「高尾」



寝室からリビングへと足を踏み入れる。
しかしそこに人の気配は無く。
キッチンの中には作りかけの朝食。
朝陽の射し込むそこは、このマンションに来たとき高尾がいちばん喜んでいた場所だ。
外へ出ているのだろうかとも考えたが、アイツが電源も落とさずにIHの傍を離れるとは考え難い。
そっとスイッチを落とすと、部屋の中の静寂がより一層深まる。
小鳥の囀ずりだけが、時間の流れを主張していた。




「……、高尾?」








(きこえない声はどこへ?)

20××年7月5日午前




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