夢/コネタ | ナノ

▽ ツイッターのお話

電車に乗りました。


「なぁ小平太。なんで今日早く帰れるか知ってるか?」
「知らない。私、部活やりたいのに…」
「それはね、試験期間中だからだよ。やべぇ、勉強したくない」
「………私も…。よし、遊びに行こう!」
「そうだな!」

(ブレーキがかかる)

「ぐえっ」
「あ、すまん」
「ちょっとちょっとー!俺はしっこに座ってるんだから挟まれると痛いんだよー?」
「すまんすまん!」
「あと足!足踏んでるから!」
「なはは!」
「なんなの?お前俺のこと嫌いなの?」
「好きだぞ。嫌いじゃなかったら遊びに誘ってない」
「だよね、信じてた。で、どこ行く?バッティングセンター?」
「あれ飽きた!球遅いし…」
「お前の動体視力がよすぎるんだよ」
「それはお前もだろ?」
「まぁね!視力落ちて、眼鏡とかかけたくないしー」
「でも眼鏡かけたら格好いいらしいぞ」
「まじで?……伊達眼鏡でも許されるかな」
「但しイケメンに限る」
「俺格好いいじゃん」

(ブレーキがかかる)

「ぐえっ」
「すまん、聞こえんかった」
「今のわざとだろ。つか、小平太だって眼鏡似合わねぇよ!」
「別にいいさ。それよりどこ遊びに行くんだ?」
「あ、忘れてた。バッティングセンターがダメなら……」
「ボーリング!」
「却下。お前が投げると痛い音がするからなんか怖い。壊しそうで怖い」
「えー…。だって勢いよく投げたほうが倒れるぞ?」
「隣のレーンまで飛ぶってなんなの?ともかく却下」
「じゃぁゲーセン!」
「妥当だよなぁ。そのあとカラオケ行こうぜ!」
「おー!」

(妊婦さんが入ってくる)

「「おっ」」
「お姉さんお姉さん。ここ座って!身体冷やさないように俺が暖めてたんだぜ!」
「荷物たくさんありますね。大変ですから私持ちますよ」

(妊婦さんを座らせて目の前に立つ。荷物は小平太が持つ)

「若いお母さんっていいっすね!俺がお姉さんの子供だったら絶対自慢しますわ!」
「今何ヵ月なんですか?」
「今月産まれる予定なんですよ」
「マジっすかー!元気な子が産まれるといいっすね!」
「男の子ですか?」
「よく解りましたね。はい」
「おおー!元気でたくましく、俺みたいな格好いい子を産んで下さいね!」
「もー…今さっきからうるさいぞ。迷惑だろ」
「いえ、いいんですよ。お二人みたいな優しい子になってほしいので、たくさん声を聞かせてあげてください。あ、触ってみますか?」
「いいんすか!?大丈夫です?!」
「大丈夫ですよ」
「え、じゃあ少しだけ…。あ、元気わけてあげますね!」

(なでなで)

「私もいいですか?」
「はい」

(なでなで)

「おー……なんかあったかい…。…なんで泣いてるんだ?」
「ぐすっ…。いや…なんか感動してよー…。命ってやっぱりすげぇよな…」
「…そうだな」
「この子もお兄さんに触ってもらって喜んでますよ」
「お母さぁああん!やめてくださいよ、泣いちゃいますー!小平太ー、俺らも立派な子供産もうな!」

(泣きつく)

「そうだな。私とお前の子ならたくましい子になるぞ」
「うん!」

(妊婦さん下車。全力バイバイ)

「いやー、いいな。子供っていいよな。お母さんも綺麗だったし」
「新しい命というのは見るだけで心が温かくなるな」
「なんだよ小平太、お前にしては珍しく賢そうな言い方だな」
「へへー!」

(おばあちゃんが隣の車両からやって来ました)

「「あ」」
「おばあちゃん、おばあちゃん!こっち来てこっち!ここ座って!」
「停車中に動かないと危険ですよ。座る場所を探していたならここ座ってください」
「すまないねぇ。いいのかい?」
「いいんすよ。どうせ俺ら遊びに行くだけっすから」
「身体も鍛えてますので大丈夫です。転ばないように気を付けてください」
「ああ、ありがとう。優しい子たちだ」
「そうだ、聞いてよおばあちゃん!俺ら今さっき妊婦さんのお腹触らせてもらったんだぜ!あれってすっげぇ温かいんだぞ!」
「おや、そうなのかい?よかったねぇ。どうだった?」
「温かかったのですが、それ以上に生命を感じました。少し、怖くもありました」
「そうかいそうかい。そりゃあいい経験をしたねぇ…。君ら二人に触られたなら、きっとその人は安産だろうよ。元気と優しさを貰ったからね」
「よせよ、おばあちゃん。照れるだろー!」
「じゃあ私がおばあさんに触れたら、元気に長生きしてくれますか?」
「そうだねぇ…。きっと百歳まで生きられるよ」
「まじか!じゃあはい握手!ハグでもいいけど、無作法に女の人に抱きつくのはダメだって仙蔵に言われたからな!」
「抱きつくほうがたくさんの元気分けられると思うんだけど、しょうがない。おばあさん、是非長生きしてくださいね」
「ああ、ありがとう。君たちみたいな孫がいたらきっと毎日が楽しいんだろうね」
「多分やかましいだけっすよ。な、小平太?」
「それはお前だけ。私は静かだもーん」
「嘘つけ!いつも授業関係なくやかましいだろ!?」
「ほんと、元気な子たちだ。さて、私は次の駅で降りるよ。ありがとうね」
「いえいえー。気を付けてなー」
「また」

(おばあちゃん下車。全力バイバイ)

「俺、おばあちゃんも好きだからなんか楽しかったわ」
「そうだな。ところで私たちが下りる駅は?」
「あ、次だな。もう立っておこうぜ」
「なんかお腹すいたなー…。まずはどこかレストラン入らないか?」
「お前お金あんの?」
「ない」
「水で我慢してろ。俺もない」
「ドリンクバーはなー…」
「公園の水にしろ!また出禁になるぞ!」

(電車が大きく揺れる)

「わっ」
「おい小平太大丈夫か?油断してんじゃねぇよ」
「あぁ、すまん。お腹がすきすぎて…」
「それに、お前一人の身体じゃねぇんだぞ。言っただろ、俺らも立派な子供産もうって」
「そうだったな。ありがとう、支えてくれて」
「惚れていいんだぜ」
「ははっ。もう惚れてるさ」
「よっしゃ、到着!忘れもんねぇな?」
「おう!レストランにごー!」
「だからお金ないっつーの!」

(とあるツイート)

「騒ぐ男子高校生二人→妊婦さんに席を譲る→思わずときめく→楽しそうな会話→妊婦さんのお腹を触らせてもらう二人→「俺らも立派な子供産もうぜ!」 ←イマココ」
565リツイート 877お気に入り

>これはwwww
>ホモォ…
>人物詳しく。

(さらに別のツイート)

「電車に乗ってたら高校生が二人乗ってきてやかましかったけど、妊婦さんやおばあちゃんに席譲ってて関心した。途中「俺らも立派な子供産もうぜ」って言った瞬間、近くにいた女の子が二人を凝視しながら携帯打ってた。二人とも逃げて」
1036リツイート 1521お気に入り

>逃げてー!!
>ちょwwこれ他のバージョンでも見たぞwwwwww
>奇跡の遭遇(二つのツイートが自分のTLに並んで載った)
 >運命の遭遇wwww
 >なんという運命ww
 >これはwww凄いwwwwww





実にすみませんでした。