▽ SS企画 その19 後輩主と上級生の腕相撲大会が見たいです! 後輩「……私VS上級生ってこと?」 雷蔵「いや、違うと「あぁ」 後輩「嫌だ!何で私が皆と戦わないといけないんだよ!」 三郎「しかし要望だしな。鍛錬だと思えばいいだろう?」 尾浜「俺、四年生と六年生連れて来るね!」 兵助「…三郎、違うだろう?これ、トーナメント戦でしろってことじゃないのか?」 三郎「兵助は戦いたいか?」 兵助「……」 三郎「それに、あいつだったら先輩方も手加減してくれる」 兵助「どうだろうか…」 VS四年生! 三郎「司会は私、鉢屋三郎です。では文字数の問題もありますのでサクッといきましょうか。一人目は斉藤タカ丸さんです」 斉藤「ぼ、僕が一番なの!?」 三郎「ほらさっさと手握って。おい、四年に負けるなよ?」 後輩「こちらと女だボケェ!」 三郎「はっ!レディ…ファイ!」 (ダンッ!) 三郎「西の勝利ー(後輩主側)」 斉藤「つ、強いよぉ!手の甲痛い…」 後輩「タカ丸さん…もうちょっと鍛えましょう?」 斉藤「今委員会で鍛えてる最中だよ…」 三郎「続きまして、四年の武器オタクこと田村三木ヱ門くーん」 後輩「三木か…油断できないね」 田村「僕も負けるわけにはいきません…。ユリコに情けない姿など見せられない!さぁ、どこからでもかかってきてください!」 三郎「レディ…ファイ!」 後輩「ぐっ…!」 田村「ちょ、先輩!女性の力じゃないですよ、これ!私こう見えて委員会でもユリコの散歩でも鍛えてるんですよ!?」 後輩「こっちも七松先輩に鍛えられてんだい!見ろっ、さっきから凝視してらっしゃる!」 田村「それは私もです!潮江先輩の前で負けたらあとから……ああああそんなの嫌だぁああ!」 後輩「あああ!負けたぁあ!」 潮江「いやすまんな、小平太。うちの後輩のほうが強かったみたいだ」 七松「今日の鍛錬、倍にするか…」 後輩「滝、負けろ。頼むから負けてくれ」 滝「先輩こそ負けて下さい」 後輩「私はもう負けられない!」 三郎「ファイ!」 後輩「あっ、輪子ちゃんが三木に誘拐された!」 滝「なにぃ!?三木ヱ門貴様!とうとう私の輪子にまえ手を出したか!いや、その気持ちは解るぞ!輪子はユリコより「らっしゃぁああい!」ああああ!」 三郎「西の勝ちー」 七松「滝ー、放課後みっちり鍛錬しようなー」 滝「(真っ青)」 三郎「四年最後は綾部喜八郎くんでーす」 綾部「勝つぞー」 後輩「え……?何で今日に限ってちょっとやる気出してんの?」 綾部「先輩に勝ったら明日の委員会穴掘っていいって」 後輩「マジっすか!喜八郎には勝てないよ!」 三郎「勝てよ、情けない。レディ…ファイ!」 綾部「とー」 後輩「掛け声とは裏腹にもの凄い力!手の甲いてぇ!」 三郎「VS四年では、二勝二敗でしたねー。じゃ、次行くか」 VS五年生! 三郎「続きましてVS五年です。さ、いきましょう」 後輩「休憩入れさせろよ!」 三郎「一番、兵助ー」 後輩「おお、兵助か…。兵助なら勝てるかな…」 兵助「宜しく頼む」 三郎「無駄な力抜けよー。レディ…ファイ!」 (ダンッ) 後輩「いっ…ったぁ!な、何で!?」 兵助「火薬委員では重たいものを持つし、火縄銃も扱っているから腕の筋肉はちゃんとつけている。というか、自分の身体を支えるぐらいの筋肉はつけてるさ」 後輩「さすが優等生…。ちょっと格好よく見えた!」 尾浜「はいはい!今度は俺ね!どんどんきてよー!」 三郎「勘右衛門、あまり遊ぶなよ。あとがつっかえているからな」 尾浜「ちょっとぐらいは許してね?」 後輩「勝敗明らかじゃねぇかちきしょう!もう来いよオラァ!」 三郎「レディ、ファイ」 後輩「ふぬぬ…!ぐう……っ勘右衛門!人で遊ぶな!」 尾浜「だって頑張る姿が可愛いだもーん!必死になっちゃってまー…」 後輩「小馬鹿にもするな!」 尾浜「じゃあ終わらせよっか!」 後輩「ぐー……解ってたけど負けるのムカつく…」 尾浜「俺は楽しかったよ!はい、次は誰?」 雷蔵「あ、僕。お手柔らかにお願いします」 後輩「雷蔵か…。宜しくお願いします」 三郎「雷蔵、力を抜けよ。いいか、絶対だぞ?」 後輩「何それ怖い!三郎、始めるのちょ「レディ、ファイ!」―――ったぁ!痛いよ雷蔵!」 雷蔵「ご、ごめんね!君が強いの知ってるから僕も本気出しちゃって…!」 後輩「腕もだけど、笑顔で倒すの怖かった!さすが雷蔵様!」 三郎「だから言ったのに…。さ、次は私とだ。雷蔵、レフェリーを頼む」 雷蔵「うん、解った!」 三郎「左手でしてやろうか?」 後輩「負けるの解ってるけど、ムカつくな。結構です」 三郎「でもそろそろ勝たないと七松先輩に怒られるぞ」 後輩「手加減してくれ」 三郎「よせ。そしたら私が怒られる」 雷蔵「準備はいい?よーい、開始ッ」 (ダンッ) 後輩「くっそー!細いくせに!細いくせに!」 三郎「兵助同様、私もきちんと鍛えている。さ、五年最後は…」 竹谷「俺だーっ!おい、両手使っていいぞ?」 後輩「きぃ、ムカつく!もういいや、両手でやってやらぁ!」 竹谷「それでも俺に勝てるかな?三郎、頼む」 三郎「あまり怒らせるなよ。そろそろ泣くぞ」 竹谷「これが勝負の世界だ!」 三郎「私は警告したからな。レディ……ファイ!」 後輩「ふぬぬぬ!…ふおおおおお!この野郎っ、ギリギリのところで耐えやがって!」 竹谷「ほらどうした。両手ってハンデやってんのにこの程度かよ!」 後輩「うるさいバカァ!お前マジで覚えてろよな!」 竹谷「いい声で泣きよる泣きよる!死ねェ!」 後輩「いたぁああああ!ああああもうクソ左ヱ門死ねちきしょう!」 竹谷「なんとでも言うがいいさ!これが男の勝負だ!」 後輩「こっちは女だよ!」 VS六年生! 後輩「すみません、腕が痛いので棄権します」 仙蔵「それはダメだ。鉢屋、さっさと声をかけろ」 後輩「嫌だー!もう痛いの解ってるもん!」 仙蔵「相手は私だ。痛くないかもしれないし、勝てるかもしれないぞ?」 後輩「……」 三郎「レディ、ファイ」 (ダンッ) 後輩「ぐおお…!いてぇじゃねぇかクソ野郎が…っ」 仙蔵「ん?どうした?聞こえんなぁ?」 後輩「ありがとうございました!オラ次来い次ぃ!見事な負けっぷり見せてやらぁ!」 潮江「おい……痛いならもう止めておけ?」 後輩「大丈夫だって言ってるじゃないですか!こい潮江、こらぁ!」 潮江「(テンションおかしくなってないか?)」 三郎「潮江先輩、遠慮がちに手を握らないでください。しっかり握って」 潮江「あ、す…すまん…」 後輩「がるる!」 三郎「レディ…ファイ!」 後輩「一方的に負けてたまるかーっ!せめて衝撃を和らげるために私は抵抗するぞー!」 潮江「……」 (こてん) 三郎「……西の勝ち?」 後輩「え…?」 潮江「いや…なんか勢いに負けてな…。力では確かに俺のほうが強いが、気迫には負けてしまった…」 後輩「潮江先輩ぃいい!あんたほんとにいい先輩だぁ!大好きっす!絶対に素敵な旦那様になると思います!」 潮江「バ、バカたれ!抱きついてくるな!」 伊作「わー、気持ち悪いねー。ほら次は僕だよ。瞬殺してあげるからおいで」 後輩「鉢屋さん、この人手に薬仕込んでるんですけどー。あれ絶対私の手を溶かすとかなんかだよ」 三郎「善法寺先輩、薬は禁止です」 伊作「じゃあ武器は?」 三郎「ダメです。普通の腕相撲をしてください」 伊作「まぁいいや。力の入れ具合で簡単に折れるようにしてやる」 後輩「何でそこまで殺る気満々なんだよ!」 伊作「お前昨日僕のご飯横取りしただろ!食べ物の恨みは怖いんだぞ!」 後輩「テメェがさっさと食わないのがいけねぇんだよ!おら来い!」 伊作「絶対に許さない!鉢屋!」 三郎「(なんてくだらない…)はいはい、レディ…ファイ」 伊作「死ね!」 後輩「生きる!」 伊作「わっ!――った!ぎゃッ!」 (肘が滑って、額を打って、滑った) 後輩「ざまぁ!三郎!」 三郎「さすが不運大魔王…。西の勝ちー」 後輩「よーし…。あとは中在家先輩と食満先輩と七松先輩か……ぐすん…」 三郎「次は誰ですか?ラスボスいきます?」 七松「私最後ー」 後輩「(死んだな)」 食満「俺がいこう。伊作の仇は俺がとってやる」 伊作「留三郎ー!あいつ、ぎったんぎたんの、めっためたにしてやって!」 食満「伊作、これは腕相撲だからそれはできないし、やるなら自分でしろよ…。よし、こい。正々堂々と勝負しようじゃねぇか」 後輩「わぁ、さすが普通の人!言うことも普通!」 食満「お前の手を握り潰すことは簡単だぜ?」 後輩「すみません。三郎」 三郎「はいはい。それでは…レディ、ファイ!」 後輩「因みに食満先輩」 食満「勝負中に話しかけるなんて余裕じゃねぇか。どうした」 後輩「これに勝たせてくれたら私、伊作先輩の薬で小さくなって「お兄ちゃんのお嫁さんになる」って言ってあげてもいいですよ」 食満「宜しくお願いします」(自主的に負ける) 後輩「っしゃぁ!」 三郎「それ…勝ったと言えるのか?」 後輩「戦略的と言ってくれ」 食満「俺、ちゃんと服作って用意してるからな!どんなのがいいかリクエストしてくれてもいいぞ!?」 後輩「それはあとからで…。まずはラスボスとラスボスに勝てるかどうかですよ…。生きて帰れるか…っ」 長次「私が行こう…。さぁ…来い」 後輩「なにこのオーラ…っ。超怖いんですけど…!背後に稲妻イレブン的な化身が見えるんだけど気のせいですか?私、稲妻イレブン知らないし、この時代にないんですけどね」 長次「早く」(わくわく) 後輩「後輩相手に…つか女相手にワクワクしてんじゃねぇよ!こ、この老け顔!」 長次「(ガーン)」 後輩「ううっ…心苦しいが、私の腕のためだ…。あとからちゃんと詫びます、すみません」 三郎「これも戦略か?…効果的だがちゃんとフォローしとけよ?西の不戦勝」 後輩「とうとうきたか…」 七松「長次に勝つとはなかなかだな…。だが、私は負けん!」 後輩「やばい、机がもうみしみし言ってる…。死んだ」 伊作「死んでしまえ」 後輩「やかましい黙ってろ不運野郎」 伊作「小平太ー!こいつ天狗になってるみたいだからへし折ってやってよ!」 七松「おおっ、ほんとか伊作。それはいかんな…ちゃんと躾し直さないと…。来い」 後輩「(伊作あの野郎!マジで覚えてろ!竹谷と同じぐらい覚えてろ!)な、七松先輩…。私、手首が折れそうで嫌で「早くしろ(有無を言わさず)」ぐぅ…!三郎様、知恵を下さい」 三郎「死んでこい」 後輩「勘右衛門!」 尾浜「もー…しょうがないなぁ。じゃあこれはどう?」(こしょこしょ) 後輩「……」 尾浜「ほら、死にたくないならこれぐらいいいでしょ?」 後輩「おう…。七松先輩、ハンデを頂けますか?」 七松「おっ、やる気になったか?構わんぞ」 後輩「両手でやらせてください。あと、一秒だけお時間をください」 七松「一秒でいいのか?」 後輩「はい!」 七松「それぐらい構わん。よし、ハンデも決まったしやるか!」 三郎「…大丈夫か?いくぞ?レディ…ファイ!」 (ぎゅっ) 後輩「七松先輩、一等愛してます」 七松「へっ?」 後輩「愛してます愛してます愛してます!貴方を想うと夜がとても寂しいです。こうやってずっと触れていたいと思ってしまう、はしたない私ですが、私の好きなようにさせてくれませんかぁああああっしゃ!」 七松「っ…あ…」 後輩「よっしゃぁああ!私の腕、無事だー!七松先輩にも勝ったーっ!ありがとう、勘右衛門!」 尾浜「あはは、まさかきくとは。七松先輩ってば愛に飢えてんだねぇ。もっと言ってあげなよ」 後輩「うわあああ!もう両手があるって素晴らしい!下手したら両手を失っていたもんね!」 三郎「あー……。ということは、七勝八敗だな。…負けてるじゃないか」 後輩「腕が無事ならそれでいい!」 仙蔵「お前たちは単純だな…」 潮江「いや…その、なんだ…。たまには負けてやるのもいいだろう。あいつ、マジで泣きそうだったし」 仙蔵「悔しがり屋だからな」 伊作「小平太のバーカ」 七松「なはは、すまんな。やられてしまった。でもいいさ、滅多に聞けるものじゃないし」 長次「私だってまだそっちのほうがよかった…ぐすん…」 食満「よーし、伊作。薬作ってくれ!」 伊作「ついでに一か月ぐらい戻さないでやろうか」 食満「いいな、それ!頼んだ!」 仙蔵「勝っても負けてもあいつは可哀想な目に合うのだな」 |