緑間とキセキの記事







「真ちゃんって年上のヒトが好みだったんだ?」

「は?」

「いや、帝光時代のキセキ特集見てたら書いてあったから」

「な……っそんな昔の記事をどこから……!」





教室で珍しく高尾が大人しく読書などしていると思えば。

ヤツの机に広げられた雑誌は、かつて取材を受けた月バスのものだった。





「いやぁ、昨日部屋片付けてたら見つけてさー。ほら、中学時代の真ちゃんもカワイーぜ」

「バカか、何が可愛いだ。早くその雑誌を仕舞え」

「え、なんで?てかコレ、キセキの特集なのに黒子の記事ないんだけど。なに?黒子この日休んでたワケ?」

「……アイツは単に気づかれなかっただけなのだよ」

「ぶは!黒子フビンすぎ……!」





相変わらずよく笑うヤツだ。

オレがあからさまに溜め息をついても気にとめる様子もなく。高尾はまた記事に視線を落とす。





「黄瀬くんはこの頃からシャララ効果音が似合いそうな爽やかイケメンだったのなー」

「……黄瀬は中学から派手だったのだよ」

「逆に青峰はまだ幼さが残っててウケる。てか今みたいに擦れてないっぽいわ」

「……そのときはまだ、才能も開花しきれていない頃だな」





というかシャララ効果音とはなんだ。と思わず尋ねそうになるところを押し留め、高尾に答える。





「紫原は中学からデケーし」

「……まだ成長中らしい」

「はっ?マジ?!」

「赤司曰く、な」

「スゲーな紫原。お菓子と睡眠で身長伸びんのかな?今度聞いてみよ」





というかなぜオマエが紫原の連絡先を知っている。とも聞けず。
高尾の視線は未だ上がることはない。





「てか赤司は中学のときは髪長かったんだ?」

「……ああ、WCのときにオレのラッキーアイテムで断髪していた」

「ちょ、真ちゃんそれどゆこと??」

「……高尾」





何故一々オレは律儀にコメントしているのか。
耐え兼ねて名前を呼べば、やっとヤツの目がオレを捕らえる。





「ん?なに?真ちゃん」

「アイツらのことがそんなに気になるのか」





ほとんど無意識に零れた疑問に高尾は無邪気に笑った。





「キセキが気になるっていうか……真ちゃんの元チームメートじゃん?」

「……そうだが」

「真ちゃんに関係なかったら、オレわざわざ聞かねーし」

「……っ」








(それならばいっそ、オレの事を直接尋ねれば良いなど)
(言わない、言えない)



(13/1/12)



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