朝ご飯はしっかりと








「高尾、そこの……」

「はいどーぞ」

「……すまないな」

「ん。……あ、真ちゃんお茶入れるよ」

「ああ」

「今日は嫌いなものない?残さず食べなきゃダメだぜ〜」

「……分かっているのだよ」




朝、廊下で会った青峰っちと一緒に食堂に来た。
そう。確かに食堂に。

決してオレらはどこぞの新婚家庭にお邪魔したわけじゃない。





「「…………」」

「あれ?黄瀬くんと青峰おはよー。どうしたん、そんなトコでお盆持って固まって」

「高尾、オマエ……嫁に出る気かよ」

「ブフォ!!ちょ、朝から何面白いこと言ってんの青峰……!」





青峰っちの発言に大爆笑の高尾っちだけど、オレとしてはあんま笑えない。
ちょっと緑間っちに甲斐甲斐しくしすぎじゃないかと。





「高尾っち、オレらも一緒に食べていい?」

「おー、どうぞどうぞ!人数多い方が楽しいし」





笑顔で迎え入れてくれる隣で緑間っちがあからさまに不機嫌オーラを出してるけど見ないフリ。
オレが高尾っちの向かいに、青峰っちはオレの隣にそれぞれ腰を下ろして食事を始める。





「あ、青峰ドレッシング派?醤油派?」

「ああ…悪い右のヤツ取って」

「ハイ。シャツ白いし気をつけろよー」

「大丈夫だろ」

「最悪そっちにナフキンあるから」

「くはっ!貴族じゃあるめえし。いらねーよンなもん」

「ぶは、確かに上品に食事する青峰とかウケるわ」





ちょ。なんでクロストークで盛り上がってんスか二人とも。
てか高尾っち、青峰っちにも甲斐甲斐しすぎ!

心の葛藤と戦いつつ何とか箸を進めてたら、不意に高尾っちの視線が此方へと動いた。
目が合って、どきりと心臓が鳴る。





「黄瀬くん」





すっと伸びてきた手に全神経が集中して。口元から拐われたご飯粒がそのまま高尾っちの口へと消えていった。





「モデルなんだから、こんなとこご飯粒つけてちゃダメっしょ」





朝から、笑顔が眩しすぎるっス。





周囲全員の度肝を抜いたことなんて意にも介さず、高尾っちはそれからも出来る嫁行動を取りまくったのだった。








(心臓とまるかと思ったっス……)
(アイツの突拍子ない行動にはオレですら未だに慣れないのだよ……)



(13/2/17)



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