宮地サンと被写体云々
「オマエってムカツクくらいドヤ顔うまいよな」
「は??」
「いや……写真映りいいなって」
一年の臨海学校の写真を見せてきた高尾。
一通り眺めて思ったのがコイツの写真映りの良さだ。
ばっちりカメラ目線のもあれば、クラスメートが勝手に撮ったんだろう。緑間と喋ってる横顔とか、海でビーチバレーを楽しむ姿もあるが……共通して言えるのがどれも楽しそうにイキイキと写っているということ。
「え、でもコレとか変顔してますよー」
「ぶはっ!ひっでえ顔だなオイ……っつってもコレ意識しての変顔だろ」
油断してるとこにスゲー顔の写真を出されて思わず噴き出す。
だがそこに写った高尾は明らかにカメラ……というかクラスメートを意識して笑わせようとした体だ。
「んー……まあ写真撮られてるーって構えたことはないっすね」
「それはそれでムカつくな」
「えぇぇ宮地サンちょう理不尽な怒り!」
「ムカつくけど、……オマエの長所だろそれ」
「え。急に褒められた……」
常に自然体ってなかなか出来ねえよフツー。しかもあんだけ周りのことに気づく癖に。
「まあアホみたいに無防備でもあるってことだがな……」
「へ?」
周りがよく見えてるわりに肝心なトコは鈍い。すげえ警戒心が強そうにしててどっか抜けてる。
だから、一々目が離せねー。
「なんでもねえよ、バーカ」
「えぇぇ?!」
(オレのいない所で)
(あんま無防備な顔してんな)
(13/1/19)
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