黄瀬くんとボーイズトーク21


(高尾くんと黄瀬くんシリーズ)





「ほんと毎日寒いっスね〜」

「だね。早くあったくなれば……あ」

「?どうしたんスか??」

「やー……春になったらセンパイたちは卒業なんだよなあ、って」

「あ……そっか」





春が来れば別れが来るのは必然。

ついこのあいだ出会ったばかりだと思っていた人達と、もうさよならなんて。





「笠松センパイにはいっつもドヤされてたけど、部活引退しちゃってからすげー寂しくなったっス」

「オレも。宮地サンとかちょう怖かったのに、いなくなっちゃうと寂しいもんだわ」

「今はたまに顔出してくれてるけど、大学とか就職とか、それぞれ卒業して忙しくなったらそれも出来なくなっちゃうんスかね」

「まーしばらくはセンパイ達も大変だろうしね」

「……」

「……」

「なんか、寂しいっス……」

「うん、寂しいねえ……」





もっと。もっともっと一緒に、バスケしたかったなあ。

そう呟いた黄瀬くんの横顔を一瞬見つめ、オレも少しだけ視線を外へと向けた。
道を歩く人たちはまだまだ寒そうにいっぱい服を着こんで、親子連れや恋人たちは互いに身を寄せ合っている。

こっから見える景色が色を変える頃には。








(笑顔で見送れるといいけど)
(たぶん、難しいだろーな)



(13/2/3)



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