夢/コネタ | ナノ

▽ SS企画 その3

「俺たち、結婚します」
「私たち、結婚します」
「……」
「(俺もう死にたい)」
「(奇遇だな。私もそう思った。あの世でも親友であろうな、竹谷)」
「(おうともよ。あー…痛みもなく殺してほしいぜ)」
「なんだ、また遊びか?どうせ鉢屋からの罰だろ?」
「「…」」
「どうした?バカみたいな顔して」
「ちょっと待ってもらっていいですか?」
「構わんぞ」

「あれ本当に七松先輩?実は三郎とか?」
「あの身体つきは七松先輩だろ…。俺の理想の筋肉だもん!え、俺ら絶対に殺されると思ってたんだけど…」
「私も私も!…いや待て竹谷くん、深読みしたら、ちょっと私泣きそうになった」
「は、何でだよ」
「私のこと好きじゃないのかなぁ…!」
「……そうだな、ちょっと不安になるよな…。よし、聞いてみようぜ!」
「竹谷ぁ…まじ頼んだっす…!」

「七松先輩っ」
「好きとか嫌いとかじゃなくて、罰に私を巻き込むのは止めてくれないか?」
「っすみません!(でもあなたたち六年生は俺たちを巻き込んで遊んでるじゃないですか!)」
「何か言いたそうな目だな、竹谷」
「こいつ結構乙女なんで、ハッキリ言ってもらっていいですか!?」
「解った。とりあえず竹谷の背中から出てこい」
「うっす」
「罰に私を巻き込むのは止めてくれ!」
「…」
「七松先輩、そっちじゃないっす…!そっちじゃないんすよ!」
「いや、竹谷。もういいから。これが七松先輩だから」
「それとも、愛してるって言ってほしかったのか?」
「おほっ!?」
「がふっ!」
「でも、そういうことを滅多に口にするもんじゃないぞ。気持ちは変わらんが、威力が半減するからな」
「…さ、策士なんすね…?」
「(この人ほんとずるい!なにもうずるすぎる!!)」
「そっちのほうがこいつの反応が面白いからなー。それに、こういう駆け引きみたいなことは好きだぞ」
「そうでしたか…。あ、じゃあ俺らこれで失礼しますね。おい、行くぞ。真っ赤になってんな」
「うるさいなぁ…!失礼します」
「失礼します」
「でもな、お前たち。ついていい嘘と、ついちゃいけない嘘って、その学年になれば解るよな?」
「っうっす…!(背後に禍々しいものが…!)」
「さ、さ、三郎にも…ちゃんと伝えておきます…!」
「ああ、そうしておいてくれ。じゃないと私、竹谷を殴って、お前を躾し直さないといけない」
「「本当に申し訳ありませんでした!」」