「宮地サン!それに木村さん!!」

「よぉ、まじめにやってるかこのクソコンビ」

「クソとか!こんな可愛い後輩を捕まえてヒドイ!」

「高尾ー、宮地が差し入れのスイカ投げる前に謝っとけー」





部活も終盤に差し掛かった頃、見慣れた先輩たちが体育館にやって来た。
宮地サンたちとは社会人になってからも付き合いあるからすげー懐かしい!みたいな事はなかったけど、やっぱり大学生とは言えオレの知る先輩らよりもまだ幼さが残っている。





「スイカとか!差し入れめちゃ豪華!木村さんあざっす!!!」

「ありがとうございます木村先輩」

「オイコラ高尾緑間てめーら揃いも揃ってこっちスルーしてんじゃねえよ!」





大坪さんは時間の都合で今日は来れないらしい。少し残念だとか思ってるうちに、監督の許可を得て宮地サン木村さんも参加することになったミニゲームが始まった。
思いっきり走り回って、汗かいて、パスを繋いで。
真ちゃんのスリーが決まるのを見つめる。

オレはこの頃、最高に幸せだった。
同じコートの中でバスケが出来る。ただそれだけで幸せだったんだと。
不意に思った。
隣を見れば、呆れながらもどこか楽しそうな真ちゃんの横顔。





「……、何だ?」

「……ううん。なんでもねーよ」






いつもの癖でてのひらを重ねたくなったけれど。
そっと自分の指を包むように握りしめておいた。










(幸せの共有時間)

20##年7月5日午後




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