宮地サンと待ち合わせ
「待ってる時間も嫌いじゃないとかオマエ言ってたけどあれウソだろ」
「なんですか急に。しかも嘘じゃないですって」
だいたい外で待ち合わせると高尾の方が早く着いてる。別にオレが遅刻するとかそういうワケじゃねえからそこんとこ勘違いすんなよ。
ただ高尾はいつもオレを待ってて、笑いながら出迎える。
そんであまりにもその回数が重なるとさすがに何かワリーなと思わなくもなかったから、あるとき聞いたのな。
オマエいつも待っててしんどくねーの。って。
「前にも言いませんでしたっけ?オレ、待ってるのはわりとヘーキなんですよ」
「オレは待つの嫌だし。だから皆もぶっちゃけ待たされんのとかヤだろ」
「ぶは!ちょ、宮地サンが世界基準みたいな言い方されても」
つーかむしろ待たされんの好きとかどんだけだよ。
そういう意味を込めた視線に、高尾は屈託ない笑顔を浮かべた。
「宮地サン来るまで『どんなこと話そっかなー』とか『どんな表情とか服装で来んのかなー』とか色々考えてるんで、待ってる時間も楽しいっすよ」
「……っ、高尾……」
「?はい??」
「オマエはちょっとデレ自重しろ」
「は?」
たまにはオレも早めに行って待ってるのも、悪くねーかもな。
(10回に一回くらいは)
(13/2/3)
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