで…。私は普通だよ、ちきしょう…!つか気になったからって「開く」という考えを止めろ!」 「えー……。もう、千梅って文句ばっかだよね。敬語も使わないしさ。僕先輩なんだよ?」 「文句じゃねぇよ!自己防衛だよ!敬語を使うような立派な人間になってみろよ!」 「ってなわけで、おしおきでーす!」 「ガスマスク?え、室町なのに?」 「だってこれ、落乱だよ?今更今更!えい」 「これ絶対睡眠ガスだろ!眠ってたまるかーっ!」 「ふふっ、逃がさないよ。もう一つ強力な睡眠薬があってー、うふふなことになるよー!」 「うぎゃあああ!止めろぉおおお!」 「おい伊作!お前何してんだよ!」 「留三郎!」 「アヒルゥ!」 「お前はあとで殴るから覚えてろ。伊作、後輩を虐めんじゃねぇよ」 「だって留さん…。千梅がどんな身体してるか気になるんだもん…。あんなにご飯食べてるのに貧乳なのも」 「うっせぇ!大きなお世話だ!」 「だとしても危ないから止めろ」 「食満先輩…。私食満先輩を誤解してました。本当に頼りになる先輩なんすねっ…!あと、六年の中で一番の常識人!中在家は常識人に見えて思考回路は七松先輩と一緒ですからね!」 「ちぇー…、留さんに止められたらしょうがない。千梅、今回は留さんに助かったね!でも僕諦めないから!」 「そこは素直に諦めろよッ!」 (△ TOP ▽) |