(※キセキが柵なく仲良し)
「まじないわ。真ちゃんほんとない」
「ふざけるな、オマエの方がよっぽどあり得ないのだよ……!」
「はあ?!なにそれこっちのセリフだから!」
オフの日に高尾君に誘われてストバスにやって来たボクたちは、一頻りプレイしたあと休憩をとっていた。
すると何やら向こうで高尾君と緑間君が口論をはじめたから、またか、とため息をつく。
完全に無視を決め込もうとしたボクと違って、人の好い相棒は慌ててそちらへと駆け寄っていった。仕方ないのでボクも後を追う。
「ちょっ、オマエらなにもめてんだよ!」
「火神君、余計な口出しはしない方が……」
「あ!火神に黒子!聞いてくれよ!!」
「お、おう……どうしたよ」
すごい勢いでこっちを向いた高尾君にたじろぎつつも、話は聞いてあげるらしい。
ほんとにお人好しですね、火神君は。
「さっきのプレイ中にオレが一回パスミスしたんだけど」
「ああ、してたな、」
「真ちゃんってばそれがオレが火神に見惚れてたからとか言うんですけど!!」
「………………は?」
あ。火神君が固まった。
「事実だろう!あのタイミングで火神の方を視るなど意味がわからないのだよ!他に理由があるのか?!」
「いやいやちゃんと全体視てたっつーの!」
「いや視線は火神にいっていた!」
「気のせいだって!」
というか。またですか。
ふうと再度ため息をついて二人を見つめれば、リア充爆発してくれませんか、な下らない内容で言い合いを続けている。
未だ固まっている隣の火神君をツンとつつくとやっと現実に戻ってきたようだ。呆れたように頬を掻く。
「だから言ったじゃないですか、2号もくわない、ってやつです」
「痴話喧嘩かよ……」
この二人がもめるとしたら大抵こんな感じだ。関わるだけ時間の無駄で最悪巻き込まれる。
にしても毎回毎回よく飽きないな、とは思うのだけれど。
「オレが見惚れるのは真ちゃんのスリーくらいだから!」
「……っ」
「てかさ、オレの目には真ちゃんしか映ってないから」
「高尾……」
いやそれはバスケプレーヤーとしてどうなんですか高尾君。
というか緑間君もあっさり絆されているし。
「真ちゃんのこと好きだよ。だから、信じて?」
「疑って悪かったのだよ、高尾……その、オレも、 」
「え?なに?聞こえなかったからもっかい言ってくれる?」
「だから……!」
「しーんちゃん、おねがい。ゆって?」
「……っオレもオマエのことがす、好きだ」
「うん、オレも大好き!!」
あの。
とりあえず。
二人とも爆発してください。
(どこか知らない遠くの方で、ぜひ)
(黒子……口に出てるぞ……)
(13/4/14)