零れ話 








「高尾は一年の頃のが素直だったよなァ、今は何かツンツンしてるしよ」

「は?」

「あれだよ。オレのこと利用しようとしてた頃」

「……」

「結局悪くなりきれないでオレにほだされちまったけどな」

「ほだされたとか言うなって。オレはオレの意思でオマエの隣を選んだの。あの頃は、まぁ、なんていうか、必死だったから」

「オレもわりと必死だったわ。オマエ、緑間の方しか見てねえしよ」

「……。なんか今日やけに絡むな」

「……」

「……青峰。ん」

「おう」

「はっ?ちょ、違う違う!キスじゃねえよハグだろ!この両手広げてやってんのどうみても「オレの胸貸してやるよ」の体勢だろ!」

「なんだよ「オレのこと好きにしてもいいぜ」って体勢じゃねえのか」

「ちげーよ!てか青峰は本能に素直になりすぎ!一年の頃のワイルドかつクールな雰囲気はどこいったんだよ!!」

「え」

「え」

「高尾……オマエ、オレのことそういうイメージで見てたんだな……」

「…………。言うんじゃなかった」







(なんかムカつくからニヤニヤすんな!)
(いや、わりい、フツーに嬉しいわ)
(!!!)







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