宮地サンに特技披露
「宮地サン!」
「あん?」
「ほら!」
「ブフォ!!」
「ちょ、宮地サン汚な!」とか騒いでるけど、オマエのせいだっつの!!!
合宿の晩飯時。
隣に座ってる高尾がなんかモゴモゴやってるとは思ってたが。
いきなりオレのほう向いて名前を呼んだかと思えば、真っ赤な舌をこちらへと突き出してきやがった。誘ってんのかこのバカは。
ついでに高尾とは反対側になる斜め前に座ってた緑間も噎せ込んでたのが見えた。
高尾自身は、その舌の上に乗っかったさくらんぼのヘタを見せたかったんだろうけど。それは綺麗な結び目を作ってそいつの舌先に鎮座していたから。
しかしそういうことは先に予告しろ。
「心臓に悪ぃんだよ……」
「?宮地サン、何か言いました?」
「言ってねえ。食べてる途中で変なことに夢中になってんなよ、轢くぞ」
「はーいっ、すんませーん」
カラカラと笑ってお膳に向き直る高尾。
オマエ、ぜってぇ反省してねえだろ……。
そう声を掛けようとした矢先。
「オレ、さくらんぼのヘタ結べたってことはキス上手いんすね!」
「「ゴフォ!!!」」
(え、ちょ、宮地サン?!てか真ちゃんも……汚な!!)
((高尾とりあえずもう黙れ頼むから))
(13/1/2)
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