モーニング・コール








「和成、起きないか」

「んー……もう、ちょい…ねる…」

「……」





身動ぎをして枕を抱き締める和成はまるで猫のようだ。
この様子では見下ろしているのが僕だということにも恐らく気づいていないのだろう。

覆い被さるようにすれば距離は自然と近づく。睫毛の数すら見えるほどの位置にまで寄っても、起きる気配はない。
さすがに無防備すぎる。

呆れと同時に芽生えた悪戯心でその晒された首筋に舌を這わせてやれば、ビクリと反応があって。
僕が身体を離すのとほぼ同時に和成も素早く起き上がった。





「〜〜ッ!あ、赤司!!……朝から、何して……っ?」

「相変わらずいい反応だな」

「も、ほんと、びっくりするから起こすならフツーに起こしてくんない?」

「僕に起こしてほしいのか?」

「いや出来れば自然と目覚めたいです」





すっかり目覚めたらしい和成はまだ寝癖混じりの髪を掻き上げながらため息をつく。
先程も気になってはいたんだが、襟首がやたら開いて見えるのは僕の気のせいか。

そんな事を考えていたら、伸びをしていた和成がその瞳を此方へと向けた。





「……ま、でもめっちゃすっきり起きれたし。サンキュ」

「……また気が向いたら起こしてやろう」

「ふはっ、じゃあ気が向かないことを祈ってるわ」





朝一番でオマエの笑顔を見るのは、悪い気分じゃない。








(!!!あ、赤司!いつの間に部屋に入ったのだよ!?)
(ああ真太郎、おはよう。つい先刻からお邪魔しているよ)
(真ちゃんおはよー、朝からドコ行ってたの?)
((ちょっと水を飲みに行っている隙に……!!))



(13/1/27)




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