夢/コネタ | ナノ

▽ 似ている子の話

「おーい、七松ー」
「ん?ああ、なんだお前か。なんの用だ?」
「今からAV見るんだけど、お前も一緒に見るか?抗議ないんだろ?」
「おー…。そうだな、暇潰しには丁度いいな」
「暇潰しかよ。そうだよな、お前彼女いるもんなー。つかいるのに見るのか?怒られねぇ?」
「え、何で?」
「…いや、怒られないならいいけどよ」

「何で七松まで来てんだよー!お前見なくても彼女いるだろー!」
「暇潰しだ!」
「ということだ。いいだろ、皆で見るほうが興奮するし」
「いいけどよー…。なんか釈然としねぇ。で、俺の頼んでたやつ持ってきてくれたのか?」
「強姦ものだろ。強姦ものは俺があまり得意じゃねぇから、初めてのものにしてみた」
「はぁああ!?強姦もん持って来いよ!初めてとか言いながら血が出ねぇのなんて、俺は許さない!」
「出た、処女厨…。AVに出てる女が処女なもんか。いいから黙って見ろ!」
「…。なぁなぁ、AVなんてどれもワンパターンだろ?そんなに溜まってるならヤればいいじゃないか」
「うるせぇ七松!頑張っても彼女ができねぇんだよ!」
「お前の理想が高いんだよ!いいからもう黙れ!」

「大体、女の子がノリノリにエッチするのって好きじゃねぇんだよ…。俺相手ならいいけど…」
「お前矛盾してんだよバカ。始まったんだから黙ってろ」
「……」
「…あ、でもこの子はちょっといいな。演技なのは解ってるけど、それなりに抵抗してる」
「細かいとこまで見すぎ。………つかこの子、誰かに似てるような…」
「え?うちの大学にAVデビューしてる子がいるってか!?なにそれすっげぇ興奮する!」
「だからうるさい。なぁ七松、誰かに似てないか?」
「……」
「ダメだ集中してやがる」
「彼女がいるのに集中して見る奴がいるかよ…。くっそ羨ましい…」
「解った。この子、七松の彼女に似てねぇか?」
「まじか!えっと、七松の彼女って一つ下だよな?同じ学部の……あ、そうだ!そいつに似てる!」
「うっわー…。そう思うとちょっと興奮すんな。七松ー、彼女寝取られてんぞー」
「略奪とかいいな!俺やっぱりそっちのほうが好きだわー!」
「…」
「おい七松、聞いてる?」
「七松ー?」
「ダメだ、真剣に見てやがる」
「普通彼氏なら消すくない?まぁ俺は興奮するし楽しいからいいけど。今晩のネタにしよー」
「お前は少しぐらい自重しろ」

「なかなかよかったな!」
「あんだけ文句言っときながら結局楽しんでんじゃねぇか…」
「いや、イくとき声出さないってのがよくてさぁ。もう少し無理やり要素があってもよかったけど、七松の彼女だと思ったら楽しかったからよし!」
「それは確かに。………おい七松、何してんだ」
「これ貰うぞ」
「いやいやいや!お前なに言ってんの?それ俺の友達から借りたもんだから!」
「楽しかっただろう?ならもういいじゃないか」
「バカか!返さないといけないものだっつーの!」
「あ?」
「「……」」
「じゃあな!DVDありがとう!」
「……七松の奴、怒ってないと思ってたら怒ってたな…」
「いや、怒ってねぇよ。あのDVDどうすんだか…。それより友達にどう謝ろう…」

「昼前の食堂は静かでいいな、竹谷」
「おう。誰にも邪魔されることなく食えるからな」
「七松先輩も今授業中だし!いっただき「おい」ますができなかった、何でしょうか七松先輩!」
「竹谷も一緒にAV見ないか?」
「今食事中ですよぉ…!見れるわけがないじゃないですか…なぁ竹谷?」
「新作ですか?頂きます」
「死ねよお前…。七松先輩、私は結構ですのでお二人で仲良くどうぞ」
「来るよな?」
「行きます。(殺気飛ばすの卑怯だ!)」

「七松先輩が誘うから凄いものかと思えばそうでもないっすね」
「七松先輩、私お腹空きましたー」
「あのな、これお前に似てるらしい」
「……」
「あー…確かにこいつに似てますね。だから楽しくなかったのか!胸はこの子のほうが大きいけど」
「見てくんじゃねぇよ童貞が…」
「俺はもう童貞くんじゃありません!ざーんねん!」
「死ね!似てませんよ。変なこと言わないでください」
「似てると思うぞ?」
「………それ言いたいがためにわざわざ誘ったんですか?趣味が悪いっすね」
「いや、どんな反応がするのかと思って」
「それが趣味悪いって言ってんす。食堂に戻ります」
「なんだ。もっと恥ずかしがるかと思ったのに…。面白い反応せんなぁ…」
「ふっ…。高校の時から内緒で見ていたこの私が今更AVごときで照れると思いますか?甘いっす!砂糖水にシロップを混ぜるほど甘いっす!それよりお腹空いたんで戻ります。では」
「……。七松先輩、ああは言ってますけどあれ絶対に焦ってますよ」
「知ってる。解りやすいな、あいつは。面白い」
「ところで七松先輩。これどこで見つけたんですか?」
「友達から貰った」
「(奪ったんだろうな。可哀想に)」

「(まじありえないっ…!似てねぇし、全然私に似てねぇし!あんなもん見せるなよくそ!どんだけドSだ!あの人どんどんアブノーマルになっていく気がしてならない……はぁ…)」