黄瀬くんとボーイズトーク18
(高尾くんと黄瀬くんシリーズ)
「と、いうわけで!やってきたっス高尾っちのお家!!」
「ようこそ〜」
「とりあえず部屋が意外とキレイ!」
「その感想どうよ?」
笑いながらオレの斜め前に座る高尾っちの部屋は物がたくさんあるけど、どれがドコにあるか分かるすっきりした感じだった。
らしいと言えばらしい。
「黄瀬くんの部屋ってどんなん?」
「オレっスか?見たまんまっスよー」
「え、それは黄瀬くんを、ってこと?」
「そうっス」
「うーん、分かるようなわかんないような……あ、今度は黄瀬くん家にお邪魔していい?」
「もちろん!」
笑顔で答えたら、高尾っちも笑った。
オレらこの短期間でめっちゃ仲良しさんになったなあ、と改めて思う。
高尾っち相手だとびっくりするくらい気を使わなくて済む。素でいられるっていうか、とにかく、いい意味で楽な自分でいられる。
高尾っちもそうだといいな。
「あ、そうだ黄瀬くん。ここで重要な連絡事項があります」
「え……なんスか、急に真顔で」
普段はニコニコしてるからか、バスケのとき以外の真顔ってなんか不安を駆り立てられる。
高尾っち眼力あるから。
でもその表情はすぐにいつもの笑顔に戻って。
「風呂上がりはオレの部屋までダッシュして。じゃねえと、母さんとか妹チャンに捕まっから」
「へ?」
「何か昨日判明したんだけど、妹が黄瀬くんのファンらしくて……母さんはイケメンにすぐ食い付くし」
「え、全然話すっスよ」
噂の妹サンとお話できるのはフツーに嬉しいし、きっとお母さんだっていい人だと思う。というか高尾っちを産んで育てた人なら悪い人な訳がない。
そういうつもりで言った言葉に高尾っちは照れたように頬を掻いた。
「あの二人、喋り出すと止まんないし。……せっかく遊びに来てくれたのにさ、話す時間減っちゃうっしょ」
「!!」
なにそれ可愛い。
(最近、高尾っちの可愛さが尋常じゃないんスけど……)
(え?黄瀬くん何か言った??てか白いきのこのやつ買ってきたよー)
(なんでもないっス)
(13/1/28)
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