ず「頭抜ける」




(【頭抜ける(ずぬける)】
たいそうすぐれる。
とびぬける。ずばぬける。)








雑誌の表紙を飾る黄瀬くん。

きらきらしてて男のオレから見ても、スゲーかっこいいと思う。

そんな黄瀬くんに突撃インタビューをかましてみた。





「……えっ、思い通りにいかないことっスか?」





何でもできちゃう彼のウィークポイントなんてあるのか。っていう完全なる好奇心。





「黄瀬くんでも、思い通りにいかなくてイラついたりとかあんの?」

「イラ、つく……まではいかないけど、もどかしい思いはしてるッスよ」

「まじで?あ、バスケ??」

「……えっ?や、バスケとはまた別で」





困ったように笑うから、何がなんでも聞きたい衝動に駆られる。
少し身を乗り出せばその分黄瀬くんが身を引いた。





「ちょ、高尾っち、近……!」

「ヒントちょーだい」

「へっ??」

「黄瀬くんが、もどかしい思いしてる原因」





形の良い眉が下がり、困らせてんのかなーって思うけど。一回出してしまった疑問はもう引っ込められない。

綺麗な金髪をくしゃりと掻き上げると、黄瀬くんは渋々と口を開いた。





「えっと……すげえ、近くにあるんスけど、遠くて」

「うん」

「手を伸ばせば捕まえられそうなのに、伸ばせなくて」

「うん」

「もう、高尾っちが別の誰かのもんなのかと思うともどかしくてしょうがないっス」

「う……、ん?」





え。



いまなんて。





「ねえ高尾っち。オレに手を伸ばすチャンス、ください」








触れるか触れないかの距離で煌めいた金色は、やっぱりきらきら光って眩しくて。



オレは、無意識に目を閉じた。








(そして目を開けたとき)
(さらに眩い笑顔と出会う)



(13/1/12)



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