▽ SS企画 その24 六年生が一年生のとき、彼らにも尊敬すべき(?)先輩たちがいました。 そんな先輩たちと、一年生な六年生のお話。 会計委員長:安達西織(あだち にしおり) 「安達せんぱい、委員会のお時間です」 「あ?あー…そう。じゃあ始めて」 「今日こそ安達せんぱいに帳簿を見てもらいたいです!」 「なんで私が。そういうのは五年生の子に回してください。というか、今忙しいから邪魔すんな」 「いそがしいって……。わたしにはねているようにしか見えませんっ」 「解ってるじゃん。寝てんだよ。あー…だる」 「そ、そんなのだと次の予算会議、お金とられますよ!?」 「お金が欲しいっていうんだからあげれば?私たちが持ってるより友好的に彼らも使うだろうよ」 「そのせいで、用具委員会が変なもの作ってるって苦情がきてるのに…」 「何で会計に苦情が?苦情なら用具にまわせ。私寝たいし働きたくないし動きたくなし、何より喋りたくないんだからあっち行け」 「……わたしは…オレは安達せんぱいから色々おしえてもらいたいのに…」 「人選ミス。五年に聞け。以上」 無気力すぎる。何もしたくないので、委員会には滅多に出ない。なので五年生が頑張っている。 珍しく委員会に出たと思ったら寝転んで彼らを見てるだけで、何もしない。確認もしない。 予算は欲しいだけあげてるマジでダメ委員長。 それを見て文次郎が厳しくなったらいいねってことです。 作法委員長:大久保御剣丸(おおくぼ みつるぎまる) 「いいかテメェら。自分がこの世で一番格好よくて、男前だと思え。自分に自信を持て!テメェらは作法委員会に入った時点でイケメンだ!」 「大久保せんぱい、わたしはどちらかと言うと「イケメン」ではなく「うつくしい」と思うのです」 「自分のことよく解ってんじゃねぇか仙蔵ぉ!テメェは美しい!もっと自信もって言っていいぜぇ!」 「はいっ、わたしはうつくしいです!」 「いい声じゃねぇか!が、俺はイケメンだ!男前であり、イケメン…。この両方を兼ね揃えた俺はもう最強としか言えねぇ…。頭脳明晰で後輩の面倒見もいいしな!テメェら、もっと俺を敬え!」 「大久保せんぱいはいつもそんなことを言われておりますが、なぜ嫌われないのでしょうか?」 「仙蔵ぉ…テメェ、聞きにくいことをズケズケと…。ふっ、俺の後輩すげぇな!いいぞ、お前のそういうとこはもっと伸ばしていくべきだ!いいか、仙蔵。俺は誰がなんと言おうとイケメンだ!お前もそう思うだろう?」 「はい、とても整った顔をしてるとおもいます」 「そうだ。実技座学ともに優秀だし、赤点なんてとったことねぇ!何故なら、格好よくねぇからだ!解るか?」 「わかります。赤点はかっこわるいです!」 「だろう?俺はイケメン。ならば、この顔に合わせたものが俺には必要だ。そのための努力は惜しまねぇんだよ!故に、俺は全て優秀!優秀イコール格好いい!」 「……すこしズレてる気がしますが、わかりました」 「最後に。自分を好きだと言ってくれる友達は、例え自分が忍びであろうが大事にしろ。唯一無二の友人を作れ。そしてその友に命をかけろ。友のために命を捨てることができたら、「完成」だ。生き恥を晒すな。晒すならテメェがよしとした生き様を晒せ。いいな?」 やかましい。確かにイケメン顔でどれをやらせても優秀なのだが、やかましい。自分自慢がすっげぇうるさい。 だが、己の信念があるので筋が通ってる。(以上の文章は若干の乱れがあります。管理人の文才不足です。筋が通ってるキャラだと思ってください) 図書委員長:八本松三郎兵衛(はちほんまつ さぶろべえ) 「おい長次。その本はそこじゃないと何度言えば解る。貴様は阿呆なのか?」 「す…すみません…」 「「すみません」ではなく、「申し訳御座いません」もしくは「申し訳ありません」と使え」 「え……」 「すみません、と、申し訳ありませんにもきちんと意味がある。図書委員会に所属してんなら使い分けぐらいしろ。それぐらいも解んねぇのに図書委員会に入ったのかよ…。何が本好きだ」 「…す、……もうしわけありません…」 「意味も解ってねぇのに使うんじゃねぇよカス。そこの棚の上から二段目にある作法の本を見て勉強しろ。台をきちんと持ってこいよ。俺の目の前で怪我されても面倒だからな」 「はい…」 「あとそこの五年、笑ってんじゃねぇよ。恭平(火薬委員長)とこに連れてって「こいつ、お前と戦って血が見たいらしいぜ」って言ってやろうか、あ?」 「申し訳ありません…。あ、あとこれ黒瀬先輩(学級委員会委員長)から返却された本です。大久保先輩に渡せって…」 「あん?……「今度みっちー(作法委員長)とお揃いのミサンガ作ってよー!」…っざけんなよクソ野郎が…!ワシがおんどれと大久保のことが嫌いじゃって何度も言っとるやろうが…!わざとかアアッ!?しばくぞクソガキ!」 「八本松先輩落ち着いて下さい!長次が震えてます!」 「そのまま気絶しろや!しばく!あとの委員会は任せるが、少しでも問題起こしたらワレもしばくさかい、覚悟しとけよ、ア?」 「はい!」 一年生相手にも口がクソ悪い。同情するレベル。 だけど微かに優しさを見せている。それに気づくまでに時間がかかる。 後輩が嫌いじゃない。容姿のせいで口も態度も性格も悪くなってしまったのが原因。 長次はそれに気づくのにそれなりに時間がかかり、今も少し苦手。声大きいし。 体育委員長:藤堂龍之介(とうどう りゅうのすけ)※一応夢主 「今日もいい天気だ。こんな日は皆でピクニックに行きたいんだけど、学園と裏山の見回りを兼ねたマラソンは欠かせないから頑張ろうね」 「とーどーせんぱいっ。わたし、裏裏裏山までいきたいです!」 「小平太は今日も元気だ。うん、いいことだぞ。だけど、規則はきちんと守ろうな。委員会が終わったあとも体力が残っているようなら僕が付き合ってあげる」 「ぜったいですよ!男どーしの、やくそくです!」 「勿論だとも。僕は約束を違えるのは嫌いだからね。さ、いつも通り一列になってくれ」 「はいはいはい!わたし、先頭がいいです!」 「小平太が先頭だと暴走するからダメです。と言いたいけど、きちんと手をあげて発言をしたので許可しましょう。いいかい小平太。ただ突っ走るだけじゃなく後ろにいる者のこともちゃんと考えて走ってくれ」 「わかりましたー!」 「皆、小平太に頑張ってついて行こうな。もし疲れたりしたら早めに僕に言ってほしい。無理は絶対にしないこと。解った?」 「とーどーせんぱい、はやくはやく!」 「小平太、その場でスクワットと腕立てと腹筋を五十回しててくれるかい?」 「わかった!」 「水分もきちんと持ったかい?今日は日差しが強いから絶対に必要だ。準備運動はちゃんとしたから大丈夫だと思うが、身体に痛みを感じたら声をかけてくれ。小平太、やっぱりスクワット百回」 「おう!」 「そうそう。今日の主な活動は、裏山に仕掛けられた罠の撤去だから、油断しちゃダメだよ。罠を見つけたら先に僕が手本を見せたあと、皆で撤去しよう。小平太、そろそろ行くよ。まだかい?」 「おわりました!よし、いけいけ……」 「どんどーん」 「せんぱいずるい!わたしのセリフとった!」 真面目で優しく、彼を嫌う人はいない。 暴れん坊な小平太の扱いも上手で、体力が無限にある彼に付き合ってあげることもできる。 委員会のお母さんとも呼ばれている。 用具委員長:逢坂八重左ヱ門(おうさか やえざえもん) 「……」(黙々と修繕中) 「……。あの…逢坂、せんぱい…?」 「…」(振り向きもしねぇ) 「おう、さか……せんぱい…」 「…」(反応すらしねぇ) 「…(ぐすん)」 「留三郎、泣くぐらいなら毎回話しかけんなよ。逢坂先輩は人間嫌いだって何度も言っただろ」 「でもっ…!だって………おれ、逢坂せんぱいの声、きいたことないです…」 「そりゃ俺らもだよ」 「五年生のせんぱいなのにですか!?」 「人間嫌いで無機物が大好きな逢坂先輩だからな」 「…」 「人と話したくないから紙に文字を書いて会話するけど、筆が文字を書きたいと言ってるらしいぜ。無機物が大好きな逢坂先輩らしいぜ」 「…なんで、むきぶつが好きなんですか?」 「さぁ?でも物を作っている逢坂先輩の顔、嬉しそうだろ?」 「(……その顔をおれたちにも向けてくれたらいいのに…)」 一切関わりを持たなかったと言っても過言ではない。 委員長は無機物が大好きすぎて、結構頭やばい。日常生活も無機物がメイン。 留三郎は六人の中で一番可哀想な一年間を送った。 それを反面教師にして後輩を可愛がることに。(文次郎と同じような展開) 保健委員長:御手洗清彦(みたらい きよひこ) 「ダメだよ伊作!血なんて触ったら!」 「で、でも清彦せんぱい…。じゃないとちりょうできませんよ?」 「私が作った手袋使いなさい!血なんて不潔だよ不潔!あああもうお前も、怪我なんかするな!私、血大嫌いなんだから!」 「清彦せんぱい……血がキライなのに何で保健委員長になったんですか?」 「そんなの決まってるじゃないか!汚れたものを見たくないからだよ!大嫌いだけど、さっさと治療してやったら清潔だろう!?私が見た今までの保健委員長は皆大雑把でね……学園中に血の匂いが漂って……うえっ、気持ち悪くなってきた…。あ、君、治療終わったからさっさと帰って。完治するまでもう近づくなよ」 「……なんか、ぼくが想像していたとはちがうけど、治したいってきもちはあるんですね!」 「ん?あぁ、理由は違うけど、私はそういう理由で保健委員長をしている。伊作はどうして保健委員に?」 「ほんとうはイヤだったんです…。でもきまってしまったから仕方なく…。ぼく、昔から不運なんです」 「それは災難だね…。私も選択肢になると大体外れる不運野郎だが、…なんだか伊作には負けるよ」 「不運で勝ってもうれしくないですよー!」 「でもそのおかげで強い精神を手に入れた。きっと伊作も強くなるぞ!」 「っほんとですか?が、がんばりますっ!」 「すみません、さっきの実習で木から落ちました」 「ふざけんなテメェ!汚ねぇから水で洗って保健室にこい!泥も落とせよ!保健室を…私を汚すな!」 「清彦せんぱい…」 潔癖症なくせに保健委員長になったのは、怪我をしても放置してる仲間たちを見たくないから。 ようは自分のため。 因みに、選択肢は必ずといっていいほど間違えるプチ不運野郎。 生物委員長:谷崎芥(たにざき あくた) 「弱肉強食!弱ぇ奴は委員会にいる犬にすら食われるから頑張って生きろ!」 「(なんでにんげんも飼育してんだ?)」 毎日が生きるか死ぬか。 獣主は懐く。 学級委員長:黒瀬将臣(くろせ まさおみ) 火薬委員長:梶恭平(かじ きょうへい) 「いやー、どこの委員会も楽しそうでいいねぇ。俺らもいたんだけど、今はもう残ってねぇからな」 「将臣、それは言ったらダメだよ。それにしても、皆おいしそうに育ちそうだね。戦いたいなぁ…」 「ハハハ!恭平はそればっかりだよなー。因みにどの子が好み?」 「文次郎くん、小平太くんあたりはきっとおいしく育つよ。あぁ…文次郎くんのあの真面目な表情が歪むのを想像したらうずうずしちゃう。小平太くんの楽しそうな顔を見たら、きっと僕も笑う自信がある。ふふ……ふふふ…!」 「恭平は一人でも楽しそうだなー!ちょっとは周りの目を気を付けたほうがいいぜ?一歩間違えれば「おまわりさーん」だ」 「ふふふ、それはそれで楽しそうだね。文次郎くんが呼ぶのかな?警察を呼びながらも僕を警戒するんだろう?警戒する文次郎くんの目もたまらないよ」 「きょーへー、お前ほんとーにその性癖どうにかしろよ」 「性癖じゃなくて、戦闘狂って言ってくれるかい?」 「相手が一年生だからついつい」 「ついとは失礼だなぁ。じゃあ君たち相手だったら許されるかい?」 「俺は男の子であろうが女の子であろうが大歓迎だけど?」 「君はもう少し慎みを持った方がいいよ」 「恭平に突っ込みを入れられると辛いなぁ」 |