た「高鳴る」


(【高鳴る(たかなる)】
高く鳴りひびく。
喜びや希望で、
胸がどきどきする。)








初めてその姿を見つけたのは、入部希望の新入生が集まったとき。

倒すって決めた相手が、同じチームにいる。

驚きと戸惑いがごっちゃになって。
自分のなかの感情が上手くコントロール出来なかったのを覚えてる。



しばらく遠くから観察していて。
最初こそキセキの世代という存在なんてもんは不快でしょうがなかった。
(そりゃ中学時代あんだけボロクソにやられたワケだし)
(優遇ハンパねえし)
でも、なんかそいつがあまりにも思ってたのと違くてまた戸惑った。

そいつを知れば知るほど、オレももっと努力しねーと、って。
気がつけばその背中を追いかけてた。



そして、オレはいま。



そいつの隣に立ってる。





「高尾」



「任せといて、真ちゃん」





名前を呼んで、呼ばれて。

パスして。
緑間のシュートが決まって。



そんな些細なことでオレの心臓はいつも高鳴って。

楽しい、嬉しい。って。
心からそう思えるんだ。








(いつか、ちゃんと伝えるから)
(今はただ、隣にいるよ)



(13/1/11)



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