みなさん、手をあわせて。
(※成人済み設定)
(※皆あるこーる入ってます)






「「「王様だーれだ??」」」

「はーいっ!高尾チャンでっす!!」





元気よく挙手したのは上機嫌の高尾君。可愛いです。
そんな彼に、向かいに座っていた黄瀬君と緑間君、青峰君がガタッと立ち上がって物言いをはじめる。





「えっ、また高尾っち?!」

「ちょっ、待つのだよ!不正ではないのか?!」

「五回連続とか絶対クジ細工してんだろーが!」

「え?知らねーよ、引いたら当たっちゃったんだもーん、な?赤司」





高尾君が隣の赤司君に尋ねれば、深々と頷いてみせる。ちょっと、表情がいつもじゃ考えられないくらいゆるゆるですよ赤司君。
別人ですか。





「そうだな、和成の強運がその赤い割り箸を引き当てたんだろう。オマエはオレの王様いや女神だからな当然だ」

「へへ、赤司ありがと〜」





そして高尾君、さっきからやたら周囲に絡みすぎです危険すぎます。
ボクの心配をよそに赤司君の更に隣から紫原君まで「あ。赤ちんずりー」と体を乗り出す。
ちょっと、テーブル動くんでやめてください。





「オレも高ちんの頭撫でたいしー」

「てか、赤司っち!さりげなさすぎて怖いっスよそれ!!」

「オマエ達、高尾を離すのだよ!」





ひとまず皆を無視して、頭を撫でられふにゃふにゃしていた高尾君をボクの方へ誘導した。





「大丈夫ですか?高尾君、ちょっと飲みすぎなんじゃ……、っ!」

「よっしゃー!まだまだ行くぜー!!とりあえず三番四番オレのマッサージね」

「はぁ?!」

「なぜオレが……!」

「あ、真ちゃんと青峰?」





なぜかボクの頭を撫でながら話す高尾君。あの、ほんと、色々とあれなんですが。

渋々とこちらへやって来た二人に上目遣いで「ちゃぁんと優しくしてね?」と告げた彼を押し倒しそうになったのはたぶんボクだけじゃない。
耐えろボクらの理性。





「ほら、この辺とかどうだ?」

「……っん、青峰、きもちぃ……」

「変な声を出すな高尾!」

「変な声とは何だ真太郎。艶めいてイイ声じゃないか」

「赤ちん録音するのはマズイんじゃね?」

「高尾っちにマッサージとか、羨ましいっス……!」





……ボクが言うのもあれなんですが、ぶれないなこの人たち。

案外マジメに肩をマッサージする青峰君とかなり赤くなりながら足をマッサージする緑間君。
に挟まれ気持ちよさそうな高尾君がうとうとし出すのが見える。





「うぉ!ちょっ、高尾、こっち寄りかかんな……ッ」

「……えー?青峰、オレのこと、きらい……?」

「き!嫌いとか好きとか言ってねえよそんな状態で近寄られたら……その、アレがアレだろうが!!」

「青峰っち……気持ちはスゲーわかるんスけど、意味分かんないっス」

「るせー!早く誰か助けろ!」





青峰君がそう叫んだ瞬間、ひょいと高尾君の身体が浮かび上がる。軽々抱えたのは紫原君で。





「あははー、紫原ー何か足元がふわふわするわー」

「……、今日の高ちん、綿あめみたいでいつもよりうまそう」

「敦」

「はいはい赤ちん食べたりしねーって」

「いや、食べるなら一緒にいただこうかと思ってな」

「赤司君、それは男として最低です」





あ。つい本音が。

落ち込んで部屋の隅に移動した彼はこの際置いといて、そちらを励ましに行った紫原君に高尾君を託された緑間君を見上げる。
横抱きがさまになっているのは何だかムカつくので言いませんが。




「全く。高尾、いい加減に……何を笑っているのだよオマエは」

「んー……しんちゃんの腕のなか、あったけーなぁ、って」

「……っ」

「緑間君」

「……何だ、黒子」

「あー……黒子だー」

「はい、黒子です」





ちゃんと見ておかないと拐われてしまいますよ、と緑間君に忠告しようとしたら。今にも寝てしまいそうな高尾君に呼ばれる。

手招きをされ、内緒話をするくらいの距離まで顔を寄せれば。





「黒子ー……ちゅー」

「へ」

「なっ!!」





ほっぺに温かい、感触。





「……おやすみー」





そのまま、天使は眠りについた。





「緑間君……」

「……っ何なのだよ」

「ごちそうさまでした」

「黒子ぉぉぉ……!」








(たまにはこういうのも、悪くないですね)



(13/4/11)



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