青峰っちと休日
青峰っちは黒子っちの光だったけど。
オレにとっても似たようなもんだったのかもしれない。
その姿をはじめて目にしたときから、オレのなかに燻る感情は変わらないから。
「……黄瀬ェ……重い」
「愛の重さっスかねー」
「ンな重てぇ愛は返却するわ」
「不可っス」
青峰っちにくっついてダラダラと過ごすオフ。
WCが終わって、少しだけ穏やかな日が続いている。
窓から射し込む冬の日射しが、だいぶ暖かさを増してきていた。
もうすぐ、新しい季節。
「……春だなァ」
「ふはっ、何か青峰っちおじいちゃんみたい」
「ンだとコラてめー、殴っぞ?」
「った!殴ったあとに言わないでくださいっス……もー、暴力反対!」
「愛のムチだろ」
「そんな愛は返却……」
「不可な」
テンポよく交わされる会話は心地良い。
後ろからひっついてるオレを鬱陶しそうに言うけど、引き剥がさないトコをみるとそこまでウザがってはいないことが分かる。
青峰っちは不言実行型っスから。
たぶんほんとにウザかったら有無を言わさず引き剥がされる。
それにしても天気がいい絶好のバスケ日和じゃんコレ、と窓の外を眺めていたら不意に青峰っちが口を開いた。
「あー……バスケしてえ」
「また唐突っスねぇ」
「行くか」
「はいはい」
視線を外に向けていた青峰っちが呟いた言葉はまさに今オレが思っていたことで。思わず笑ったら睨まれたけど、同じことを考えてたっていう些細なことが嬉しかった。
(今日もキミと過ごす幸せ)
(13/1/18)
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