▽ 探偵のお話 その2 「俺さ、よくよく考えたら危ないことしてるよね」 「何を今さら…。承知の上でこの仕事してるんじゃないんすか?」 「いや、十歳も離れた子と一日中二人っきりなんだよ?危なくない?」 「なんだそっちか。そうですね、ケダモノですもんね先生って」 「その表現は好かないなぁ…。最中ならいいけど」 「ゲス野郎」 「先生地獄耳だから、聞こえてからねー」 「歳の差あっても、先生は兄としか見てないから安心してください」 「まぁ俺も妹としてしか見てないしなー…。口は悪いけど」 「先生、下半身緩いけど」 「そういうこと言うからいい人が見つからねぇんだよ」 「そんなこと言わなくても見つかってない人いますけど?ちらっ」 「口で言うなし。こっち見んなし。いいんだよ…そのうちできるもん」 「猫か犬か楽しみですなぁ!」 「人間のだよ!千梅こそそんなんだと死ぬまで一人なんだからな!」 「でも途中までは先生がいてくれるんですよね?先生のこと大好きだから、それもありかなって思ってます。虎徹先生のこと尊敬してますから!」 「煎餅食べながら言っても感動が半減だぞ?」 「恥ずかしいんだよ。バカ言わせんな」 「千梅ちゃん…!そうだったな、お前ツンデレだもんな…。俺も千梅となら独身でもいいかなーっ?」 「(ちょれぇ)面倒見てくださいねー」 「勿論だとも!あー、ほんとうちの子可愛い。でも二人ってのはちょっと寂しいからあと一匹欲しいなー」 「おい、匹扱い止めろ」 「警察の竹谷くんあたりどう?なかなか可愛いと思うんだけど…」 「立花さんが許すと思いますか?」 「うーん…。じゃあ留さん?」 「七松さんが許すと思いますか?」 「だねよー…。じゃあやっぱり千梅と二人か。飽きないからいいけどー」 「私も楽しいです。ところで虎徹先生」 「なに?」 「依頼の手紙が届いてますよ」 「それ早く言えよこのダメ助手!」 「はい傷ついたー。慰謝料よこせー。給料あげろー。肉くわせろー!」 「ちゃんと働け!なら考えてやる!で、依頼の手紙は?」 「あ、これです」 「……。千梅、お前は本当に躾しねぇといけないみたいだな…。菓子がついた手で手紙を触るな!」 「だからっ、泥だらけなのに平気で椅子に座ったり、寝たりする虎徹先生にだけは言われたくありません!躾けてもらえ!」 「よぉし、まずはお前からだ!」 「いやぁあああ!おっさんに犯されるーっ!」 「ふはは!もうその手は使いすぎて近所の皆さんも反応しないぞ!諦めろこの駄犬が!」 「ちぃ!……。先生、痛いことはしないでぇ…?」 「ごめん、ロリとかそういうのに興味ねぇ。つか言っただろ、お前は妹としてしか見てないって」 「兄ぃ、ごめんなさい!言うこと聞くからぶたないでぇ!」 「ぐ、おおおお……貴様…!その手できたかっ…!?」 「お兄ちゃん…本当にごめんなさい。千梅、いい子にするから……ごめんなさいぃ…!」 「俺の…俺の良心が痛む…痛むぅううう!」 「……お前らよ、来るたびになんかしてるよな。バカなの?暇なの?」 「「いやあああもうマジ恥ずかしい!」」 「そうか、バカか。いいからその手紙読めよ」 |