三人寄れば






「だから大事なのはそこじゃないって」

「いや譲れねえな」

「そんなだから青峰は桃井サンに怒られんだよ」

「さつきは関係ねーだろ」





宿舎の廊下を歩いていたら珍しい組み合わせを発見した。
というか高尾の姿が見えないと思ったら、こんなところで喋っていたのか。





「高尾、何をしている。もうすぐ夜のミーティングの時間なのだよ」

「真ちゃん」

「げ。緑間」





青峰の反応に激しく不快感を覚えたが相手にするだけ時間の無駄だ。そちらに一瞥くれてから「行くぞ」と声を発すれば、高尾は笑いながらも立ち上がる。
いや、立ち上がろうとした。





「……!!」

「お、ぉぉっ?青峰っ、急にひっぱるなよビビるだろ!」

「くはっ、悪ィわりぃ」





動き出そうとした高尾を後ろから引き止めたのは他でもなく青峰で。その褐色の腕は高尾の首から肩へと回されている。
近い。距離が近いぞ。





「緑間ァ、オレらいまスゲー大事な話してんだよ」

「大事な話……だと?」

「そうそう、とある問題についてな。それが解決しねえと高尾は行かせらんね……」

「ちょ、青峰!待った!」

「!!高尾……なぜ遮るのだよ……」





胡散臭い笑いを浮かべたヤツの口元に高尾の手が触れ、言葉を制する。
だからオマエ達……一々近すぎるぞ離れろ先ずは一定の距離をとれ。そう口にしたいのを理性で押し留め、オレは青峰を睨み据えた。





「何の問題だ」

「あァ?」

「その問題が解決すれば高尾に用はないのだろう?だから問題の内容を話せと言っている」

「真ちゃんちょっと待ってそれは聞かない方が」

「オマエは黙っていろ」





それともオレには話せないようなことなのかと問えば言葉を濁す。その態度にも些か腹が立って、改めて青峰に向き直った。
楽しそうな顔をして、この愉快犯め。





「まあその問題っつーのは」

「ああ」

「おっぱいはデカさか形か感度かって話なんだけどよ」

「…………………………は?」





高尾の「あちゃー」という声が聞こえた気がしなくもない。








(青峰ぇぇぇぇぇ!!!キサマこんなところでそんな破廉恥な話題をよくも……!!!!)
(わー!真ちゃん落ち着いて!!)
(ちなみにオレは巨乳派、高尾は美乳派だぜ)
(そんなことは聞いていないのだよ!!!!!!)



(13/2/5)



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