別に心配なんかしてない
(※大学生設定)








「昨日一緒にいたヤツ、なに?」

「は?」





なに、ってなに?

とはさすがに聞き返せず、ご飯作る手を止めて声の主を振り返る。

ソファに寛いでこっちに視線を寄越すでもない宮地サンにイラッとするけど怒ったら負けだ。
大人になれ和成。





「いつの話っすか」

「昨日の昼前。大学でやたらアホみてえな頭の奴と一緒にいただろ」

「アホみたいな頭って……」





昨日の昼前って言えば学部の奴らと学食に移動してたときか。
思い当たる節があったけど、いくらなんでも人の友人に向かって失礼すぎるだろ。





「友達なんですけど、てか大学でオレが誰といたって宮地サンには関係ないでしょ」

「ンだと?」





初めて携帯から顔を上げた宮地サンは明らか不機嫌だけど、こっちだって怒ってんだからここは譲れない。





「大学では用がない限り話し掛けてくんなって言ったの宮地サンじゃないですか」

「それとこれは話が別だろ。交友関係好きにしろとは言ってねえ」

「はぁ??」

「あんまチャラい奴と付き合うな、遊ばれたらどーすんだ。あと地味すぎる奴もダメだな、陰湿に狙われるかもしんねーから」





視線を反らしながら捲し立てる宮地サンに呆然としてたら「聞いてんのか?」と声を掛けられ我に返る。



何か、それ。



やきもち、みたいですよ。





「宮地サン、めっちゃ彼氏面」

「いや彼氏だろ」

「や、そう、ですけど……」





咄嗟に口をついてでた言葉に宮地サンが顔をしかめる。





「ま、オマエが誰に狙われようと、いいっちゃいいんだけどな」





良いなら一々こんなことで不機嫌にならないでほしい。
というか言ってることが矛盾しすぎじゃね?





「もう意味わかんないんですけど、宮地サン」





今度は思ったことがそのまま口から出て。

重なった視線に戸惑ってたら、宮地サンが少し瞳を伏せながらポツリと呟いた。





「高尾はオレのもんだから、誰にも渡すつもりねーし」








(聞こえてしまったそれに)
(二人して真っ赤になったのはもう少しあとの話)



(13/2/15)





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