Sexy a Dandy




「ほんと、イイ男ねぇ」

「はは、そういう実渕サンこそ、綺麗な顔、されてますよねー、真ちゃんみたい」

「そう?ありがとう嬉しいわ」





にっこり笑ってみせれば頬を引きつらせる高尾クン。普段はわりと飄々としてるみたいだけど、迫られるのには慣れてないのかしら。

そっと、あくまで緩やかな動作で壁に押し付けたら抵抗こそしないけどビクリと体を震わせる。





「み、実渕サン?」

「可愛いのにスマートな子ってなかなかいないわよ。高尾クンってほんと乙女の理想」

「いやいや、褒めすぎ……ひぁっ!」

「あら、」





やだ、イイ声。
軽く耳を舐めただけなんだけど。
すごく官能的な声を上げた高尾クンを食い入るように見つめたら顔を真っ赤にさせて俯く。
ハイスペックなのに意外とウブだなんて、どれだけオネェ心を擽るのこの子。





「ちょ、実渕サン……っあの、近い、近いっす!」

「だって近づいてるもの」

「や、その、だから……ッ、ん」

「綺麗な脚ねぇ……」

「やぁ、ア…ッ、み、ぶちさ……っほんと、」

「声抑えてる表情、可愛い」





高尾クンの太股の間に私の足を差し込んで閉じられない様にしてあげれば、慌てて身動ぎするけどもう手遅れ。
ペロリと耳朶を舐め上げ内腿を撫でれば悩ましげな声が上がる。
火照った頬とか。凄いツボ。





「耳だけでこんなになって……こっち触ったらどうなっちゃうの?」

「ひ、ぁ……だ、めっす!実渕サン!!」





すっ、と高尾クンのそれに触れようとした、そのとき。





「何をしているのだよ!!」





いきなりの乱入者に振り返れば、緑色の髪の綺麗な顔の彼が憤った様子で此方を睨んでいた。





「あらやだ、見つかっちゃった」

「し、真ちゃん……っ」





私の気が反れたその隙に慌ててそちらへと駆け寄っていく高尾クン。
緑間クンも満更じゃないみたいでそのまま高尾クンを守るように抱き締めたから。ふと、あることに気づく。
この二人、もしかして。





「高尾に何をしようと……!」

「何って、ナニ、かしら」

「!!貴様ァァ……」

「ちょ、真ちゃんっ、大丈夫!無事!オレちょう無事だから!」





今にも殴りかかってきそうな彼を宥める高尾クン。襲われかけたのにつくづくお人好しなのね。





「ね、貴方たち、付き合ってるの?だったらごめんなさい、私知らなくて」

「ブフォ!!」

「つ!?付き合っている訳がないだろう!意味が分からないのだよ!!」





あら。これは、また。
分かり易く両片思い中らしい二人に俄然好奇心が疼く。
ニコリと緑間クンに微笑んでみせれば、あからさまな敵意の目線が返ってきてゾクゾクしてしまう。





「そうなの?じゃあ私、高尾クンのお相手に立候補しようかしら」

「なっ…!」

「え、実渕サン??」

「付き合ってないなら、いいでしょう?ねぇ?」

「……ッ、高尾は!オネェには興味ないのだよ!!」

「えええ?!ちょ、真ちゃん?!」





若干意味の分からない捨て台詞を吐いた緑間クンはそのまま高尾クンの手を取って踵を返す。
最後に高尾クンと目が合ったので、ウィンクをひとつ飛ばしておいた。

あの二人、きっと可愛いカップルになるでしょうね。
上手くいくといいけれど。








(まあダメだったら私がもらってあげる)



(13/5/2)



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