夢/とある後輩の災難 | ナノ

上のおまけ


「それでも、二人だけでお話してるのは寂しいです。私も混ざりたい」
「だがな、千梅。男同士にしか解らないこともあるのだ」
「わ、私だって何年も竹谷たちといたから気持ち解ります!」
「そういうことじゃない。それより小太郎から聞いたぞ」
「何をですか?」
「千梅、お前町の男に色目を使っているらしいな」
「使ってませんけど?嫌われないためにも営業スマイルは使ってます。好かれるのも大事お付き合いですし。それに、何かあったとき助けてもらったり、怪しまれないためにも必要なことです」
「町の人間からも聞いてきた。千梅はどうやら未亡人らしい」
「え?」
「若くして旦那を亡くしたにも関わらず、一人で子供を立派に育てている、と」
「…まぁ、小平太さんと一緒に町に行くことありませんからね。家にも滅多に帰ってこないし…。……あの、笑顔怖いっす」
「それなのに笑顔で楽しく笑っている千梅は魅力的に見えるらしい」
「だ、だから色々サービスしてくれるんすね…。謎が解けましたわー…」
「それを、町の子供たちが悪いように言っていたのを、小太郎が殴ったらしい。さすが私の息子だ」
「小さいのにご立派です」
「さて、千梅。お前はどうしてやろうかな」
「そうですね、私としてはもう寝たいです。ほら、小太郎もあんなに気持ちよさそうに寝てますよ」
「気持ちよく寝たいなら、寝かせてやろう。気持ち良すぎて気を失うかもしれんが、そこは許してくれ。ついでに番犬をもう一人増やしておくか」
「七松先輩!」
「もう何も聞こえんわ」


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