▽ 女のテクのお話 「……私、七松先輩と潮江先輩はともかく、食満先輩はそれなりに女装が似合うと思ってた」 「奇遇だな。俺もだ。しっかりひでぇ女装だったな。俺のほうが可愛いぜ」 「竹谷、お前も補習受けたいか?」 「そういうお前も女装苦手だろ」 「でもお前よりはマシだ!」 「よー、お前らこんなところで何してんだ?」 「七松先輩。補習お疲れ様でした」 「おう!久しぶりに女装したから腕がすっかり鈍ってしまった…」 「俺でもすね毛は反りますよ…」 「七松先輩、あんな厚化粧したらダメっす」 「そうか?控え目にしたつもりなんだが…」 「私もあまり化粧の腕に自信はありませんが、あれは酷いです。あと不作法すぎ」 「えー…」 「合格したからいいものの、合格しなかったらどうしたんですか」 「…お前、今日はやけに噛みつくな。殺されるぞ?」 「黙れ竹谷。不合格になってもう一年一緒に学園生活送るか?」 「七松先輩、ほんっと頑張って下さい。ほんっと…!」 「でもお嬢さんと言われたぞ?」 「普通の人は言いませんよ。いいですか、化粧というのは……」 「これぐらいでいいのです」 「…薄い」 「いや、先輩。それぐらいでいいと思います」 「でも男だってバレる」 「バレません。七松先輩は女性らしく振舞って、控え目にしていたら多少大丈夫です!」 「……」 「そんな難しそうな顔しなくても…。着物だってこうやってきちんと着たらいいんです。何で胸元あんなに開いてたんすか…。はい、こうしてこれでいいです」 「お前……着物着せられることができたんだな」 「できますよ、失礼な。苦手ですけどこれでも女ですし。なにより……授業真面目に聞いていれば習うことじゃないですかっ…。竹谷、お前もだ」 「お、俺できるし!」 「何で上級生なのに女装が下手くそなんだよもう…」 「仕方ないだろ。女の身体つきじゃないんだから」 「解ってますけど、それなりの努力をしてくださいよ……」 「って言っても七松先輩納得してくれなかった…。合格したからいいけど」 「頼むから絶対に卒業してもらえ。それはお前たちバカ二人にかかっている」 「三郎くんの熱意は目から伝わってくるけど、バカって言わないでくれる?」 「でもビックリしたなー。思ったより女子力あって」 「なに雷蔵。バカにしてんの?」 「あっ、えっと…そうじゃなくて…。ごめん、言い方が悪かった。だって、いつもあんなだし、化粧するたび三郎に怒られてるからさ…」 「三郎が完璧主義なんだよ。だから怒られるの」 「お前が雑すぎる」 「作法とかは立花先輩に怒られるから知ってる。あと、くノ一教室の子たちとたまにそういう遊びしてる」 「なにそれ詳しく」 「さすが竹谷、食いつきいいな。くノ一の子たちとちちくりあってんの」 「………俺は心底お前が憎い…」 「どんだけだバカ。あとお前、ちちくり合うって表現が古い」 「それって勉強になるの?」 「なるよー。着物の着せ替えとか楽しいし、自分の身体がどうエロく見えるか真剣に考えるし、台詞とかも考えてる」 「おおおお俺も参加したい!」 「女の子限定ですぅ」 「お前が参加できて、俺に参加できないはずがない!」 「私に謝れ」 「でもそれいいね。女装したときにかなり役立つんじゃない?」 「…あのね、雷蔵。解ってると思うけど、私女の子だからね?」 「えっ…?あ、うん。あははっ、勿論だよ!そういう意味で言ったわけじゃないから!」 「雷蔵、気持ちは解るぞ。それで、お前は何を学んだんだ?」 「私は大体見る側なんだけどね。ほら、胸ないし」 「胸なくてもそれなりの攻め方を習ったんだろ」 「まぁね。でもそれを見せたところで笑われるし、効果ないからしないよ」 「はっ、忍者失格だな。いくら顔見知りとは言え、落とせないならダメだろ」 「三郎、あんまり遊ばないの」 「三郎まじいつか覚えてろ」 「私が忘れないうちに頼む」 「まぁ五ろの中では雷蔵が一番簡単だね」 「え、僕?」 「うん。よいっしょと…。雷蔵、今から脱ぐから見ててくれる?」 「えっ!?」 「(脱ぎ始める)」 「わっ、わっ…!だっダメだよ!待って待って!」 「ほらね。顔見知りだから余計に見たくないってのがあるでしょ」 「……心臓に悪いよ…もー…。じゃあ一番難しいのは?」 「勘右衛門じゃないかな。あいつ腹の内見せようとしないし…。逆にこっちの心読もうとしてくるし…苦手」 「えー、俺だろ!お前のお色気なんてきかねぇぞ!?」 「お前なんてチンコ握ってやりゃあ一発だよ」 「言い方が下品すぎる…」 「人にヤってもらうのもいいと思う…」 「八左ヱ門、お前もだ。で、私はどうやって攻める?」 「三郎も難しいよねぇ。だから食う気でいく」 「…おい、女のくせに舌舐めずりしながら私を見てくるな」 「だって控え目にいっても無駄だもん。じゃあ食べる」 「七松先輩の影響受けすぎだろ…」 「っていうかさぁ、昨日もこんな話しなかったっけ?」 「お前がくノ一たちといちゃこらしてるって言うからだろぉ!」 「可愛いよー!えっろい身体でひっついてくるの!めっちゃいい匂いすんの!おっぱい柔らかかった…」 「ずるいよぉおおお!俺もおっぱい…揉みたい…」 「酒池肉林」 「うわああああ!」 「ほんとこいつらバカだよな…」 「やるときはちゃんとやるんだけどね」 「五ろの恥だ。雷蔵、こんな風になっちゃいけないよ」 「たまに遊ぶぐらいは許しておくれ」 |