宮地サンに口説かれる


(※宮地サンに悟られるの続き)
(※未来設定)






「てか真ちゃんが結婚とかウケますよね〜っ、未だにラッキーアイテムとか持ち歩いてるんすよ?子供もぜったいおは朝信者にさせる気だわアレは!」

「高尾……オマエ、先輩差し置いて飲み過ぎだろ」

「ふはっ、だって宮地サンもうセンパイじゃねーもーん。元センパイだもーん」





なにが「だもん」だコノヤロー。可愛いとか思ってねーからな。
相手はただの酔っ払いだ。

二次会のあと、そのまま高尾を引っ張って飲み屋にやってきた。
個室に通され、よし今日はオゴってやると言えば最初こそ遠慮していたけど、気がつけばなんかへにゃへにゃになってやがるし。

いやまじでベロベロというかへにゃへにゃ。
動きとか、顔とか。

初めは見たことない高尾の気の抜けまくった姿に物珍しさを感じていたが、途中からなんか緑間の話ばっかでだんだんイラついてきた。





「何がもういいんだよ……おもっきし引き摺ってんじゃねーか……」

「ひきずってませんよーっ、アレは引いてただけで〜」

「誰がチャリアカーの話をしたよ」

「けっきょく、さいごまで真ちゃんがチャリ漕ぐことなかったなあ……」





ダメだ。
脳内が緑間一色だコイツ。

グラスをゆらゆらと揺らす高尾の目は、ここにはいないヤツを見ている。



無性に腹がたって、その真っ赤に染まる頬に両手を添えると無理矢理オレの方を向かせる。





「お、おぉ?……なんすかあ、宮地サン」

「……」

「あれ……もしかして、怒っちゃいましたー……?」

「高尾」

「ハイ」





酔っててもちゃんと聞いてろ。
そう前置けば、その目に不思議そうな色を滲ませながらも高尾はもう一度「ハイ」と返事をする。





「オレに全部寄越せ。オマエが、緑間に渡そうとして渡せなかったキモチとか、全部」

「へ……?」





高尾が固まってるのをいいことにオレはその額に一つ、キスを落とす。
ビクリと肩が震えたけど、離すつもりはない。

髪に、瞼に、頬に。
一つずつ口付けていけば、唇の手前で高尾の声がオレを呼んだ。





「み、やじさ……っ」

「……ゆっくり、気長になんてもう待たねえよ」

「……、え?」

「オマエのなかのアイツを、塗り替えてやる」








(だから)
(オレにしとけ)


(13/1/16)


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